feeling
「feeling」とは、感じ・感情・思いやり・気配のことを意味する英語表現である。
「feeling」とは・「feeling」の意味
「feeling」とは、主に「感じ」や「感情」という意味を表す名詞である。個人的な身体感覚のみならず、心情を表す場合にも用いられる。同じく「感情」を意味する語として「emotion」や「sentiment」などが挙げられるが、「feeling」は主観的な感覚・気持ちを示す最も一般的な語として用いられる。「feeling」は不可算名詞と可算名詞でそれぞれ意味合いが異なる。不可算名詞の場合は「I have lost all feeling in my toes.(私はつま先の感覚をすっかり失ってしまった)」のように「感覚」、「触感」、「触れること」という意味や「She shows no feeling for poor children.(彼女は貧しい子供たちに何の同情も示さない)」のように「同情」、「思いやり」という意味を主に表す。その他、「感受性」や「(芸術などに対する)理解力」という意味を示すこともある。
可算名詞の場合は、基本的に「a feeling of hunger(空腹感)」や「a feeling of gratitude(感謝の気持ち)」のように「(心・体の)感じ」や、「(漠然とした)感じ」を表す。複数形(feelings)だと「arouse feelings(感情をかきたてる)」や「express [show] one's feelings(感情を表わす)」のように、「(理性に対する喜怒哀楽の)感じ」を意味する。
「feeling」の発音・読み方
「feeling」の発音記号は「fíːlɪŋ」である。カタカナでは「フィーリング」と表記されることが多いが、実際に発音する場合は「フィーリン」のように、末尾の「g」は発音しないような読み方となる。また、日本語発音の平坦な読み方とは異なり、アクセントを頭の「フィ(fíː)」の部分につけて発音する。「feeling」の語源・由来
「feeling」は動詞「feel」に現在分詞形を表す接尾辞の「-ing」を合わせた語である。「feel」は「触れる」や「感じる」、「ゆさぶる」という意味合いを持つ古英語の「felan」に由来する。古来から身体的な感覚や心情を表す語として用いられてきた語である。「feeling」と「feelings」の違い
複数形の「feelings」は、喜怒哀楽のような感情や、人などに対して抱く好悪の気持ちを表す場合によく用いられる。そのため、「I have a feeling」だと「予感がする」や「(何となく)~の気がする」といったように漠然とした感じを表す表現となるが、複数形で「I have feelings」と表記すると、「(ある人物に対して)好意を抱く」もしくは「好きだ」という気持ちを表す表現となる。なお、態度に現れるような強い喜怒哀楽の気持ちを表す場合は、基本的に「emotion」が用いられる。
「feeling」を含む英熟語・英語表現
「I'm feeling」とは
「I'm feeling」は、基本的に自分の気持ちや体調を相手に伝える際に用いられる表現である。例文にすると「I’m feeling some better now.(少し気分が良くなった)」「I’m feeling queer.(気分が変だ)」「I’m still not really feeling a hundred per cent.(私はまだ体調が万全とは思っていない)」といった表現になる。
「feeling」に関連する用語の解説
「my feelings」とは
自分が抱いている喜怒哀楽の感情や、物事に対する気持ち(考え)を意味する場合に用いられる。例文にすると「I am immersed in my feelings.(感慨に浸る)」「I’m not very good at putting my feelings into words, but I’ll try to open.(私は気持ちを言葉に表すのはあまり得意ではないが、説明してみよう)」といった表現になる。
「open feeling」とは
「開放感」という意味を表す。「開放感」は「さえぎるものがなく、ありのままを見せて隠さないさま」を意味するが、類語である「解放感(何かから解き放たれて自由になったさま)」は、英語だと「a feeling of freedom」と表記する。
「good feeling」とは
「好感」や「好意」という意味を表す。対義語である「悪感情」や「不信感」を示す場合は「bad feeling」や「ill feeling」と表記する。
