価値観と暴言
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/02 09:29 UTC 版)
暴言の種類によっては、受け取る側の価値観にもよって、相手に不快感を与え得ないこともある。例えばハゲ(脱毛症)と言う言葉は、脱毛症に悩む側にしてみれば、大変不快なキーワードたりえる。しかしスキンヘッドをファッションとしている側にとっては、禿ていることは必ずしも不快ではないという面もあるだろう。 しかし前述したとおり、暴言は相手がどう受け取るかよりも、発した側の意図が問題視される傾向が見られる。例えば仏教僧を指してハゲと呼んでも、仏教僧は事実意図してハゲにしているのだし、それは戒律にのっとった行いであるためにハゲ自体は不利益とはなりえない。しかし仏教僧を立場である僧侶ではなく身体的特徴のハゲのみをもって扱うことは、余り礼節に適った表現ではない。このため仏教僧を指してハゲと呼ぶことは暴言の範疇たりえる。 これらの場合において、受け取る側の価値観よりも、暴言を発した側の価値観が問題視される。これはその言葉を発した側が、その発言を持って相手を貶めようとしているためである。 その一方で、意図せず暴言となってしまう場合もある。これは主に誤解に基づくものだが、例えば言葉を発した側が、相手を傷付ける意図が無い場合でも、結果的に傷つく者が出たり、あるいは傷付けられるであろう者が予測される場合に、暴言とみなされる。こういったものは失言(しつげん)ともいい、後日問題視された発言に関して弁明したり撤回するまで(あるいは忘れられるまで)問題視される。
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