though
「though」とは、~にも関わらず・~だけれどものことを意味する英語表現である。反対の意味を持つ文と文を繋げる役割を持つ逆接の接続詞である。
「though」とは・「though」の意味を詳しく解説
「though」は接続詞と副詞、2つの用法を持っている英語表現であり、品詞によって意味は異なってくる。接続詞としてのthoughには「~にも関わらず」、「~だけれども」という逆接の意味合いを持っている。逆接の意味を表すthoughのような接続詞は前の文章とは正反対、又は想定外のことが後に続く場合に使用され文頭・文中の両方で使用する事ができる。一方、副詞としてのthoughには「でも」、「やっぱり」などの意味があり、文中・文末に置いて使用する。「though」の発音・読み方
「though」を発音記号で表記すると「ðou」となる。thoughのスペルの最後に付いている「gh」の部分は実際には発音される事はないため、カタカナ表記では「ゾウ」と読む。「thou」の部分のみを発音するという意識を持つ事が発音する際のポイントであると言える。「though」の語源・由来
「though」の語源となっていると言われているのが「~だけど」という意味合いを持っている古期英語「theah」である。「though」と「although」の違い
「although」は「though」とほぼ同じ意味を持っている英語表記であるが、thoughのように副詞の用法はない。thoughと比較するとalthoughはフォーマルなシーンで使われるケースが多いと言える。またthoughの場合は文末に置いても使用できる英語表記であるが、althoughは文末と文中のみ使用する事ができる。althoughは書き言葉として用いられる頻度が高く、ニュースや会議などビジネスシーンで使用される事も多い。一方、thoughはどちらかと言うとカジュアルな印象のある英語表記であり、日常会話でも頻繁に使われている。接続詞だけでなく副詞としての役割も持っており、文末にも使用できる点が althoughとの違いである。「though」と「but」の違い
「but」は「though」と同様、逆接の意味を持っている接続詞である。butは「けれども」と訳される場合、2つの文章の重要度が同等である時に使用できる「等位接続詞」というカテゴリーに属する事になる。一方、thoughは従属接続詞と呼ばれるカテゴリーに分類されており、その点がbutとの違いであると言える。butは2つの文章を繋げる役割を持つ英語表記であるため、文中での使用はできるが、文頭に置く事はできない。例えば「I went to high school. But I couldn’t find anyone」のようなbutの使い方は誤りであり、「I went to high school, but I couldn’t find anyone」が正しい文章となる。butはthoughと同じカジュアルなイメージのある英語表記であるが、thoughよりもくだけた印象が強い事から、ビジネスシーンなどではあまり使用しない方が良いだろう。「though」を含む熟語・言い回し
even thoughとは
「even though」とは、thoughと同じ意味を持っている英語表記である。ただ、「even though」はthoughより強い意味を表している英語表記であり、文頭と文中どちらにも置く事が可能だ。
as thoughとは
「as though」とは、「あたかも」、「まるで~であるかのように」などの意味がある英語表記である。ほぼ同じ意味合いを持つ英語表記としては「as if」が挙げられる。
「though」の使い方・例文
