りょう‐かい〔レウ‐|リヤウ‐〕【了解/×諒解】
読み方:りょうかい
[名](スル)
1 物事の内容や事情を理解して承認すること。了承。「—が成り立つ」「来信の内容を—する」
2 《(ドイツ)Verstehen》ディルタイ哲学で、文化的、歴史的なものを生の表現とみなし、その生を追体験によって把握すること。理解。
[用法] 了解・理解——「彼は友の言う意味をすぐに了解(理解)した」「その辺の事情は了解(理解)している」など、意味がわかる、のみ込むの意では、相通じて用いられる。◇「了解」には、相手の考えや事情をわかった上で、それを認める意がある。「暗黙の了解を得る」「お申し越しの件を了解しました」◇「理解」は、意味や意図を正しくわかる意が中心となる。「文章を理解する」「何を言っているのか理解できない」◇「了解できない」は、意味はわかるが承認できないの意になり、「理解できない」は単に意味がわからないの意になる。◇類似の語「了承」は「了解」とほぼ同じに使うが、「了解」よりも承認する意が強い。「上司の了承を得る」「双方とも大筋で了承した」
了解
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/03/17 15:22 UTC 版)
了解(りょうかい、独:Verstehen、英:Understanding)とは、歴史や文化形象に向かう自己を自己限定する行為を指す哲学概念であり、ディルタイによって導入された。
哲学における「了解」
ディルタイによる了解概念の成立
了解という語は、19世紀初頭以来のドイツにおいて、精神科学一般の自己反省や意義をめぐる議論のなかで、歴史や文化形象に向かう人間の基本的なあり方を表すものとして、哲学的概念に高められた。そこでは、自然科学における「説明」概念との対比が強調されている。
ディルタイは、文化形象を人間の心的体験による表現として捉え、それをわれわれは価値体系との連関において理解/了解すると考えた。そして、その際の範型が、個人が自己の歴史を振り返って一つの統一的な意味を作り上げる「自己了解」である。了解の基盤は、個別的、個性的に実現しているわれわれの生の普遍性なのである。
ここにおいて、自然科学の説明にみられるような「客観的」知識追究の態度は放擲される。
ハイデッガー、ガダマー
ハイデッガーは、この了解概念をさらに拡大し、これを気分とともに世界にかかわる現存在のあり方、その自己遂行の基本的様態(「存在」了解)として捉えた。ハイデッガーにとっての了解は、たとえば道具の意味了解にみられるように、その使用能力をも意味するものとして、プラクティカルな性格をもつ。その点は歴史に関しても同じであり、歴史の了解は、現在における世界定位というプラクティカルな性格をもつ。
また、ガダマーの解釈学的反省は、この考え方をさらに発展させたものである。ディルタイの了解にとって、力点が置かれているのは、観察主体による心的再演ないし構想力による他者の経験の再構成にあり、デカルト的個人主義が基調とされていたが、ガダマーは、この発想を離れ、了解の根底には、相異なる準拠枠(ウィトゲンシュタイン流に言えば生活形式)の交流があるとした。すなわちガダマーにとっての了解とは、他なる存在様態に対する観察を通じてその他者の視座(意味をもたらす枠組み)を把握することで観察者自らの自己認識を高めていく創造的過程なのである(『真理と方法』)。
社会学における「了解(理解)」
理解社会学
社会学の分野では、マックス・ウェーバーが、ディルタイの批判的継承の下に、人間の行為の主観的意味の了解をめざす理解社会学を構想した。タルコット・パーソンズは、『社会的行為の構造』(1937年)のなかで、この了解概念を取り入れている。
批判理論
また、批判理論の系譜においても、ユルゲン・ハーバーマスが、ガダマーの知見を取り入れ、ウェーバーを部分的に発展させつつ、現代社会における了解と合意に関するコミュニケーション的行為の理論を追究した。すなわち、人間の活動に対する研究は純粋に解釈学的ではありえず、法則論的でもあるとして、この二つの立場を「解放的関心」と結びついた批判理論によって媒介したのである。
心理学における「了解」
ディルタイ的な了解概念は心理学においても受けつがれており、了解心理学と呼ばれる。
批判
自己理解と他者理解の接続をめぐって、ミハイル・バフチンらによる批判がある。
参考文献
- ハンス・ゲオルク・ガダマー『真理と方法(1、2)』(法政大学出版局, 1986, 2008年)
関連項目
了解
出典:『Wiktionary』 (2021/11/08 12:46 UTC 版)
異表記・別形
語源
「諒解」の「同音の漢字による書きかえ」
発音(?)
- りょ↗ーかい
名詞
類義語
翻訳
- 英語: understanding (en), agreement (en)
動詞
活用
サ行変格活用 | ||||||
---|---|---|---|---|---|---|
語幹 | 未然形 | 連用形 | 終止形 | 連体形 | 仮定形 | 命令形 |
了解 | し せ さ |
し | する | する | すれ | せよ しろ |
意味 | 語形 | 結合 |
---|---|---|
否定 | 了解しない | 未然形 + ない |
否定 | 了解せず | 未然形 + ず |
自発・受身 可能・尊敬 |
了解される | 未然形 + れる |
丁寧 | 了解します | 連用形 + ます |
過去・完了・状態 | 了解した | 連用形 + た |
言い切り | 了解する | 終止形のみ |
名詞化 | 了解すること | 連体形 + こと |
仮定条件 | 了解すれば | 仮定形 + ば |
命令 | 了解せよ 了解しろ |
命令形のみ |
翻訳
- 英語: understand (en)
感動詞
翻訳
「了解」の例文・使い方・用例・文例
- ご要望について了解しました。
- 大企業には、その企業特有の様々な暗黙の了解が存在することがある。
- はい、了解しました。
- すべて了解いただけたでしょうか。
- 来週はサマーホリデイなので、連絡はそのあとになる事を了解しておいてください。
- 私は彼と話をして了解は得ております。
- 私は彼の了解を得て事務所に急いで行きました。
- 私は了解しました。
- 私があなたのメールに答えることが出来ないことを了解してください。
- それを了解しました。
- 明日のことについては了解しました。
- その費用について了解しました。
- 私の家族はそれについてはまだ了解してくれていません。
- 私はあなたの了解を求めます。
- 私はそれを了解します。
- それはまだ了解が得られていない。
- 私はそれについて彼の了解を得た。
- 私はそれについて彼の了解を得ている。
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