ガネーシャ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2026/06/09 23:52 UTC 版)
| ガネーシャ | |
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| 新たな始まり・智慧・幸運の神、障害を除く者[1][2] | |
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ネズミに乗るガネーシャ(1900年代後半)
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| 位置づけ | シヴァ派、デーヴァ、ブラフマン(ガナパティヤ派) |
| 住処 | カイラーサ山(両親と共に) |
| 武器 | パラシュ、パーシャ(縄)[3]、アンクシャ[3] |
| シンボル | モーダカ |
| Day | サンカシュティ・チャトゥルティ |
| 配偶神 | ブッディ、リッディ[4]、シッディ [4]、または一部伝統では独身 |
| 兄弟 | カールッティケーヤ(兄弟) アショーカスンダリー(姉妹) |
| 子供 | シュバ / クシェーマ、ラーバ(息子) |
| ヴァーハナ | ネズミ[5] |
| 聖典 | 『ガネーシャ・プラーナ』、『ムドガラ・プラーナ』、『ガナパティ・アタルヴァシールシャ』 |
| 祝祭 | ガネーシャ・チャトゥルティ、ガネーシャ・ジャヤンティ |
18世紀後半-19世紀前半の絵画
| インド哲学 - インド発祥の宗教 |
| ヒンドゥー教 |
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ガネーシャ (गणेश, gaṇeśa) は、ヒンドゥー教の神の一柱[6]。その名はサンスクリットで「群衆(ガナ)の主(イーシャ)」を意味する[6]。同じ意味でガナパティ (गणपति, gaṇapati) とも呼ばれる[7]。インドでは現世利益をもたらす神とされ[8]、非常に人気がある[4]。全ての富をもたらす者とされ[6]、特に商人から信仰を集めている[8]。
蛇の帯をしめた太鼓腹の人間の身体に 片方の牙の折れた象の頭をもった神で[6]、4本の腕をもつ[5]。障害を取り去り[8]、また財産をもたらすと言われ、事業開始と商業の神・学問の神とされる[6]。ガネーシャの像の中にはアンクシャと呼ばれる象操縦者の鉤(または突き棒)を持っているものがある[3]。また、シヴァと同じく三日月を持物とする場合もある[8]。
概要
起源
本来はドラヴィダ人に信仰された神だったと考えられる[9]。樹木と関連のあるヤクシャであったという説や[4]、太陽信仰と関連があり、乗っているネズミは太陽神を象徴するという説がある[9]。一本の牙は鋤の刃を表しており、農耕神だったという説もある[9]。また、ネズミに関しては象をトーテムとする部族がネズミをトーテムとする部族を征服した歴史を表しているとも[10]、ネズミはどんなものでも齧って通り抜けることが出来ると考えられたため、ガネーシャのあらゆる障害を取り除く力を象徴しているとも考えられている[4][注 1]。
元はシュードラ(ドラヴィダ人)の崇める神であったためアーリア人の支配階級によって障害神とされ、障害を作り出す神であると同時に障害を取り除く神であるとされた[12]。そして、時代が下がるにつれて、アーリア人とドラヴィダ人の宗教が習合し、民衆に親しみやすい神としての性格が付加され現在の姿に変化していったと考えられる[13]。
神名
ヴィナーヤカ(Vināyaka,「障害」「困難」[7]「道を外れて導く者」または「躾に導き入れる者」[14])、ヴィグネーシュヴァラ(Vighneśvara,「障害を取り除く主」)[5]、ガネーシャ(Gaṇeśa,「集団の神」)、ガナパティ(Gaṇapati,「集団の主」)[15]、ヴラータパティ(Vrātapati,「群主」)[16]といった神名を持つ。
功徳
様々な障害を除き、成功と幸運をもたらす神とされ、あらゆる物事の開始にあたってまずガネーシャに祈りが捧げられる[8]。その福徳の姿は富と繁栄の象徴として特に商人に崇められている[8]。また智慧・学問の神でもあり[6]、その偶像は商店の他に、一般家庭のみならず学校の玄関でもよく見られる[8]。
シヴァとの関係
ヒンドゥー教の体系の中では、シヴァとパールヴァティーの間に生まれた息子とされる[6]。しかし、これはシヴァ派が独立したガネーシャの宗教を取り込んだ際の解釈だと思われる。現在でもガネーシャはシヴァ派のヒンドゥー教の一部である。
神話
象頭の由来
象の頭を持つ理由には複数の神話があるが、最も有名なものは以下のものである。