接続詞として「though」を使用する場合の例文としては「Though my back hurt, I went out yesterday(腰が痛かったけど、昨日は外に出かけた」、「Though he hates his job, he never tries to look for a new job(彼は自分の仕事を嫌がっているけれども、転職しようとはしない)」、「Though it is raining, I need to go shopping(雨が降っているけれども買い物に出かける必要がある)」、「Though I can just barely read English, I can’t speak it(かろうじて英語は読めるけれども、話す事はできない)」、「I’m really tired even though it’s still 7PM(まだ午後7時であるにも関わらず、とても眠い)」などが挙げられる。一方、「though」を副詞として使用する場合、「Pretty good. It’s a little bit sweet for me, though(すごく美味しいよ!私には少し甘いけどね)」、「I recommend the autumn leaves in Kyoto.It’s a little bit far though(京都の紅葉がおすすめだよ。少し遠いけどね)」、「A cafe near the station is recommended.I’ve never been there, though(駅の近くにあるカフェがおすすめだよ。私はそのカフェに行った事はないけどね)」などの例文がある。
ぞう【像】
読み方:ぞう
[音]ゾウ(ザウ)(呉)
1 目に映るものの姿・形。「映像・画像・虚像・現像・残像・実像・受像」
3 実物をかたどってつくったもの。「胸像・偶像・座像・肖像・聖像・石像・彫像・銅像・仏像」
[名のり]かた・すえ・のり・み
ぞう〔ザウ〕【像】
読み方:ぞう
1 物の形。人の姿。「障子に人の—が映る」「嘱望される青年の—」
2 神仏・人・鳥獣などの形をまねて描いたりつくったりしたもの。「観音の—」
3 物体から出た光線が鏡やレンズで反射または屈折して生じる、その物の形。実像と虚像とがある。「—を結ぶ」
ぞう【判=官】
ぞう【増】
ぞう【増】
読み方:ぞう
1 ますこと。ふえること。また、ふやすこと。「前年比30パーセントの—」「—ページ」⇔減。
2 能面の一。女神・天女または高貴な女性などに用いる、気品のある若い女性の面。増阿弥が創始したものという。増女(ぞうおんな)。
ぞう【憎】
ぞう【▽族】
ぞう【▽曹】
読み方:ぞう
⇒そう
ぞう【臓〔臟〕】
ぞう〔ザウ〕【臓】
ぞう【蔵〔藏〕】
読み方:ぞう
[音]ゾウ(ザウ)(呉) [訓]くら かくす おさめる
〈ゾウ〉
1 中にしまっておく。隠して表に現さない。「蔵書・蔵匿/愛蔵・家蔵・死蔵・収蔵・所蔵・退蔵・貯蔵・内蔵・秘蔵・腹蔵・包蔵・埋蔵・冷蔵」
ぞう〔ザウ〕【蔵】
ぞう【象】
読み方:ぞう
⇒しょう
ぞう〔ザウ〕【象】
読み方:ぞう
長鼻目ゾウ科の哺乳類の総称。陸上動物では最大。頭部が巨大で、鼻は上唇とともに長く伸び、人間の手と同様の働きをする。上あごの門歯が伸びて牙(きば)となり、臼歯(きゅうし)は後ろから前へずれながら生え替わる。現生種はアフリカゾウ・アジアゾウに大別され、化石種にはマンモス・ナウマンゾウなどがある。
ぞう【贈】
ぞう【贈】
ぞう【×贓】
ぞう【造】
読み方:ぞう
1 物をこしらえる。つくる。「造営・造花・造船・造本/改造・偽造・急造・建造・構造・醸造・人造・製造・創造・鋳造・捏造(ねつぞう)・捏造(でつぞう)・模造・木造」
2 なす。行う。「造反」
4 急であわただしい。「造次」
[名のり]いたる・なり
ぞう【雑】
読み方:ぞう
⇒ざつ
ぞう〔ザフ〕【雑】
ゾウ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/12/17 02:28 UTC 版)
ゾウ | |||||||||||||||||||||||||||||||||
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分類 | |||||||||||||||||||||||||||||||||
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学名 | |||||||||||||||||||||||||||||||||
Elephantidae Gray, 1821[2] | |||||||||||||||||||||||||||||||||
タイプ属 | |||||||||||||||||||||||||||||||||
Elephas | |||||||||||||||||||||||||||||||||
属 | |||||||||||||||||||||||||||||||||
