あしらい〔あしらひ〕
え‐しゃく〔ヱ‐〕【会釈】
読み方:えしゃく
[名](スル)《もと仏教語で、混乱した内容を、前後照合して意味が通じるようにする意の「和会(わえ)通釈」の略》
1 軽くあいさつや礼を交わすこと。また、そのあいさつや礼を示す所作。「—してすれ違う」「—を返す」
2 相手に心配りをすること。思いやり。斟酌(しんしゃく)。「遠慮—もなく割り込む」
「一国独立の為とあれば試みにも政府を倒すに—はあるまい」〈福沢・福翁自伝〉
「之を尺度として、—もなく百般の著述を批評するをいうなり」〈逍遥・批評の標準〉
「入道朝家を恨み奉る由聞こえしかども、静憲法印院宣の御使ひにて様々—申しければ」〈盛衰記・一二〉
会釈
会釈
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/07/26 02:17 UTC 版)
ナビゲーションに移動 検索に移動会釈は、えしゃくとあしらいと異なる読み、意味が存在する。
えしゃく
日本の天皇皇后が、皇居奉仕団団員などに顔を見せ挨拶する場合にもこのように呼び、特に「ご会釈」と表現する[1][2]。
概念
仏教用語にある「和会通釈(わえつうしゃく)」の略語。会通(えつう)ともいう。仏典の二律背反(相互に自己矛盾する教説)を照合し、矛盾のない解釈を導き出すこと。転じて他者相互の矛盾を解消する意となり、さらに教説を離れて人間相互の融和から「挨拶」の意へと変遷した。
方式
日本や中国では主に頭を軽く下げ、一時的に相手の目線を見つめる事なく(こちら側からの敵意の抹消行為)した後、自分側の顔を緩やかに上げるというスタイルがベーシックな形である。これには頭を下げた時点で「こんにちは」といった時候の挨拶を組み込むスタイルも含む。アメリカでは「Hi」「Yo」等の言葉と共に、体を大きく反らすオーバー・アクションな姿が見受けられる。
目下の者がする敬礼に対して、これを受ける目上の者からの答礼に行なわれる。
あしらい
会釈(あしらい)とは邦楽の用語で、さまざまな意味に用いられる。
- 長唄において自由な形で即興演奏する手法。
- 狂言において囃子事の総称。狂言会釈(きょうげんあしらい)とも呼ぶ。
- 連句において付け心の分類の1つ「七名(しちみょう)」の内の1つ。変化が難しいときなどに、前句の人の容姿や周辺の器材などをもって程よくその場をあしらってゆく方法[3]。
- 相手に適当な対応をすることを「長刀会釈(なぎなたあしらい)」というような成句もある。
脚注・出典
- ^ ご会釈(勤労奉仕団) - 宮内庁
- ^ 拝謁・お茶・ご会釈など - 宮内庁
- ^ 『連句辞典』(東京堂出版、1986年、ISBN 978-4490102123)の「会釈」の項より。
- 世界大百科事典 第2版 「会釈(あしらい)」の項より。
関連項目
外部リンク
会釈
「会釈」の例文・使い方・用例・文例
- 彼女は会釈して私たちを中に案内した
- 会釈
- 彼女は通りで私に会釈をした
- 通り過ぎるとき彼は私に会釈した
- 表玄関の素通しのガラス越しに、その常連は私たちに会釈をした。
- ただ会釈をするだけなのに、妙にしゃちほこ張ってしまう。
- 彼は帽子を持ち上げて私に会釈した。
- 彼は通りかかったときに会釈した。
- 彼はその女性に会うと、帽子を上げて会釈した。
- 彼のことは会えば会釈する程度に知っています。
- 彼のことはこれ以上知りません。顔を合わせれば会釈する程度の知り合いですから。
- 私と彼女とは会えば会釈し合う程度の間柄です。
- 王子様は白雪姫に会釈した。
- ナンシーは通りの向こうから私に会釈した。
- スミス氏とは会えば会釈する程度の知り合いです。
- スミス氏とは会えば会釈するくらいの知り合いです。
- 〈婦人が〉(人に)おじぎをする, 会釈する.
- 軽くひざを曲げて会釈する.
- 少年はにっこり笑って彼女に会釈した.
- 彼とは会釈するだけの間柄だ.
会釈と同じ種類の言葉
品詞の分類
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