価値観とは? わかりやすく解説

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価値観

価値観(かちかん)とは、個々の人が物事判断する際の基準規範を指す言葉である。これは、個々経験教育、文化背景などにより形成され人々行動選択意思決定影響与える。価値観は、社会生活を営む上で行動指針となり、人間関係コミュニケーションの質を左右する要素である。 価値観は、個々の人だけでなく、集団組織社会全体にも存在し、その特性や行規範形成する例えば、企業組織文化や国や地域風土伝統などは、共有された価値観によって形成される

価値観

読み方:かちかん

「価値観」とは、美しい・正しい・心地よい理想的である・優先するべきだ、といった「価値判断基準捉え方」を意味する表現である。簡単にいえば「何に価値見出すか」という感じ方のことである。

「価値観」は、個人それぞれの個性や、国・地域組織などの共同体育まれ文化などに、密接に関連している。価値観は不変ではなく、むしろ流動的である。土地柄人付き合い時代社会情勢学習体験など、さまざまな事柄影響受けて変化する歳を重ねるにつれて徐々に変わっていく価値観もある。他方幼少からずっと変わらない価値観や、共同体の中で昔から維持され続けている価値観もある。

価値観は人それぞれ千差万別である。「あらゆる物事について価値観が完璧に一致する他者」の存在など考えにくいほどである。「価値観」という言葉も、「価値観の一致」「価値観の相違」「価値観の共有」というような、「他者との一致不一致」を考え文脈多く用いられる

「価値観」を含む文例・表現例(主な言い回し)

 「価値観」は「違う」「同じ」といった表現用いられやすい。

「価値観の違い」

「価値観の違い」は、「何に価値見出すかが互いに一致しない」または「互いの価値観が対立する(逆の方がむしろよいと思える)」という意味で用いられる表現である。「価値観の相違」ともいう。

「価値観の違い」は「考え方や行動が一致しない相容れない」というニュアンス込めて用いられることが多い。とはいえ必ずしも仲違いにつながるわけではない。むしろ価値観の違う人を受け入れることが多様性ダイバーシティ)につながる。

「価値観の押し付け」

「価値観の押し付け」は、互いに価値観が一致しない価値観の相違がある)事柄について、自分の持つ価値観を他人に受け入れさせようとすること、である。

「価値観の押し付け」という表現は主に「相手がどう思うかを無視して進める」「相手反対押し切る無理強いする」といったニュアンス込めて用いられるといえる

「価値観の一致」

「価値観の一致」という場合特定の判断事項について、もしくは、共に生活を営む上で直面するたいていの判断事項について、同じ事柄価値を見いだせる(価値観を共有できるということである。

「価値観の一致」は現代恋愛・結婚相方探しにおいてとりわけ重視される事項といえる他方価値観の相違」は交際解消離婚の原因となる可能性がある。

価値観が際立つ対比の例の一覧


かち‐かん〔‐クワン〕【価値観】

読み方:かちかん

物事評価する際に基準とする、何にどういう価値認めるかという判断。「—の相違

「価値観」に似た言葉

価値観

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/04/30 04:41 UTC 版)

価値観(かちかん、: sense of values[1])とは、何に価値があると認めるかに関する考え方[2]。価値(善・悪、好ましいこと・好ましくないこと、といった価値)を判断するときの根底となる ものの見方[2]。ものごとを評価・判断するときに基準とする、何にどういう価値がある(何には価値がない)、という判断[3]

概論

価値観の多様性と分布、変化

人々の抱いている価値観は多様である。ただし、多様ではあっても、統計的にまったくランダムに分布しているというわけではなくて、国や地域や文化圏ごとに、何らかの傾向がある[4]

同一地域でも、時代とともに価値観は変遷してゆく例は多い[5][6]

変化が速い地域では、親子で価値観が大きく異なるということもある[注 1]

価値観の形成とその現れ

価値観の形成は様々に行われる。から教えられることもある。書物を読むことで吸収することもある。組織共同体に属することによって継承されることもある。また、個人的な体験をきっかけにしたり、思索の積み重ねによって、独自に新たな価値観が構築されることもある。

ある人が抱く価値観は、その人の具体的な行動となり、「ライフスタイル」や「生き方」などになって現れることは多い。

価値観の共有と共同体・組織

同じ価値観を抱く人同士では、そうでない人同士に比べて、互いの行動が理解しやすいため、接近する傾向があると考えられる[7]。そのようにして同じ価値観を共有する人々によって共同体が形成されることがある[8]

特に宗教的な共同体においては、顕著に価値観は共有されている。例えば、キリスト教徒の共同体、イスラム教徒の共同体、仏教徒の共同体などでは千年以上にわたり世代や時間を超えて価値観や生き方を継承し共有しつづけている、とも言える。

企業組織において、価値観は、企業風土や従業員の具体的な行動、顧客が受け取るサービス商品のありかたにも影響し、結果として企業の存続・消滅にも影響することがある。その企業に適していて社会的にも適切な価値観を構築し、それを従業員に提示し共有してもらう、ということは経営者リーダーの重要な仕事である、とされることも多い[9]

夫婦(これも一種の小さな共同体と言える)において価値観がうまく共有されているかどうかが、二人の関係に影響してくることもある。現代の欧米諸国や日本では、結婚前に互いの価値観を確認しあうということが、ごく自然な形で行われていることも多い。そのような価値観の相互確認をきわめて意識的に行うことを薦めている書籍もある[10]。また一方で、互いの価値観を実は良く知らないまま結婚したカップルでも、結婚後に互いの価値観を認め合い、それをわかち合うことで、無事円満に夫婦でありつづける方法を紹介している本もある。