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![]() ゾウ類の分布
茶色がアジアゾウ、緑色がアフリカゾウ属。薄い部分は20世紀には野性個体群が生息していた地域。 |
ゾウ(象)は、長鼻目ゾウ科 (Elephantidae) に属する哺乳類の総称である[3][4][注 1]。
アジアゾウとアフリカゾウ、それとおそらくはマルミミゾウの、2属3種が現生し、これらは現生最大の陸生哺乳類である。他に絶滅したマンモスやナウマンゾウなどを含む。
名称
「ゾウ」は漢字「象」の音読み(呉音)。「象」の字は、紀元前約1000年頃まで古代中国にも生息していたゾウの姿にかたどった象形文字であるとされる。
これとは別に、日本(有史以来)にはゾウがいなかったにもかかわらず、日本語には「きさ」という古称があり[注 2]、『日本書紀』では象牙を「きさのき」と呼んでいる。
『和名抄』には
象、岐佐、獣名。似水牛、大耳、長鼻、眼細、牙長者也。
などの記述がある。ほか、『うつほ物語』、『宇治拾遺物語』、『徒然草』、江戸時代の『椿説弓張月』などにも「象」の記述がある。
英語やフランス語の elephant、ドイツ語の Elefant、 スペイン語やイタリア語のelefanteはいずれもギリシア語 elephas「ゾウ」に由来し、ギリシア語は雄牛を意味するフェニキア語のエルフ・エルプス、もしくはヘブライ語のエレフ・アレフ・オリフントなどに由来する[5]。
形態
![]() | この節は検証可能な参考文献や出典が全く示されていないか、不十分です。(2013年5月) |
長い鼻、大きな耳が特徴。首が短く、立ったままでは口を地面に付けることができない。膝をついてしゃがむか、筋肉質の長い鼻を使って食べ物や水などを口に運ぶ。鼻を使って水を体にかけ、水浴をすることもある。この鼻は上唇と鼻に相当する部分が発達したものであり、先端にある指のような突起で仁丹のような小さな物から、豆腐といったつかみにくい物までを器用に掴み取ることができる。
また嗅覚も優れており、鼻を高く掲げることで遠方より風に乗って運ばれてくる匂いを嗅ぎ取ることができる。聴覚も優れている(#生態を参照)。
視力について、多くの哺乳類と同様に緑色の知覚に劣る二色型色覚であるが、夜の薄明かりでも視力が維持される[6]。
歯式は ただし気性には個体差もあり、アフリカゾウが全体的に気性が荒いという性質はあるもののアジアゾウ同様に飼い慣らせば人間に従順になるとみられている。なお、かつて調教され労役に使われたアフリカゾウの種はマルミミゾウであり、これはアフリカゾウの中でも比較的温厚とされている。
雌と子供で群れを形成し、雄は単独か雄同士で別に群れを形成して生活する。巨大な体躯のため、成体のゾウが襲われることは少ないが、ヒトをはじめとして、敵は皆無という訳ではなく、アフリカではライオン、インドではトラが、主に若いゾウや幼獣を襲うことが確認されている[9][10]。そのため、群れの成獣たちは常に幼獣の周囲を取り囲んで、これらの敵から身を守っている。
その巨体に見合わず40km/h程度で走ることが可能[11]であり、四足動物の中で唯一、速度調節の際に前後全ての脚を駆使して加速・減速を行っている[12]。アジアゾウの最高速度は6.8 m/s(25 km/h)[13][14]。
寿命は60歳から70歳で、20歳ほどで成獣になる。哺乳動物の中で最も妊娠期間が長く、約22カ月に及ぶ。普通、2年から4年ごとに子どもを一頭産む。子ゾウの出生時の体重は約100キロ、身長は約90センチである[15][16]。
足の裏のひび割れには滑り止めの役割があり、人間の指紋のように個体によってひび割れの模様は異なっている。ゾウのしわは表面積を大きくし熱を発散させるという。
体温調整として、耳をばたつかせ、泥浴びなどによって体温を下げる。汗は、足の爪周りにある汗腺のみである[17][18]。
人間には聞こえない低周波音(人間の可聴周波数帯域下限である約20Hzのそれ以下)で会話しているといわれ、その鳴き声は最大約112dBもの音圧(自動車のクラクション程度)があり、最長で約10km先まで届いた例もある。加えて、象は足を通して低周波を捕えられることも確認された。ゾウの足の裏は非常に繊細であり、そこからの刺激が耳まで伝達される。(従って耳で直接音を聞くわけではない)彼らはこれで30-40km離れたところの音も捕えることができる。このため、雷の音や、遠く離れた地域での降雨を認知できるのではないかと考えられている。
