こころ
(心)《原題Kokoro》小泉八雲の著作。明治29年(1896)刊。副題は「日本の内面生活の暗示と影響」。
(こゝろ)夏目漱石の小説。大正3年(1914)発表。罪悪感や孤独感、人間憎悪の念がついには自己否定に至るという、個人主義思想の極致を描く。
こころ【心】
1 人間の理性・知識・感情・意志などの働きのもとになるもの。また、働きそのものをひっくるめていう。精神。心情。「心の豊かな人」「心に浮かぶ思い」「心と心の触れ合い」「心を痛める」「心の晴れる時もない」
㋐偽りや飾りのない本当の気持ち。本心。「心が顔に現れる」「心から感謝する」「心にもないほめ言葉」「口と心の違う人」
㋑身についた感じ方や考え方の傾向。性分。性根。「生まれついての心は変わらない」「ねじけた心」「心を入れ替える」
㋒物事について考え、判断する働き。考え。思慮。分別。「心を決めたら迷わず進む」「会社再建に心を砕く」
㋓他人の状況を察していたわる気持ち。思いやり。情け。人情味。「心のこもった贈り物」「心をこめて編んだセーター」
㋔あることをしようとする気持ち。意志。「やるしかないと心を決める」「行こうという心が起こらない」
㋖自分と異なるものを認め受け入れる余裕。度量。「広い心の持ち主」「心の狭い人」
㋗物事の美しさやおもしろさのわかる感覚。風流心。「詩の心にふれる」「美を求める心」
㋘覚えていること。記憶。「心に深く刻まれた痛み」「心に残る名演技」
㋙気をつけること。注意。留意。「心が行き届く」「隅々にまで心を配る」
2
㋐物事の本質をなす意味。また、芸術上の理念。「演技の心を会得する」「能の心は幽玄にある」
㋑なぞ解きなどで、その理由。わけ。「田舎の便りとかけて豆腐ととく。心はまめ(豆)で稼いでいる」
「まだ蓬莱(ほうらい)は飾らねども、まづ正月の―」〈浄・阿波の鳴門〉
「かく親しき御仲らひにて、―あるやうならむも便なくて」〈源・若菜上〉
[下接句] 気は心・口は口心は心・犬馬の心・旅は情け人は心・二千里の外(ほか)故人の心・人は見目(みめ)よりただ心
[補説]
2015年に実施した「あなたの言葉を辞書に載せよう。2015」キャンペーンでの「心」への投稿から選ばれた優秀作品。
◆漢字で書くのは簡単だが、読むのは極めて難しいもの。
へいしょさん
◆体の中にある細い枝のようなもの。強いストレスがかかるとポキッと折れることがある。
ちいちゃんパパさん
◆ある者にとっては鋼であり、ある者にとってはガラスであるもの。
Kentaさん
◆世の中で一番売ってはいけないもの。
Shinさん
◆誰も見た事がないのに、誰もがその存在を確信しているもの。
saraさん
◆無限のエネルギー。しかし時には熱を持ちすぎ制御不能になるときもある。二つ使用するときは特に注意(恋愛など)。
まなぶさん
◆人間の核。不安定で常に変化しており、脆く弱く壊れやすく、ときに自分の生死をも左右しうるもの。しかし、苦境を乗り越えるたびに強くなる。
bunbunさん
◆せかいいち性格の悪いともだち。
ホンダマリコさん
◆人間が存在する原点。目に見えないが、感情や思考、それに伴う行動などの人間には不可欠なものを動かす、なくてはならないもの。
水泳部のマネージャーさん
◆人間の核の部分。存在するようで存在せず、存在しないようで存在する。
ゆいおさん
◆目に見えず、触れることもできず、あったりなかったり、強かったり細かったり、人によっては頻繁に折れたりする。なのに、時々、すべてに打ち克つ力になる。
ふくにゃさん
◆頭の良きライバル。
カリカリさん
◆簡単には開かない箱の中に存在する世界。「心友」にだけ合鍵を渡しておく。
かぐやさん
◆他者を感じるときにその存在に初めて気づくもの。
スエルテさん
こころ
作者夏目漱石
収載図書夏目漱石全集 8
出版社筑摩書房
刊行年月1988.5
シリーズ名ちくま文庫
収載図書こころ 坊っちゃん
出版社文芸春秋
刊行年月1996.3
シリーズ名文春文庫
収載図書ザ・漱石―全小説全一冊 増補新版
出版社第三書館
刊行年月1999.6
収載図書現代表記版 ザ・漱石―全小説全一冊
出版社第三書館
刊行年月2004.11
収載図書大活字版 ザ・漱石―全小説全二冊 上巻
出版社第三書館
刊行年月2006.4
こころ
こころ
小古呂
姓 | 読み方 |
---|---|
小古呂 | こころ |
こころ
こころ
出典:『Wiktionary』 (2019/02/20 08:26 UTC 版)
語源
古典日本語「こころ」 < 古代日本語 kökörö < 日本祖語 *kəkərə
発音
東京式アクセント
- こ↗ころ↘
- こ↗こ↘ろ
京阪式アクセント
- こ↘ころ
名詞
こころ【心】
- 人間の精神活動。また、精神活動をつかさどるもの。
- きもち、感情。
- ものの感じ方、考え方。
- 興味、関心、意志、意欲。
- 表面上出さない、奥底にしまっている本当の気持ち。本心。
- 物事の本質。物事の奥底にある内容。
- 謎かけの答え。
- 心臓、胸。
関連語
翻訳
- アイスランド語: hjarta 中性
- アラビア語: قلب (qalb)
- アルバニア語: zemër
- イタリア語: cuore
- 英語: heart
- エストニア語: süda
- オランダ語: hart
- カタルーニャ語: cor
- ギリシア語: καρδιά (kardiá)
- 高地ソルブ語: wutroba, čerwjene
- スウェーデン語: hjärta, hjärter
- スペイン語: corazón 男性
- スロヴェニア語: srce
- タガログ語: puso
- 低地ソルブ語: wutšoba
- ドイツ語: Herz 中性
- トルコ語: yürek, kalp
- ヒンディー語: हृदय (hr̥daya)
- フィンランド語: sydän, hertta
- フェロー語: hjarta 中性
- フランス語: cœur
- ブルガリア語: сърце (sarze)
- ペルシア語: دل (del)
- ポーランド語: serce (pl) 中性
- ポルトガル語: coração
- ラテン語: cor
- リトアニア語: širdis (lt) 女性
- ルーマニア語: inima 女性
- ロシア語: сердце (serdze) 中性
- ロマンシュ語: cor
動詞
活用
語源
発音
三拍名詞五類
平安時代
- ここ↗ろ
南北朝時代
- こ↘こ↗ろ
室町時代以降
- こ↘ころ
名詞
諸言語への影響
心
心 |
恉
意
意 |
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