りょう‐しん〔リヤウ‐〕【良心】
良心
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/01/31 17:45 UTC 版)
良心(りょうしん)とは、自身に内在する価値観(規範意識)に照らして、ことの可否ないし善悪を測る心の働きのこと。または、人としての良い心を持つ自身の状態である。英語では conscience と表記され、その語源には日本語のような「良」を意味する部分はない[1]。従って、英語では、good conscience[2](日本語では、"良い良心"にあたる)や、 evil conscience(日本語では、"邪悪な良心"にあたる)という表現が存在する。罪悪感が入り混じった複雑な感情の動きを良心の呵責と称されることがある。
概要
良心は、それ自体は規範意識などの情報の曖昧な総体であり、また善行をなし悪行を避ける心のことである。人間に関しては、性善説のように生まれながらにしてこの良心を持ち良いことを好み悪を嫌うとする説と、性悪説のように生まれた時点では良心は存在しないので教育によって良心を芽生えさせ育てる必要があるとする説があるが、そのいずれにしても社会に対しては、この良心に従って行動することが求められる。
特に良心の働きは個人的なものであり、これに従うことは自己に対する肯定感が増し、これに反すれば自己否定的になる。多くの場合で人間は自尊心の働きにも拠り、良心に反することを嫌う。また良心は普段無自覚である。
このような心の働きは、人が社会的動物として社会に関与する上で、自分の属する社会に益するよう働き掛けるものであるが、その働き具合は個人によってまちまちである。また正義や道徳が社会の価値観によってもまちまちであるように、この良心の向かう先も文化など他の要素にもよってやや異なる。
良心はときに他人に感化されて喚起したり、あるいは目の前の状況に精神的なショックを受け喚起される場合もある。逆に止むに止まれぬ事情により、この良心に反する行動を敢えて行う(緊急避難)場合もある。
良心自体は明確な価値観念ではなく、また信条のように条文化することも難しい。ジークムント・フロイトは良心を無意識における抑圧構造の文化的な作用だとしている。バート・ヘリンガーは良心を、集団に所属する権利の有無を知覚する感覚器官だと説明している。
物語の題材としてこの良心を取り扱うものもある。例えば我利的(自分の利益を最優先とし他人を省みないこと)な者が何がしかの体験を通して良心に目覚める『レ・ミゼラブル』や『クリスマス・キャロル』がある一方で、『羅生門』のように生きるために逆に良心を捨て犯罪に手を染める物語も存在する。
日本国憲法第76条第3項に規定された良心について、日本の最高裁判所大法廷は1948年11月17日の判決で「有形無形の外部の圧迫、誘惑に屈しないで自己内心の良識と道徳感に従う意味である」としている。
conscience の和訳
- 西周は、1868年(慶応4年)刊の『万国公法』において、conscience を独知と訳した[3]。
- 中村正直は、1871年(明治4年)刊の『西国立志篇』において、conscience を良心と訳した[4]。
- 連合国軍占領下の日本政府は、1946年(昭和21年)『日本国憲法マッカーサー草案』第18条(同年公布された正式な憲法では第19条)の Freedom of thought and conscience を、思想及良心ノ自由と訳した[5]。
脚注
- ^ Webster`s New World College Dictionary, 3rd edition, 1997, p.296.
- ^ The Holy Bible, New International Version, 1984, Acts 23:1, 1 Timothy 1:5, 1 Peter 3:21.
- ^ 独知(ドクチ)とは - コトバンク
- ^ 良心(りょうしん)とは - コトバンク
- ^ GHQ草案 1946年2月13日 日本国憲法の誕生 - 国立国会図書館
関連項目
良心
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/17 08:18 UTC 版)
つぼみのもう一つの人格。現在の彼女の人格が思い出せなくなった記憶を保有している。現在の人格が眠っている間に、皮下に自身の血を注入されたことで血桜に苦しむ太陽の頭に語り掛けて血桜を抑え込ませると同時に夢の中に入り込み、自分を殺してほしいこと、その為に過去の自分について記載されている「つぼみの書」の錠の開け方と現在の自分を知る皮下と対面するための銀級のスパイ免許証が必要であることを告げた。
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良心
出典:『Wiktionary』 (2021/06/12 13:59 UTC 版)
名詞
由来
発音(?)
- りょ↘ーしん
翻訳
「良心」の例文・使い方・用例・文例
- 良心の裁き
- 君は自分の良心にまったくやましさがないと言いきれるか?
- 良心のとがめを感じない
- 良心のかしゃく
- 彼は良心のかけらもない
- やましい気持ち,良心の呵責
- 彼は良心の呵責を感じた
- 彼は自分のしたことに良心のとがめを感じた
- 彼は良心を慰めるために彼女に花を買った
- 良心的な人
- よい自分,良心
- 私は良心がひどくとがめた
- みんな自分の良心に従って行動すべきだ
- 良心の呵責
- 超自我はわれわれの良心を示す。
- あなたが良心的な価格を提示してくれると嬉しいです。
- 私はその料金は良心的だと分かっています。
- 私は彼らには良心がまるでないのではないかと思う。
- 賢明で良心的な人に助言を求めなさい。
- いいのよ。いままで実のないブランド品を高く売りつけて暴利をむさぼってきたんだから。今後せいぜい良心的な商売にはげめばいいんだわ。
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