国とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 同じ種類の言葉 > 言葉 > 場所 > 地域 > の意味・解説 

くに【国/邦】

読み方:くに

国家また、その占めている地域国土。「—の財政」「海の彼方の—」

地方地域。「北の—」

古代から近世まで行政区画の一。大化の改新によって定められ明治維新まで続いた。「駿河の—」

生まれ育った土地郷里故郷。「盆と正月には—へ帰る」「—は富山です」

(主に、天(あめ)に対して)地。大地

天の壁(かき)立つ極み、—の退(そ)き立つ限り」〈祝詞祈年祭

国府また、そこの役人

「—に仰せ給ひて、手輿(たごし)作らせ給ひて」〈竹取〉

任国領国知行所

紀伊守—に下りなどして」〈源・空

国の政治国政

尾張下りて—行ひけるに」〈宇治拾遺・三〉

帝位天皇の位。また、その政務

「御—譲らむこと近くなり侍りぬるを」〈宇津保・国譲中〉

[下接語] 葦原(あしはら)の中つ国天つ国浦安の国・御(お)国・御伽(おとぎ)の国・華胥(かしょ)の国・神の国・唐(から)国・異(こと)国・言霊(ことだま)の幸(さきわ)う国・玉垣の内つ国常世(とこよ)の国・外(と)つ国・根の国日出(い)ずる国・日の入る国・御(み)国・瑞穂(みずほ)の国・黄泉(よみ)の国・我が国(ぐに)北国島国山国雪国


こく【国〔國〕】

読み方:こく

[音]コク(呉)(漢) [訓]くに

学習漢字2年

[一]コク

くに。「国家国際国産国政国民国立王国外国帰国挙国建国諸国全国祖国他国大国万国亡国

わが国の。日本の。「国史国文国訳

昔の行政区画の一。「国司国府

ふるさと。「郷国

国際」「国有」などの略。「国鉄国連

[二]〈くに(ぐに)〉「国表国柄北国島国雪国

[補説] 「圀」は異体字

名のり]とき

難読国栖(くず)・国造(くにのみやつこ)・外国(とつくに)


国 1とは通常国民 2(333-3参照)または民族 2領域(301-2)である。一つ民族属す人々は、一般に同じ文化共有する国家 3とは政治的主体である。この用語は二つ違った意味で用いられる。最も普通の意味では、国家とはその領域においてそこに住む人々に対して全面的な統治権有する主体である。しかしながら連邦国家群 4からなる連邦 4多くがやはり州 5呼ばれる小さな単位分かれており、国家統治権絶対的でないことがある(例:アメリカ合衆国オーストラリア)。領域 6(301-2)なる語は通常地理的地域について用いるが、時に最近入植した新し政治的地域を表すのに用いことがある自治区域 7非自治区域 8区別することがある


出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/05/09 00:31 UTC 版)

くに、こくは、「」「」などとも表される多義的なである。現在では「国家の権利及び義務に関する条約」に基づいた、主に大きさと独立性統治機構担税力など)を備えた国家独立国)を意味し、以下のような意味を表す。

  1. 国家
  2. 中央政府
  3. 令制国
  4. 故郷
  5. 地方
  6. 大地
  7. 「国」の原義(古代中国)は、諸侯統治する城塞都市を指した。

古代ギリシャソクラテスプラトンアリストテレスなどは、最高善を求めてポリス都市国家)が造られると説く。

多くの国が憲法成文法で作成し[1]、自国の権利能力を他国に表明している。

新しい国を作る手法として、すでにある国(の一部地域)が憲法改正革命など「新憲法制定」によって統治権を表明して成立する場合もある。

日本の「国」

中国史書

日本史においては、古くは中国史書『漢書』にあらわれる奴国なこくなどがある。

魏志倭人伝』収載の邪馬台国などの地方の「くに」の連合も記されている。

また、「倭国」「三国一」のような、視点を日本列島外に置くような表現にあっては、日本全体が一つの「国」として扱われた。

近代以前

「くに」は元来自然の国土を指す語だった。

弥生時代日本列島各地に政治的支配が始まり、その地方政権が支配する領域も「くに」と呼ぶようにもなった[2]。これら地方の「くに」は、地域としてはのちの「」相当の広さしかない狭小な地域にすぎなかったが、政体としての独立性を保つ原初的政権であった。民俗学者折口信夫によれば、「くに」の語の原義は、ヤマトの宮廷に対して半属半独立の関係にある地方を意味しており[3]、また、「くに」には「くにたま」(国魂)があって、これを所有する者がその地方を統治する権限を有するものと観念されていた[4]。それゆえに、ある地方が宮廷の支配に服することは、当該地方の「くにたま」が宮廷に奉られることを意味していた[4][注釈 1]

