帯分数
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/11 08:21 UTC 版)
整数と真分数の和 k + m n {\displaystyle k+{m \over n}} の + を省略して k m n {\displaystyle k{m \over n}} と書いた分数を帯分数(たいぶんすう、英: mixed number)といい、「k と n 分の m」と読む。「k か(個、箇、ケ) n 分の m」とも。 明治初期の教科書では「か」であったが、その後西洋風に(英語ではこの部分を and と読むように)「と」と読ませる教科書も現れた。1905年以降の教科書では、1910年から1937年までと1950年代のもので「と」と「か」が併用されていたほかは、「と」と読ませている。 例えば、仮分数の 100/60 は 1 + 40/60 に分解でき、帯分数として 1+40/60 と表すことができる。特に、小数にすると割り切れない分数と整数の和を、{k + (m/n)}というように2種類の括弧を用いた帯分数で表記する場合がある。 しかし、帯分数は掛け算と混同される恐れがある。数 k と m/n の掛け算 k × m/n もまた k+m/n と表されるため、表記の上では帯分数と区別できない。このことは、数 k, m, n を具体的に定めない場合のように、数をこれ以上簡約することができない場合に特に問題となる。積と和の混同を避けるため、暗黙には帯分数を用いないことが多い。また下記のように計算も煩雑になるため、中学以降は帯分数はほとんど使われない。この記事においても、暗黙に帯分数を用いることは避け、用いる場合には帯分数であることを明示する。 帯分数の記法を使うことにより、1 以上の数を整数と真分数の帯分数として表すことができる。 帯分数の記法は整数部分の計算や、整数との比較をするには便利である。たとえば 100 7 < 15 {\displaystyle {\frac {100}{7}}<15} と 14 2 7 < 15 {\displaystyle 14{\frac {2}{7}}<15} では帯分数で表した場合の方が真偽が明白になる。 一方で帯分数の乗算や除算は、同じ数に対する仮分数の乗算や除算に比べて繁雑になる。たとえば 1 1 2 × 2 2 3 = 2 2 3 + 1 1 3 = 4 {\displaystyle 1{\frac {1}{2}}\times 2{\frac {2}{3}}=2{\frac {2}{3}}+1{\frac {1}{3}}=4} より 3 2 × 8 3 = 1 2 × 8 1 = 4 {\displaystyle {\frac {3}{2}}\times {\frac {8}{3}}={\frac {1}{2}}\times {\frac {8}{1}}=4} の方が計算は容易だろう。
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