人間を見分けることもできるほどに高い認知能力を持っているといわれており、例えば飼育下では優しく接してくれた人間に対しては甘えたり挨拶したりするが、逆に自らや仲間に危害を加えた人物に対しては非常に攻撃的になる。また、人の言語の違いを聞き分けられるともいわれ、象を狩っていたマサイ族の言語を非常に警戒したとの報告もある。ただし、同じマサイ族でも狩りに参加しない女性ではなく、男性だけを避けようとする等々、様々な逸話が伝えられる。また、群れの仲間が死んだ場合に葬式ともとれる行動をとることがある。死んだ個体の亡骸(なきがら)に対し、周りに集まり鼻を上げて匂いを嗅ぐような動作や、いたわるように鼻でなでる等の行動をとった記録がある。これらの行為が持つ意味については疑問点や未解明の部分も多いが、いずれにせよかなり優れた記憶力や知能を持つと推察されている。
2006年に、アジアゾウにミラーテストがおこなわれ鏡映認知(鏡に映った自身を自身と理解する能力)があることが判明した[19][20]。
タイのチェンマイでは象が絵を描く芸が披露されている。日本でも市原ぞうの国の「ゆめ花」が絵や文字を書くことで知られている[21]。
選択採食型の食性で草・葉・果実・野菜などを自分で選択的に食べる。ミネラルをとるために泥や岩塩などを食べることもある。
草食動物で1日に150kgの植物や100Lの水を必要とし、野生個体の場合はほぼ一日中食事をとる。また糞の量も多い。成獣では1日平均100キロもの糞をだす[22][23]。
体が大きく必要となる食物も並大抵の量ではないため、森林伐採などの環境破壊の影響を受けやすい。また食欲と個体数増加に周囲の植生回復が追いつかず、ゾウ自身が環境破壊の元凶になってしまうこともある。
成熟した成獣のオスにはマスト期(発情期、ムスト期)と呼ばれる一定の間凶暴になる時期がある。一般的には発情期と解釈されており、八割の子象がマスト中のオスを父親に持つという調査結果もある[24]。その一方で、期間中は性器が勃起しづらくなるうえ、メスや我が子を見境なく殺害することがあり、何のために起こるのか完全には解明されていない[25]。ゾウはこめかみ辺りの側頭腺からタール状の液体を出すが、マストとなった個体はその分泌量が多くなるため、その判断材料とされる。動物園等では、この時期の個体は保安のため、檻の中で鎖に繋いでおくことが多い。持続時間は数週間から数か月に及び、日照時間やストレスによって大きく左右されることがわかっている[25]。
ゾウの死体や骨格は自然状態では全くといっていいほど発見されなかったため、欧米ではゾウには人に知られない定まった死に場所があり、死期の迫った個体はそこで最期を迎えるという「ゾウの墓場」という考えが生まれた。だが、実際には他の野生動物でも死体の発見はまれで、ゾウに限ったことではない。自然界では動物の死体は肉食獣や鳥、更には微生物によって短期間で骨格となり、骨格は風化作用で急速に破壊され、結果的に遺骸が人目につくことはなかった。そうした事情が基になり、この伝説ができたものと考えられている。象牙の密猟者が犯行を隠すためにでっち上げたという説もある。なお、人の往来が頻繁になった近年はアフリカのサバンナでもゾウの遺骸が見られることがある。
長鼻類で最も進化したグループであるゾウは新生代の第四紀にはオーストラリアと南極大陸以外の全ての大陸に分布していたが、自然環境の変化や人類の狩猟などによりやがて衰退し、現在はサハラ砂漠以南のアフリカに生息するアフリカゾウとインドおよび東南アジアに生息するアジアゾウのわずかに2種が残るのみであり、滅亡へ向かいつつあるグループといえる。動物園の定番ではあるが、共にIUCNレッドリストで絶滅危惧IB類に指定されている。またアフリカゾウの亜種と考えられてきたマルミミゾウは、最近は別種とされることが多くなっている。
化石種のゾウではマンモスが特に有名。かつて日本にもナウマンゾウ (Palaeoloxodon naumanni) などのゾウが生息していた時代がある。
Shoshani et al.(2007)[26]による舌骨形質による分岐図。