ヤマト王権によって日本列島の統一が進行していった4世紀古墳時代にあっては、そのような「くに」の地方豪族の首長を「国造くにつのみやつこ」に任じた。なお地方豪族の少なからずは元来中央豪族であったものが地方統治に進出し、そこで定住した地方首長層であった。

これに伴って古墳文化も東北から九州まで広がっていった。国造たちは自分たちの祖神を祀り、祭政一致の支配体系が確立された一方、国造家の人間たちは朝廷の軍事や外交に当たったほか、宮廷に舎人采女を奉仕させた。

日本では、「くに」に対して漢字の「國(国)」の字を当て[2]、中国に習い、地方豪族が治める地域を指した。これに伴い、統一されたヤマト国家(後の「日本」)を指して「くに」と呼ぶことも無くなった。

これらとは別に、「大地」「土地」「出身地」に近い意味合いもあった。天津神に対する国津神(くにつかみ)の「国」は、天に対する地を意味し、実際、地の漢字が当てられることもあった。また、「国衆くにしゅう」「国替くにがえ」などの語では、土地を意味した。

令制国

このような地方領域の「くに」は、飛鳥時代には律令制のもとで令制国として定められた。令制国は官吏である国司が中央から派遣され治めた。

令制国は、その広狭や人口、生産力などを基準にして大国上国中国下国の4等級に分類され、「守」以下四等官国司の定員や官人位階などに差が設けられた。大宝律令制定時の8世紀初頭には58国3島であったが、その後の分割や統合などを経て、9世紀初頭の段階では66国2島となり、それ以後、固定化された[2]

近代

明治時代以降、「国」は、ほぼ現在言うところの「国家」の意味で使われるように替わった。「国家の正当な政府」を単に「国」と呼称する新たな用法も生まれた。日本においては、日本国政府が国と呼称されることが多い。また、独立国ではない政体や日本国が承認していない政権に対し、報道や統計発表などにおいて明示的に「国」の使用を避けることがあり、マスメディアを中心に「国と地域」のような表現もみられる。

令制国は文書などによって法的に廃止されたわけではないが、廃藩置県等の明治時代以降の諸施策によって有名無実化した。これを「国」と呼ぶのは紛らわしくなったため、「旧国」と呼称されることが多くなった。

ただし現在でも「くに」は、文脈によっては、「出身地」の「くに」の意味で普通に使われる。その場合でも都道府県が定着した今日では、旧国単位ではなく都道府県単位で考えることが多くなっている。

中国の「国」

元来、国とは諸侯が統治する城塞都市を指した。殷王は諸侯の地方統治を認め連合した。周王が諸侯の統治領を認めることを封建と呼んだ。戦国時代には諸侯は王号を称した。

代に、皇帝が親族・功臣・朝貢国王を、最上位の臣下として王位に就け地方統治を許し、その統治領を「国」とした(郡国制)。

なお現在言うところの「中国」は元来は「天下」であり、したがって「国」ではない。

欧米の「国」

state、nation、country

国と和訳される英語には、state、nation、country がある。

  • country は、ラテン語の contrata terra(向こう側の土地)が語源で、地理的な国土を意味する。政体の性質を問題にしないため、日本での「国と地域」に相当する使われ方もする。
  • nation は、ラテン語の natalis(出生)が語源で、土地の住民の総体を意味する。国家の場合は国民のことだが、国家に結びつかない、少数民族・分断民族・流浪民族などにも nation はある。
  • state は、ラテン語の status(土地とその住民への支配権)が語源で、土地とその住民に対する統治権・統治機構を意味する。

いずれも、明確に国家の意味はなく、文脈によっては国家未満、超国家の意味でも使われる。また、具体的な行政区画の名称としてこれらの語を使うこともある。

これらの場合は、country、nation、state の本来の意味の区別は問題にならない。

empire、kingdom、duchy

empire、kingdom、duchy 等はそれぞれ帝国王国公国等と和訳されるが、これらは単にそれぞれ皇帝領地という意味にすぎず、国家の意味はない。西欧社会では、中世封建社会から絶対王政の時代に至るまで、ある国の君主が別の君主の兼任あるいは臣下であることは珍しくなかった。たとえば、インド皇帝イングランド王の兼任であり、インド帝国はイギリスの一部だった。最近の例では、アンドラ大公位はフランス大統領ウルヘル司教が(共同で)就いており、それにより1993年までアンドラ公国は独立国ではなく、フランススペインの共同統治的な地域だった。

republic

republic は共和国と和訳されるが、これは民衆による政体という意味で、これも国家の意味はない。たとえば、ロシア連邦(およびソビエト連邦)は国内に共和国を持つ。

脚注

注釈

  1. ^ 「くにたま」は多くの場合、稲穂によって象徴された。したがって、大嘗祭においては地方各国の稲穂が天子のもとに送られ、新嘗の神事がおこなわれた[5]

出典

参考文献

関連項目


国(くに)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/04/30 15:30 UTC 版)