関連書

  • 電通総研, 日本リサーチセンター『世界60カ国 価値観データブック』同友館, 2004年 ISBN 4496036649
  • 増田 義郎『アジア人の価値観』亜細亜大学アジア研究所,1999年 ISBN 4900521132
  • 猪口 孝, 田中 明彦『アジア・バロメーター 都市部の価値観と生活スタイル―アジア世論調査(2003)の分析と資料』明石書店, 2005年 ISBN 4750321516
  • 高橋 徹『日本人の価値観・世界ランキング』中央公論新社, 2003年 ISBN 4121500814
  • 日本能率協会総合研究所『日本人の価値観 データで見る30年間の変遷』生活情報センター, 2005年ISBN 4861262224
  • ロバート・キサラ『信頼社会のゆくえ―価値観調査に見る日本人の自画像』ハーベスト社, 2007年ISBN 4938551934
  • 山下早代子, 小川早百合『インタビュープロジェクト―日本人の価値観発見』くろしお出版, 1994年 ISBN 4874240909
  • 笠原 一男『日本史における価値観の系譜』1972年 評論社, ASIN B000J9AUDO
  • 森田 靖郎『カネと自由と中国人―ポスト天安門世代の価値観』PHP研究所, 2001年 ISBN 4569617247
  • 李 年古『日本人には言えない中国人の価値観―中国人とつきあうための68の法則』学生社, 2006年 ISBN 4311603290
  • 『アメリカの社会と価値観』英宝社,1995年 ISBN 4269160128
  • 古矢旬、亀井俊介、鈴木健次『史料で読むアメリカ文化史〈5〉アメリカ的価値観の変容―一九六〇年代‐二〇世紀末』東京大学出版会, 2006年 ISBN 4130250450
  • 小山内 大『現代アメリカ人に見る価値観―MBA・BMW・コンドミニアム』三修社, 2001年 ISBN 4384022913
  • 林 茂雄『イスラム熱(フィーバー)―西欧的価値観からの脱却』柏書房, 1992年 ISBN 4760108920
  • 細見 真也『アフリカの価値観―無文字社会の伝統思想と日本の教育』御茶の水書房, 1990年 ISBN 4275013905
  • リンダ・アイヤー『子どもたちへの最高の贈り物「価値観」 - 子どもたちの幸福と将来のために今あなたが教えなければならないこと 』キングベアー出版, 2004年 ISBN 4906638287
  • パム・シラー『子どもに伝えたい16の価値観』サンマーク出版, 2005年 ISBN 4763195743
  • 中村 清『道徳教育論―価値観多様化時代の道徳教育』東洋館出版社, 2005年 ISBN 4491021031
  • 加藤 尚武『価値観と科学/技術』岩波書店, 2001年 ISBN 4000266349

脚注

注釈

  1. ^ 親子間の価値観の相違が、様々なせめぎあいとなって現れる例は、志茂田景樹『親と子の価値観戦争』KIBA BOOK,1998年 ISBN 4916158261などで扱われている。

出典

  1. ^ プログレッシブ英和中辞典「価値観」
  2. ^ a b 広辞苑第六版「価値観」
  3. ^ 大辞泉
  4. ^ 電通総研, 日本リサーチセンター『世界60カ国 価値観データブック』同友館, 2004, ISBN 4496036649
  5. ^ 日本能率協会総合研究所『日本人の価値観 データで見る30年間の変遷』生活情報センター, 2005年 ISBN 4861262224
  6. ^ 古矢旬亀井俊介鈴木健次『史料で読むアメリカ文化史〈5〉アメリカ的価値観の変容―一九六〇年代‐二〇世紀末』東京大学出版会, 2006年 ISBN 4130250450
  7. ^ このようなことを指して「類は友を呼ぶ」などと言ったりする
  8. ^ ヨーロッパ諸語の源流のひとつであるラテン語において、community(共同体)は、communico (共有する、わかちあう) と同系の言葉である。研究社羅和辞典』より。
  9. ^ 『バリュー・マネジメント―価値観と組織文化の経営革新』春秋社, 2005年ISBN 4393641280
  10. ^ カーメン・R. ディジョージオ『結婚テスト―永遠の愛を誓う前に、彼と私の価値観を最終検定』ブックマン社, 2005年 ISBN 4893085832

関連項目


価値観

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/11 08:47 UTC 版)

お笑い第七世代」の記事における「価値観」の解説

ラリー遠田によると、お笑い第七世代物心ついた頃からインターネット身近にあったデジタルネイティブ世代であり、お笑い以外の文化にも幅広い関心持っている具体的には、上の世代芸人比べて地上波テレビ絶対視するような意識薄くYouTuberにも偏見持っていない者が多い。粗品は「20代はそんなガツガツしてない。特に体張る系は慣れてない。僕らの時代体罰はもう問題になっていたんでそういう違いめっちゃある」と語っている。岡部大ハナコ)は、同世代上下関係厳しい人を聞かない語っている。また、陣内智則は「テレビで物怖じしない」との印象受けており、テレビ東京佐久間宣行は「昔はモテたいとかお金欲しいとか別の野心があってお笑い選んでた人たちが多かったのに対し、多分お笑い以外で稼げ能力選択肢がたくさんある上でお笑い選んでいるからよこしまな気持ちお笑いをやってない」と語っている。

※この「価値観」の解説は、「お笑い第七世代」の解説の一部です。
「価値観」を含む「お笑い第七世代」の記事については、「お笑い第七世代」の概要を参照ください。

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価値観

出典:『Wiktionary』 (2021/08/22 11:17 UTC 版)

名詞

かちかん

  1. 何に価値があると認めるかについての考え方物事優先順位

「価値観」の例文・使い方・用例・文例

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