パールヴァティーが身体を洗って、その身体の汚れを集めて人形を作り命を吹き込んで自分の子供を生んだ。パールヴァティーの命令で、ガネーシャが浴室の見張りをしている際に、シヴァが入ろうとした[6]。ガネーシャは入室を拒んだ[6]。シヴァは激怒し、ガネーシャの首を切り落とした[6]。パールヴァティーが嘆き悲しむのでシヴァは、最初に出会った象の首を切り落として持ち帰り、ガネーシャの頭として取り付け復活させた[6]。
他の話ではパールヴァティーとシヴァが夫婦でヴィシュヌに祈りを捧げてガネーシャを得たので、他の神々がそれを祝いに来たが、その内の一柱・シャニは見た物を破壊する呪いを持っていたため為、常に地面を見ていた[9]。しかしパールヴァティーは彼に息子を見るよう勧め、その結果ガネーシャの頭は破壊された。ヴィシュヌは悲しむパールヴァティーの為にガルダに乗って飛び立ち、川で寝ている象を見つけてその首をガネーシャの頭として取り付けた[9]。
片方の折れた牙の由来
片方の牙が折れている理由にも複数の神話がある。
ヴィヤーサが口述する『マハーバーラタ』をガネーシャが書き取った際に、感動の余り牙を引き抜いたとも[11]、折った牙で書き記したともいわれる[4]。
また、ヴィシュヌの化身の1人であるパラシュラーマが、ガネーシャの父であるシヴァから与えられた斧で攻撃したため、それを敢えて回避せずに一本の牙で受け止めたために折れたともいう[6]。
夜道で蛇に驚いたネズミに放り出され転倒した姿を月に嘲笑されたために、自らの牙を一本折ってそれを月に投げつけたともいわれる[11]。そのため月は周期的に光を奪われることとなり、満ち欠けをするようになったという[11]。
祭礼
北インドの祭事暦のバードラパダ月(8月下旬から9月上旬ごろ)の黒分第4日(満月の翌日から数えて4日目)に生誕したとされるので、これに合わせてガネーシャの生誕祭ガネーシャ・チャトゥルティが祝われる[17]。人々は土でガネーシャの像を作り、10日間子供をあやすようにして世話をし祈りを捧げた後、ガンジス川に流す[17]。この祭は西インドのマハーラーシュトラ州出身の人々の間で特に盛大に祝われる[17]。これはその地方出身のバール・ガンガーダル・ティラクが、人々の結束を固めるためにこの祭を盛大に行うよう指導したためである[17]。
南インドの祭事暦のアーヴァニ月(8月下旬から9月上旬ごろ)にもガネーシャの祭が行われ、タミル・ナードゥ州ではヴィナーヤガ・チャトゥルティと呼ばれることが多い[17]。カルナータカ州の一部では、若者たちの間で、アーヴァニ月白分4日目(新月の翌日から4日目)の祭日に108のガネーシャ像を見る習慣があり、友人や親戚の家を訪ねて神像を見て回るという[17]。
仏教圏などインド以外の地域での信仰
チベット仏教
チベット仏教では、ガネーシャはマハーカーラによって踏まれた姿でも描かれるが、十二臂の「赤い大いなるガナパティ」(他にも数種類の姿がある)として信仰対象にもなっている[18]。
東南アジアおよび南アジア
ベトナム、カンボジアなどの東南アジアにおいてもガネーシャの像は数多く見られ、人々に親しまれている[19]。ネパールやバリ島においても盛んに崇拝されている[19]。また、上座部仏教国のタイでも、ガネーシャは仏教徒に信仰されている。
日本
ギャラリー
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ガネーシャの細密画(インド、1730年頃)
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ガネーシャの彫像(インド・カルナータカ州、13世紀)
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ガネーシャの舞踏レリーフ(北ベンガル、11世紀)
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ガネーシャと妻たち(ラヴィ・ヴァルマ画)
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タイル画
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ガネーシャの宝石
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ガネーシャの置物
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ワット・サマーン・ラッタナーラームのピンクガネーシャ
脚注
注釈
出典
- ↑ Heras 1972, p. 58.