†マムート科 Mammutidae(マストドン) †ゴンフォテリウム科 Gomphotheriidae †ステゴドン科 Stegodontidae (ステゴドン類) †パレオロクソドン属 Palaeoloxodon (ナウマンゾウなど) ゾウすなわちゾウ科は、ステゴドンなどステゴドン科に最も近縁で、次いでいくつかの科未定の属が続く。
ゾウ科のからいくつかの祖先的な属を除いたゾウ亜科の中で、アフリカゾウ属・アジアゾウ属・マンモス属の3属間の類縁関係は長らく不明瞭だった。歯の特徴や初期の分子系統により、アフリカゾウ属とマンモス属が近縁とされたこともあったが[28][29][30]、全ミトコンドリアDNAの解析により、アジアゾウ属とマンモス属が近縁とほぼ確定した[31]。
また、分子系統解析結果によると、解析対象としたパレオロクソドン(Palaeoloxodon)属の種はマルミミゾウと姉妹群であるという結果となっている[32]。
現生種はアフリカゾウとアジアゾウの2種存在している。アフリカゾウには2亜種、アジアゾウには4亜種がいる。アフリカゾウの亜種とされていたマルミミゾウは、最近はアフリカゾウとは別種とする研究事例[29][33]が多く、その場合には現生種のゾウは世界に3種いることとなる。
ゾウ類は人間の重要な狩り対象であった。食用としても重視され、先史時代からナウマンゾウやマンモスといったゾウ類が人類にとって重要な獲物であったことは多くの証拠から認められている。崖から数百頭の群れを一度に追い落とす猟が度々行われてきた痕跡から、彼らの絶滅に人間の関与を指摘する向きもある。
現在では数が少なくなったために保護が行われているが、この個体数減少の原因の1つも人による捕獲圧であると考えられる。特に大型になる動物であるクジラ類などにも共通するが、元々の繁殖力が低いため、狩りの圧力を受けやすい。
現在においては食用目的の捕殺はまれであり、捕獲の最大の理由は象牙となっている。象牙(特に長い象牙を持つ象)を目的とした捕獲が後を絶たないため、自然界では成熟しても象牙の短い象の個体数が増えているとの報告もある。また、自然保護と個体数減少によって禁止されるまでは、ゾウは猛獣狩りの最も主要なターゲットであり、欧米の富裕層の観光客によってハンティングが行われていた。
ゾウの個体数が減少してきたことを受け、生息する各国においては国立公園や自然保護区が設定され、ゾウは保護されている。この保護のための資金作りや象牙に代わる地元住民の雇用などを目指し、各国の自然公園ではサファリなどの観光を行うことが多い。このサファリにおいてゾウは目玉の一つであり、ゾウの自然な姿を見るためにヨーロッパやアメリカからやってくる観光客も多く、各国の重要な産業の一つとなっている。
現在ゾウの生息数が最も多いといわれるボツワナでは15万頭以上が生息しているといわれ、1980年代の3万から4万頭に比べ大幅に個体数が増加した[34]。一方、かつては自然保護区に指定されても、象牙などを求める密猟が後を絶たなかった。世界最大のゾウの保護区だったタンザニアのセルー国立公園では、1970年代から1980年代にかけて、かつて10万頭いたゾウが2万頭にまで激減。その後、保護が強化されたことでセルーでの頭数は回復傾向にある[35]。モザンビークにおいては、2015年には5年前と比較し、密猟のためにゾウの生息数が半数にまで減少してしまった[36]。その他、コンゴ民主共和国など、貧しく政治の混乱が続いている国においては密猟取り締まりに予算を割く余裕がなく、密猟の横行を招いている。
ただし、ゾウが増加すると、今度は害獣として近隣に多大な被害を与えることがある。ゾウは農作物を荒らすことも多く、またその巨体を支えるために食べる食物の量は膨大で、樹木の樹皮をはがしてしまうことも多く、そのために枯死してしまう樹木も多いためである[37]。こうしたことから、特にゾウの個体数が回復した地域においては逆にゾウの駆除が求められる場合がある。
日本の動物園においては定番として飼育されるが、自然繁殖例は極めて少ない。欧米の動物園では人工授精での繁殖に成功している例が幾つかある[38]。 ゾウの持つ長い牙は象牙と呼ばれ、その美しい色合いやなめらかさ、やわらかく加工のしやすいことから古来より宝石や工芸材料として珍重されてきた[39]。象牙はアジアゾウ・アフリカゾウともに持つが、アフリカゾウの方が大きくて品質が良く評価が高い。