「feeling」の使い方・例文
これまで挙げてきたように、「feeling」は基本的に身体的・心的な「感じ」を表す語として使用される。しかし他にも「a person of fine feeling(感受性のこまやかな人)」「He has a real feeling for music.(彼には音楽に対する本当のセンスがある)」のように「(審美的な)感受性」や「センス」という意味合いを示す語としても使用されることがある。また、「What is the general [popular] feeling about this matter?(このことに対する一般の人の考えはどうか)」「I asked him what his feelings were on the nuclear plant.(私は彼に原子力発電所をどう思うか尋ねた)」のように、「(直感的な)意見」や「(大方の)見方・考え」を意味する語としても使用することができる。
フィーリング
気持ち
気持ち(きもち)は、物事に接した際それに対して感じた心の状態や心のありかた[1]。からだの状態からくる快適・不快な感じを指す場合にも使われる。歴史的には「心持(こころもち)」という言葉の方が古く、江戸時代中期はこちらが主に使用されていたが、徐々に心持の使用頻度が少なくなり、昭和以降は「気持ち」が圧倒的優勢となった[1]。
心理学ではこの用語が感情と密接に関連しており、感情にかかる意識上の主観的経験を指す用語である。気持ちを測る神経生理学上の手法は多くあるものの、それが一様にかつ個人差を越えて有効だとは認められていない。これはまた、気持ちが個人的または主観的な意識の状態[2] や自我の状態としても解釈されることを示唆している[3]。気持ちは、我々の感覚器官に由来する刺激が処理されて生れたものである。その感覚器は我々を取巻く世の光景だけでなく、我々自身の体に起きている事象をも伝えてくれる。気持ちは、外的な事実だけでなく我々自身の価値判断が表れたものでもある[4]。
言葉の微細な波紋、"少しばかり"の優しさ、 "僅かに"感じる、その巧みなニュアンス。
感情との違い
神経科学者のアントニオ・ダマシオは気持ちと感情を次のように区別している。「感情」とは心象(mental images)とそれに伴う身体的変化を指すのに対し、「気持ち」とは身体的変化の知覚を指している。言い換えるなら、感情には主観的要素のほか第三者の目に見える要素(例えば表情・仕草など)が含まれるが、気持ちは主観的かつ私的なものである[5][6]
内臓との関係
腸
物事に接した際の感情的な反応が腸の働きに反映されることがあり、これを英語圏ではgut feeling(腸の感覚)[注釈 1]やgut reaction(腸の反応)などと呼ぶ。不安な気持ちなどで具合が悪くなったり、気持ちが安らぐと具合が良くなったりもする。例えば、緊張は「胃がよじれる」ような感覚をもたらすことがある[8]。脳の働きが腸に影響を及ぼすように、腸の状態もまた脳に影響を及ぼすことが知られており、これを脳腸相関という[9]。これらの思想は長年受け継がれてきたもので、19世紀の西洋医師の多くが精神疾患の起源を腸から派生するものだと考えていた[10]
心臓
様々な気持ちを生み出す心は体のどこにあるのか、という命題は古代より論じられている。好きな人といれば胸が高鳴ったり、悲しいことがあると胸が締め付けられるような感覚を覚えるため、心は心臓付近にあると答える人も多い(そもそも心臓は「心を司る臓器」が名称の由来である)[11]。古代ギリシアではアリストテレスがこの心臓説を唱え、中世に至るまで人々に影響を与えた[12]。ただしその後は心臓よりも脳室説が優勢となり、「心」が働くには脳の活動が不可欠である、と現代では考えられている[13]。
知覚との関連
他人の感情表現や気持ちを理解することが、自分達の応対方法を決めることになる。個人の状況対応方法は心情則 (feeling rules) に基づく。事情を知らされた人と知らない人とでは振る舞いが全く異なる。例えば悲劇的な事件が起きた場合、それを知っている人達の反応は同情的になるが、事情を知らない人達では無関心な反応を示す場合もある。事件に関する知識や情報の有無が、事柄に対する個人の見解や反応を形成しうる[8]。
心理学教授のティモシー・D・ウィルソンらは、確信を持てない気持ち(feeling of uncertainty)に関して状況が不確定または不明瞭な時ほど、より多くのお金が投じられることを発見した[注釈 2]。物語の背景や結末を知らないがゆえ、人は常に心の中で事件を再生して、悲喜こもごも入り混じった気持ちを抱く。