てっぺん (来賀友志・嶺岸信明の漫画)」の記事における「国(くに)」の解説

幻影組んだ事もある裏の雀士。誠の噂を聞いて大会出場する

※この「国(くに)」の解説は、「てっぺん (来賀友志・嶺岸信明の漫画)」の解説の一部です。
「国(くに)」を含む「てっぺん (来賀友志・嶺岸信明の漫画)」の記事については、「てっぺん (来賀友志・嶺岸信明の漫画)」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「国」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ


※ご利用のPCやブラウザにより、漢字が正常に表示されない場合がございます。
Copyright © KANJIDIC2 - the property of the Electronic Dictionary Research and Development Group(EDRDG), used in conformance with the Group's licence. Copyright © 1991-2010 Unicode, Inc. All rights reserved. Stroke Order Diagrams(SODs) licensed from © Kanji Cafe.

「国」の例文・使い方・用例・文例

Weblio日本語例文用例辞書はプログラムで機械的に例文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。



国と同じ種類の言葉


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

「国」に関係したコラム

  • CFDのオレンジジュース相場の見方

    CFDで取引されるオレンジジュースの実体はオレンジ果汁を冷凍濃縮した状態のもので、Frozen Concentrate Orange Juice(FCOJ)、ICE US Frozen Concent...

  • FXの資源国通貨の特徴は

    FX(外為替証拠金取引)の資源通貨とは、鉱物や農産物などの輸出により経済基盤を支えているの通貨のことです。主な資源通貨には、オーストラリアドル、ニュージーランドドル、カナダドル、ノルウェークロ...

  • CFDの砂糖取引とは

    砂糖の先物取引は、ニューヨーク市場やロンドン市場、東京市場などで行われています。そしてCFDの砂糖価格は、ニューヨーク市場での砂糖の価格に連動して推移します。砂糖の価格変動要因には、粗糖生産の気象、...

  • CFDの小麦相場の見方

    小麦は、米やトウモロコシと並んで世界の三大穀物として世界各で消費されています。次の図は、小麦の生産量をグラフに表したものです(アメリカ合衆農務省調べ)。EU27か、中、インド、アメリカ合衆の...

  • CFDのココア取引とは

    ココアは、カカオ豆から作られる食品です。チョコレートもカカオ豆から作られます。カカオの生産は、赤道の南緯20度、および、北緯20度以内の高温多湿な地域で栽培されます。カカオの主な生産地域は西アフリカや...

  • 為替の変動要因となる経済指標の一覧

    世界各の発表する経済指標は、為替の変動要因の1つとされています。その中でもアメリカ合衆やEU諸など、主要と呼ばれる々の発表する経済指標は、米ドル、ユーロなどの主要通貨に影響を及ぼすことがあり...

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「国」の関連用語

国のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



国のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
デジタル大辞泉デジタル大辞泉
(C)Shogakukan Inc.
株式会社 小学館
コンテンツはAttribution-Share Alike 3.0 Unportedのライセンスで利用することができます。
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの国 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaのてっぺん (来賀友志・嶺岸信明の漫画) (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。
Text is available under Creative Commons Attribution-ShareAlike (CC-BY-SA) and/or GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblioに掲載されている「Wiktionary日本語版(日本語カテゴリ)」の記事は、Wiktionaryの (改訂履歴)、 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、Creative Commons Attribution-ShareAlike (CC-BY-SA)もしくはGNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。
漢字辞典
Copyright © KANJIDIC2 - the property of the Electronic Dictionary Research and Development Group(EDRDG), used in conformance with the Group's licence.
Copyright © 1991-2010 Unicode, Inc. All rights reserved. Distributed under the Terms of Use in http://www.unicode.org/copyright.html.
Stroke Order Diagrams(SODs) licensed from © Kanji Cafe.
Tanaka Corpusのコンテンツは、特に明示されている場合を除いて、次のライセンスに従います:
 Creative Commons Attribution (CC-BY) 2.0 France.
この対訳データはCreative Commons Attribution 3.0 Unportedでライセンスされています。
浜島書店 Catch a Wave
Copyright © 1995-2025 Hamajima Shoten, Publishers. All rights reserved.
株式会社ベネッセコーポレーション株式会社ベネッセコーポレーション
Copyright © Benesse Holdings, Inc. All rights reserved.
研究社研究社
Copyright (c) 1995-2025 Kenkyusha Co., Ltd. All rights reserved.
日本語WordNet日本語WordNet
日本語ワードネット1.1版 (C) 情報通信研究機構, 2009-2010 License All rights reserved.
WordNet 3.0 Copyright 2006 by Princeton University. All rights reserved. License
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
「斎藤和英大辞典」斎藤秀三郎著、日外アソシエーツ辞書編集部編
EDRDGEDRDG
This page uses the JMdict dictionary files. These files are the property of the Electronic Dictionary Research and Development Group, and are used in conformance with the Group's licence.

©2025 GRAS Group, Inc.RSS