近代以前のアフリカにおいては金と並ぶ重要な交易品であり、サハラ交易の南端に位置するトンブクトゥなどのサヘル交易都市や、インド洋交易の東端に位置するアフリカ東海岸の諸都市は金と象牙を主な交易品とし繁栄[40]。
大航海時代においてもヨーロッパ人がアフリカに求めたものは金と象牙であることには変わりなかった。19世紀に入ると、それまで象牙を沿岸の港湾都市で買い付けるだけだったアラブ人の隊商が内陸部へと入り、直接象牙や奴隷を買い付けるようになった。このため内陸部の交易ルートが拡大、スワヒリ語がこの地域の共通語として広まる契機となった。20世紀に入るまで象牙はアフリカの重要な特産物の一つとなっていた。一方で象牙の高価さはゾウを狩猟の目的とするのに十分なものであり、とくに19世紀以降上記のとおり象牙を目的とした乱獲が行われ、ゾウの個体数が急減する原因となった。
1989年にはワシントン条約によって象牙の国際取引がほぼ禁止され、旧来象牙を使用の分野では、代替品の開発が急速に進展。一方で、取引が禁じられたため、象牙の価値はむしろ高騰し、この高い利益をもとめて密猟を行うものが後を絶たず、問題となっている。
アジアのゾウ使いはマフートと呼ばれる。
ゾウは使役動物としてかつて現地の人たちには移動手段として使われ、重いものを運ぶのにも利用された。戦象として軍事用に使われたこともある。こうした役畜としての使用はおもにアジアゾウに限られ、アフリカゾウも使われた(#古代ローマとゾウを参照)記録はあるものの、あまり役畜としての利用はせず、飼育もあまりされてこなかった[37]。アフリカゾウは、気性が荒く使役できるまで慣れない。マルミミゾウは、それを上回る気性の激しさを持つ[41]。
また、ゾウに芸をさせることもあり、サーカスではゾウに逆立ちさせたり台に上らせたりといった芸をさせる。タイではゾウにサッカーをさせる行事がある。また、かつてインドでは象に罪人の頭を踏みつぶさせる処刑があった。
なお、オスがマストになると、数週間から数か月にわたって命令を聞かなくなる(時として飼い主を殺そうとする)ため、マスト期の短縮は死活問題である。アジアのゾウ使いたちは、ゾウが衰弱するとマストが終わることを知っており、該当の個体を動けないよう拘束してエサを減らすことで、マスト期間をわずか数日に短縮する[25]。こういった措置は極めて効果的であるものの、虐待とも考えられており、動物園などでは採用されないことが多い。
タイの伝統的な文化として、ゾウに乗って観光地を散策する体験「ゾウ乗り」があるが、2020年に、調教における虐待行為が問題となり、動物愛護の観点から、近年、廃止する施設が増えている[42]。
マスト期(発情期)の雄は非常に攻撃的な性格をしており、周囲にいるゾウなどに攻撃を仕掛ける。また、ゾウは群れで村などを襲撃し、トウモロコシ、サトウキビ、バナナなどの作物を食べたり破壊する human-elephant conflict(人間とゾウの衝突)を引き起こす[43][44][45]。
これらに対して、電気柵、火、閃光弾、ボウガン、銃などで武装しているが双方に被害を出している[46]。ただし、電気柵に対しては象牙が電気を通さず[47]、象牙以外でも石などを使って破壊する知能があるため効果が薄く[48][49]、またゾウが感電死するレベルの電気柵は、タイ王国の場合は密猟の罪に問われる場合がある[50]。
発信機を付けて追跡し、危険があれば麻酔銃で眠らせて、人家の少ない場所で放獣なども行われている[51]。また、ゾウを訓練して襲撃をしようとしているゾウに対抗させたりもされる[52]。
深刻な被害を被っているネパールでの調査では、火を使って追い払うグループの死亡率が低く、爆竹を使って追い払ったグループは死亡率が高かった。また森林近くのコミュニティと離れた集落への攻撃で被害が大きい[53]。
種別として以下の方法で飼育が行われる。
ゾウの糞は、タイの北部では、コピルアクにヒントを得てゾウの糞からコーヒー豆を集め、高級コーヒー豆としてブランド化させている[57]。また、燃料や堆肥化、紙の製造などが行われている[58]。
インドの神話でゾウは世界を支える存在として描かれる。
ヒンドゥー教には、ゾウの頭を持つガネーシャと呼ばれる神様がいる。仏教では歓喜天に当たり、シヴァ神の長男で富と繁栄の神様とされる。また、天帝インドラはアイラーヴァタと呼ばれる白象に乗っている。