人は安心感などを得るために(自分の関わる)事柄について詳細を全て知りたいと考えるが、不確実性を感じるとそこに謎めいた感覚があるためより楽しい事柄につながる場合もあることをウィルソンは発見した[注釈 3]。実際、分からないという気持ちは何が待っているのかを常に考えたり感じるように人々を導くことができる[14]。
気持ちに関する考察

社会生活をおくる人々は、何かが自分にとって望ましい結果や気持ちを与えてくれるのではと未来に期待することがある。自分を幸せや興奮させてくれると思える事柄に熱中することは、一時的なスリルを引き起こすだけにすぎなかったり、待ち望んでいたことと逆の結果になる場合もある。イベントや体験は自分の気持ちを満たすために行われて追体験される。
過去に経験した気持ちが、現在の意思決定や将来同じ事が起こった時の気持ちに影響を与える傾向がある。ギルバートとウィルソンによる花の購入実験では、過去に花の購入経験がある人のほうが記念日で花を購入することで幸福を感じ、その幸福感が(花の購入経験がこれまで無かった人に比べて)長く続いたことが示された[15]。
社会学者で作家のアービング・ゴフマンによると、人は俳優のように感情表現の方法を制御できるが、内なる感情や気持ちを制御することはできない。内面の気持ちは、外で人々に見てほしい表現を行う場合であれば押し込めることが可能である。こうした感情的な経験は個人が意識的かつ積極的に取り組んでいる継続的なものだと、ゴフマンは説明する。各個人は、内面と外面の気持ち(いわゆる本音と建前)を持って社会に溶け込もうとする[16]。
自傷行為
気持ちは害悪側にも作用しうる。人生において猛烈なストレスや問題を抱えている時、当人が自傷行為に及んでしまうことがある。気持ちが晴れ晴れとしている時、人々は絶対にそれを終わらせたくないと思う。逆に気持ちが憂鬱だったり落ち込んでいる場合、人々はその気持ちを消し去りたいと思う。自分自身に危害や痛みを加えることは多くの人にたまに見られる反応で、なぜなら人々は現実問題を一旦忘れるための何かを望んでしまうからである。こうした人達は、その痛みが自身の現実問題ほど悪いものではないと考えているので、現在自分が感じているものとは別の何かを感じるために、自分自身を切ったり、刺したり、食事をとらずにいる。多くの人が自傷行為を選択するのは、気持ちを紛らわすことだけが理由ではない。一部の人々は自身を罰するために自傷行為に至る[17](軽微な例だと、初歩的なミスに恥じ入って自分で頭を小突いたりする)。
関連項目
- 情動/強い感情 - 英単語の"emotion"にあたるもの[18]
- 気分 - 英単語の"mood"にあたるもの[18]
- 感触/何となく受ける印象 - 日本語の"フィーリング"にあたるもの[19][18]
- 意識
- 自律神経
- 認知神経科学
- アレキシサイミア
- MBTI
- クオリア
- ホメオスタシス
脚注
注釈
出典
- ^ a b コトバンク「気持」精選版 日本国語大辞典およびデジタル大辞泉の解説より。
- ^ VandenBos, Gary (2006) APA Dictionary of Psychology. Washington, DC: American Psychological Association
- ^ Wilhelm Arnold u. a. (Hrsg.): Lexikon der Psychologie. Bechtermünz, Augsburg 1996, ISBN 3-86047-508-8, Spalte 684–691.
- ^ Peter R. Hofstätter (Hrsg.): Psychologie. Das Fischer Lexikon, Fischer-Taschenbuch, Frankfurt a. M. 1972, ISBN 3-436-01159-2; (a) zur „Definition“ S. 124; (b) zum Stw. „Gefühl und Vegetative Organfunktionen“: S. 125 f.; (c) zum Stw. „Die Zerknirschung und Schuldfrage bei körpernahen Gefühlen“: S. 125, 206; (d) zum Stw. „Ethische Konsequenzen“: S. 125.
