国号とは? わかりやすく解説

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こく‐ごう〔‐ガウ〕【国号】

読み方:こくごう

国の称号国名


国号

読み方:コクゴウ(kokugou)

国の名称。


国号

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/12/21 03:15 UTC 版)

国号(こくごう)とは、主に称号、あるいは名称のこと[1]

日本の国号

大日本帝国憲法原本に記された国号
韓国併合ニ関スル条約」に関する李完用への全権委任状。文中での日本の国号は4行目は「大日本國」、7行目では「大日本帝國」となっている。

政体を含めない日本の国号は、「日本」である。日本の呼称は古くから多数あり、大和政権による統一以来「やまと」「おおやまと」と称されたと見られ、「日本」が国号として定められた時期は明確でなく、大化から大宝までのある時期だと考えられる[2]。この用例の最初の確実なものとしては、一般的には大宝元年(701年)施行の大宝律令の「明神御宇日本天皇(あきつみかみとあめのしたしらすやまとのすめらみこと)」がそれとされている。『日本書紀』(養老4年(720年)完成)では大化元年7月(645年8月)の条に、高句麗百済の使者に示した詔に「明神御宇日本天皇」の文言が出ている。また最初の徴候としては、有名な中国『隋書大業3年(607年)の「日出づる処の天子」があげられる。朝鮮半島の史書においては『三国史記』(12世紀に編纂)「新羅本紀」の文武王10年12月(671年1月)条に、「倭国、号を日本に更む。自ら言う、日出づるに近きを以て名を為す」とある。

飛鳥池遺跡出土の天武6年(677年)銘の木簡から、この頃「天皇」号が既に使用されていることが分かっている。「天皇」号の使用と「日本」号の使用は軌を同じくするとみられている。平成23年(2011年)7月、禰軍という名の百済人武将の墓誌に「日本」の文字が見つかったという論文が中国で発表された。墓誌は678年制作と考えられており、事実なら日本という国号が記された最も古い例となる[3]

中世日本では、「大日本国」を「大日如来本国」の意と解釈しており、『釈日本紀』巻第五にもこの説が記述されている[4]

近代以降の日本の国号については、これを正面から定めた法令はないが、大日本帝国憲法下では「大日本帝国」、日本国憲法下では「日本国」が国号として使用される[5][6]明治4年(1871年)に鋳造された国璽には「大日本國璽」と刻まれ、明治7年(1874年)の改鋳に際しても印文は変更されず、今日に至るまで使用されている。

明治維新以降、日本は国内・国外向けの各種文書において自国の国号を統一せず、大日本帝国憲法制定以後も「日本、日本國、日本帝國、大日本國、大日本帝國」など各種のものを併用していた[注釈 1]。このような実際の国号使用に統一性はなかったが、昭和10年(1935年)に帝国議会で国号の不統一が問題として取り上げられ、7月に外務省では外交文書上の国号を「大日本帝國」に統一することを決定し、宮内省も歩調を合わせ同様の国号表記を用いることとなった[7][注釈 2]

昭和21年(1946年)公布の日本国憲法では、「日本国」(原文では日本國)という語が用いられている。

中国の国号

前近代の中国においては、中原に住む部族の国家の国号は一字であり、非中原の異民族国家は国号が二字であるという意識があった[8]。そのため、後漢から南北朝期にかけて、日本が「」の国号で使節を送ることは中国側にとって違和感のあるものであり、むしろ聖徳太子が国号を「日本」と改めて国書を送るのは中国側も納得のいくものであったとする見解もある[9]


文献情報

  • 「国号に見る「日本」の自己意識」前野 みち子(名古屋大学大学院国際文化研究科 言語文化研究叢書第5号(2006年3月)「日本像を探る」 )[1]
  • 我国国号問題ニ関スル資料(外務省記録「条約ノ調印、批准、実施其他ノ先例雑件」外務省条約局第一課昭和11年5月 アジア歴史資料センター所収)[2]レファレンスコード「B04013401600」で検索可能

脚注

注釈

  1. ^ 例えば、下関条約では、天皇を「大日本國皇帝陛下」と、本文では「日本國」と、全権弁理大臣の肩書としては「大日本帝國」とそれぞれ表されていた。
  2. ^ 閣議決定や天皇裁可、帝国議会議決などによるものではない。

出典

  1. ^ 新村出編 『広辞苑』1983年 岩波書店
  2. ^ 日本の国の名は、古代から現代までどのように呼ばれていたのか。”. レファレンス協同データベース. 国立国会図書館. 2024年10月15日閲覧。
  3. ^ 「日本」呼称、最古の例か 678年の墓誌?中国で発見 - 文化 - 朝日新聞 2011年10月22日
  4. ^ 遠藤慶太 『六国史 -日本書紀に始まる古代の「正史」』 中公新書 2016年 p.189.
  5. ^ 大辞林大日本帝国
  6. ^ 名古屋大学 前野みち子『言語文化研究叢書』 第5号(2006年3月)「日本像を探る」 国号に見る日本の自己意識
  7. ^ 我国国号問題ニ関スル資料(外務省記録「条約ノ調印、批准、実施其他ノ先例雑件」外務省条約局第一課昭和11年5月 アジア歴史資料センター所収)
  8. ^ 陳舜臣 『中国歴史シリーズ 中国の歴史(二)』 講談社文庫 1997年 pp.96 - 97.
  9. ^ 同『中国歴史シリーズ 中国の歴史(二)』 講談社文庫 1997年 p.97.

関連項目

外部リンク


国号

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/10 02:21 UTC 版)

連合国軍占領下の日本」の記事における「国号」の解説

日章旗 日章旗掲揚禁止受けて用いられ日本商船管理局明治期以来現在においても日本の国号法定のものではなく行政上で慣例従い記述されているが、明治期から大正期昭和初期まで大日本帝国主たる国号とし、1935年昭和10年7月より外務省外交文書上「大日本帝國」に表記統一していたが、第二次世界大戦後日本政府1946年昭和21年2月8日連合国軍最高司令官総司令部 (GHQ/SCAP) に提出した憲法改正要綱国名を「大日本帝國」のままにしていたところ、2月13日GHQ/SCAPホイットニーにより、憲法改正要綱不受理通知GHQ/SCAP草案吉田茂外務大臣松本烝治国務大臣らに手交され、その草案の仮訳からは国名が「日本國」になり、これ以降大日本帝国の国号は使用されなくなり1947年昭和22年5月3日日本国憲法施行により憲法上は日本國の名称が用いられる

※この「国号」の解説は、「連合国軍占領下の日本」の解説の一部です。
「国号」を含む「連合国軍占領下の日本」の記事については、「連合国軍占領下の日本」の概要を参照ください。

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国号

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