ヴィシュヌ派
ヴィシュヌ派
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2016/03/18 08:53 UTC 版)
詳細は「ヴィシュヌ派」を参照 ヴィシュヌ派(ヴァイシュナヴァ, Vaiṣṇava)は、ヴィシュヌ及びその化身(アヴァターラ)を、最高神として崇拝する。
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ヴィシュヌ派
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/31 07:08 UTC 版)
詳細は「ヴィシュヌ派」および「パンチャラートラ(英語版)」を参照 『バーガヴァタ・プラーナ』にはヴィシュヌ派の思想がまとめられており、そこにはシャンカラの哲学、すなわちアートマンとブラフマンを融合するといった議論や、個の本質の中にブラフマンを戻すといったアドヴァイタ的(不二一元論)な議論が語られている。このプラーナではモークシャ(解脱)がエーカトヴァ(Ekatva、単一性)とサーユジャ(Sāyujya、没入)として説明され、そこでは個は完全にブラフマンに没頭すると語られる。ルクミニ(T.S Rukmani)によれば、『バーガヴァタ・プラーナ』は個の魂(アートマン)の絶対(ブラフマン)への回帰と絶対への融合を提示しており、これは疑いなくアドヴァイタ的傾向であるとする。『バーガヴァタ・プラーナ』はこれと同じ節にバガヴァン(ヴィシュヌ、とりわけクリシュナのこと)を専念する対象として触れており、そのため『バガヴァッド・ギーター』で語られる3つの道のうちのバクティ・ヨーガを提示しているとされている。 『バガヴァッド・ギーター』は知覚可能な物と知覚不可能な物、すなわち魂と物質の双方を扱っている。ハロルド・カワード(英語版)とダニエル・マグワイア( Daniel Maguire)は、『バガヴァッド・ギーター』は宇宙をヴィシュヌ(クリシュナ)の体として描いていると表現する。この文献の中ではヴィシュヌは全ての魂、全ての物質、時間を遍く満たしていると語られる。シュリー・ヴァイシュナヴァ派(英語版)ではヴィシュヌとシュリー(ラクシュミー)は分離不可能な存在として描かれ、2柱がともに宇宙を遍く満たすとしている。2柱がともに創造神であり、その創造自体にも2柱が偏在し、創造を超越するとされる。 『バーガヴァタ・プラーナ』では多くの節でブラフマン(特にニルグナ・ブラフマン(英語版))とシャンカラの不二一元論が並列に語られる。下に一例を挙げる。 人生の目的は真理の探究であり、儀式の実践を通して天国での享楽を欲求することではない真理の知識を得たものはアドヴァイタ(不二)を真理と呼ぶこれはブラフマンと呼ばれ、至高のアートマンと呼ばれ、バガヴァーンと呼ばれる。 —『バーガヴァタ・プラーナ』1.2.10-11、ダニエル・シェリダン(Daniel Sheridan)からの重訳 研究者たちはヴィシュヌ派の理論を、ウパニシャッドに見られる梵我一如の議論を基礎に置くものと考えており、これを「一元論的有神論」(一元論#東洋)と呼んでいる。『バーガヴァタ・プラーナ』はヴィシュヌとすべての物に宿る魂(アートマン)は同一のものであると主張している。エドウィン・ブライアント(英語版)は『バーガヴァタ・プラーナ』に語られる一元論はヴェーダーンタ(ウパニシャッドとほぼ同義)を基礎に置く物だとしながら、しかしシャンカラの一元論とは明確に同じものだとは言えないとする。『バーガヴァタ・プラーナ』では知覚可能、および知覚不可能な宇宙はともに同一の単一の存在の顕現であり、これはちょうど太陽から熱と光という違う現実が出現するのと同じようなことであると語られている。 ヴィシュヌ派のバクティ信仰では、ヴィシュヌには例えば全知の存在、活力に満ちる、大力の、君臨する、輝くような、といったさまざまな性格が付与される。マドヴァチャーリヤーの説く『マドヴァ・ヴェーダーンタ』ではクリシュナの姿をするヴィシュヌを、最高位に位置する創造神として、1つの神格として、偏在する神、全てを飲み込む神として、解脱(モークシャ)へと導いてくれる知識と恩寵を与えてくれる者として扱っている。加えて『マドヴァ・ヴェーダーンタ』では最高神であるヴィシュヌ(ブラフマン)と生命の持つ魂(アートマン)を2つの別々の現実と本質を持つと捉える(二元論)。一方でラーマーヌジャの説くシュリー・ヴァイシュナヴァ派では別の物であるが同じ本質を共有するものとしてとらえている(一元論)。
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