- ^ Damasio, Antonio (1994). Descartes error. United States: Penguin Books. ISBN 0-399-13894-3
- ^ Domasio, Antonio. The feeling of what happens
- ^ IHCWAY「Gut feeling(直感)マンツーマン英会話」2021年8月30日閲覧。
- ^ a b Hochschild, Arlie Russell. “The Managed Heart: Commercialization of Human Feeling”. 2021年9月3日閲覧。
- ^ ヤクルト中央研究所「脳腸相関」『健康用語の基礎知識』2021年9月15日閲覧。
- ^ Manon Mathias and Alison M. Moore (eds), Gut Feeling and Digestive Health in Nineteenth-Century Literature, History and Culture. New York: Palgrave, 2018. ISBN 978-3-030-01857-3:
- ^ 大隅典子「心は体のどこにある?」東北大学大学院、Neuro genesis、2005年3月3日
- ^ 『新カトリック大事典 第2巻』研究社、2002年。
- ^ 石井辰典「第7話 心はどこにあるのか?:心の知覚」東京成徳大学、2015年
- ^ Outi Horne; Emese Csipke (2009). “From Feeling Too Little and Too Much, to Feeling More and Less? A Nonparadoxical Theory of the Functions of Self-Harm”. Qualitative Health Research 19 (5): 655-667. doi:10.1177/1049732309334249. PMID 19380501. (
要購読契約)
- ^ Wood, Stacy L.; Bettman, James R. (2007-07-01). “Predicting Happiness: How Normative Feeling Rules Influence (and Even Reverse) Durability Bias”. Journal of Consumer Psychology 17 (3): 188?201. doi:10.1016/S1057-7408(07)70028-1.
- ^ Hochschild, Arlie (1979). “Emotion Work, Feeling Rules, and Social Structure”. American Journal of Sociology 85 (3): 551?575. doi:10.1086/227049 .
- ^ Bar-Anan, Y; Wilson, T. D.; Gilbert, D. T. (2009). “The feeling of uncertainty intensifies affective reactions”. Emotion 9 (1): 123-7. doi:10.1037/a0014607. PMID 19186925 .
- ^ a b c 英語学習徹底攻略「「emotion」「feeling」「mood」「sentiment」の意味の違いとは?」2020年1月19日
- ^ コトバンク「フィーリング」精選版 日本国語大辞典の解説より。
外部リンク
フィーリング
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/24 07:46 UTC 版)
「ニシボリック・サスペンション」の記事における「フィーリング」の解説
一部の自動車評論家[誰?]は、「コーナーリングでオーバーステアになってしまうということである。一般ドライバーならば恐怖心を感じるのではないか」と述べた。[要出典] 車両旋回運動を考えると・・・ハンドル操舵後まず仮想旋回中心はリヤアクスルの延長線上に発現し、横滑り角βの増加と共に旋回中心が前輪方向に移動する。この一連のプロセスはドライバが車両挙動を把握する為の重要なインフォメーションであるが、後輪を逆相に切ると、仮想旋回中心は後輪より前方に発現し、その後後輪が同相になるに従って仮想旋回中心も後輪に下がる事になり、著しくフィーリングと乖離する。この話はニシボリックサスに限らず、ニッサン・スーパーハイキャスやマツダのトーコントロールハブなど、後輪が逆相から同相に切れ変わる4WSシステム全てに言える事であるが、JT760シリーズ中、特にスポーティなグレードの後輪実舵角は、車両のロール角が少ない為に逆相に切れっ放しとなっている事が判明しており、過渡領域を越え、定常円旋回状態に入ってもドライバーの感覚とのずれがあった。[要出典] だがこれはあくまで一般ドライバーでの話であり、車両限界を一杯まで使って走行するレースドライバーからは「FF車でありながらFR車的な挙動」には評価する声[誰?]もある。[要出典]
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