- ↑ Getty 1936, p. 5.
- 1 2 3 『密教の神々』188頁。
- 1 2 3 4 5 6 ジョン・ボウカー『世界の宗教大図鑑』河出書房新社、2022年、49頁。
- 1 2 3 松村一男他『神の文化史事典[新版]』白水社、2023年、176,177頁。
- 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 菅沼晃『インド神話伝説辞典』東京堂出版、1985年、109,110頁。
- 1 2 3 錦織亮介『天部の仏像事典』東京美術〈東京美術選書 35〉、1983年11月、204-211頁。ISBN 978-4-8087-0142-0。
- 1 2 3 4 5 6 7 松村一男『世界の神々の事典 -神・精霊・英雄の神話と伝説-』学研〈Books Esoterica 事典シリーズ 5〉、2004年、221頁。ISBN 978-4-05-603367-0。
- 1 2 3 4 5 斎藤昭俊『インドの神々』吉川弘文館、1986年、107,111頁。
- ↑ 『密教の神々』219,220頁。
- 1 2 3 4 マッソン・ウルセル、ルイーズ・モラン『インドの神話』(新装版)美田稔 訳、みすず書房、1975年、153,154頁。
- ↑ 『密教の神々』168,184頁。
- ↑ 『密教の神々』222頁。
- ↑ 篠田知和基、丸山顕徳 編『世界神話伝説大事典』勉誠出版、2016年、577頁。
- ↑ 『密教の神々』167頁。
- ↑ 『密教の神々』180頁。
- 1 2 3 4 5 6 橋本泰元 他『ヒンドゥー教の事典』東京堂出版、2005年、255,263,265,268,272頁。
- ↑ 森雅秀『チベット密教仏図典』春秋社、2019年、169,313頁。
- 1 2 立川武蔵『ヒンドゥー神話の神々』せりか書房、2008年、215頁。ISBN 978-4-7967-0281-2。
参考文献
- Heras, H. (1972), The Problem of Ganapati, Delhi: Indological Book House
- Getty, Alice (1936). Gaṇeśa: A Monograph on the Elephant-Faced God (1992 reprint ed.). Oxford: Clarendon Press. ISBN 978-8121503778.
- 佐藤任『密教の神々 その文化史的考察』平凡社、2009年。ISBN 978-4-582-76673-8。
関連項目
ガネーシャ(声:鹿野潤)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/01/22 19:56 UTC 版)
「ルーンファクトリー フロンティア」の記事における「ガネーシャ(声:鹿野潤)」の解説
鍛冶屋の女主人。昔ドワーフに弟子入りしていて、その繊細な仕事は村の外からも注文が来るほど。
※この「ガネーシャ(声:鹿野潤)」の解説は、「ルーンファクトリー フロンティア」の解説の一部です。
「ガネーシャ(声:鹿野潤)」を含む「ルーンファクトリー フロンティア」の記事については、「ルーンファクトリー フロンティア」の概要を参照ください。
「ガネーシャ」の例文・使い方・用例・文例
- インドのガネーシャ祭り
- ガネーシャ神はヒンドゥー教の成功や学問,富の神様です。
- ガネーシャの誕生日を祝う祭りが,8月の終わりか9月の初めに全国で10日間行われます。
- 地元の人々が資金を集め,祭りのために自分たちの町のガネーシャ像を買います。
- 祭りの前夜,ガネーシャ像が町に運び込まれるとき,人々は歌い踊り,音楽を演奏し,爆竹を鳴らします。
- 多くの家族が自分たちの小さなガネーシャ像を買います。
- 祭りの間は毎朝,菓子や果物がガネーシャにささげられます。
- ガネーシャ祭りは最終日に最高潮に達します。
- 自分たちのガネーシャ像を運ぶ人々が町を練り歩き,アラビア海へ向かいます。
- 大きくて色鮮やかなガネーシャ像が次から次へと海の中へ運ばれます。
- ピンク色の小麦粉をかぶった人々が,自分たちのガネーシャ像を海に沈める前にそれらに最後の祈りをささげます。
- 自分たちのガネーシャ像を無事に沈めた後,空になった台車を海から引き上げるとき,人々は安(あん)堵(ど)の表情を見せます。
- 小型のガネーシャ像が干潮時に再び姿を現しました。
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