仏教の影響下、東南アジアでも白いゾウ(白象)は神聖視された。釈迦は白象の姿で母胎に入ったという[59]。ゾウは普賢菩薩の乗る霊獣として描かれることが多い。
チェスや将棋などの起源と考えられる古代インドのボードゲーム、チャトランガにはゾウを意味する駒があった。シャンチー(後手のみ)やチャンギにも「象」が登場する。日本でも中将棋を含む古将棋の多くに「酔象」があるが、現在の将棋に「酔象」はない。
古代地中海世界では戦象としてゾウを軍用に使役していた。古代ローマ人が初めてゾウと遭遇したのはピュロスのイタリア半島侵入の際で、ヘレニズム世界で使用されていた戦術をピュロスがそのまま持ち込んだものであった。このときローマ軍が戦象と戦った場所ルカニアからローマではゾウはルカニアの牛と呼ばれた。こうしたピュロスのエピソード以上に第二次ポエニ戦争の際、カルタゴの将軍ハンニバルがその傭兵部隊に加えて39頭の象を引き連れ、イタリア半島に侵攻したことはよく知られている。アルプス山中で受けた妨害と寒さや餓えのため、イタリアの平野部に到達した象は元の半数以下だったが、それもトレビア川の戦いでインドゾウの一頭を残してことごとく倒れた(最後のゾウ以外はアフリカゾウ(マルミミゾウ)であった)。
ゾウはローマにおいては一般的なものではなく、そのためローマ帝国期においてはときおりゾウがローマ市まで連れてこられ、パンとサーカスの一環として見世物に供された。80年にローマ市中心部において完成したコロッセウムにおいても、ゾウが皇帝に挨拶をしたりダンスを踊った記録が残されている。また、ゾウとほかの猛獣とを戦わせる見世物も行われた[60]。
ゾウはその生息地だけでなく、ゾウの生息しない地域においても大きさや温和さ、強さ、賢さなどのイメージから、さまざまなシンボルに使われてきた。アメリカの二大政党の一つである共和党はゾウを党のシンボルマークに使用している。また、ガーナの二大政党の一つである新愛国党も、偉大さや賢さ、愛情深さなどプラスのイメージを持つゾウを党のシンボルマークとして使用している[61]。
まだユーラシア大陸と陸続きだった頃の日本列島にはナウマンゾウが生息しており、旧石器時代には狩猟対象とされていた。日本においてナウマンゾウは約2万年前に絶滅したとされるが、その骨は後の時代にも珍重され、正倉院にもナウマンゾウの臼歯が竜骨として保管されていた。1804年(文化元年)11月、近江国滋賀郡南庄村(現在の大津市伊香立南庄町)で、トウヨウゾウの骨化石が発掘された。このときに出土した骨を観察した当時の人々は龍の骨と考え、その姿かたちは龍骨図として描かれた[64]。
唐時代の官の家畜に関する規定である厩牧令ではラクダとゾウの記述があったが、日本の厩牧令では国内事情に合わせるため記述が削除された。存在自体は仏教の影響で知られており、『今昔物語集』には、イノシシがゾウに乗った普賢菩薩に化けて僧を誑かす逸話がある。12世紀から13世紀に成立したといわれる『鳥獣人物戯画』の乙巻には、長い鼻や太い足、牙など象の特徴をよく捉えた絵が描かれている。
生きているゾウが日本へ渡来したことが確認できる最も古い文献記録は、応永15年6月22日(1408年7月15日)に若狭国小浜へ入港した南蛮(東南アジア)の船にゾウが積まれていたというものである。この船は亜烈進卿という人物(パレンバンの華僑の頭目施進卿とされる)が派遣したもので、足利義持への献上品として孔雀やオウムなどとともにゾウが積まれていた。このゾウは上京を果たしたようだが、当時の人々の反応を伝える史料は残っていない。その後応永18年(1411年)に、このゾウは足利義持から朝鮮の太宗に贈られた。
天正3年(1575年)には明の船が象と虎を連れて豊後国臼杵に到来し、大友宗麟に献上されたほか、慶長2年(1597年)にはルソン総督が豊臣秀吉への献上品として、また慶長7年(1602年)には朱印船貿易の相手だったベトナムの阮潢により交趾から徳川家康への献上品として虎・孔雀とともに象1頭が贈られた。神戸市立博物館所蔵の桃山時代の南蛮屏風には日本に連れて来られた象が描かれている。
享保13年(1728年)6月には、オスメス2頭の象が江戸幕府8代将軍・徳川吉宗の注文により広南(ベトナム)から連れてこられた。メスは上陸地の長崎にて3か月後に死亡したが、暴れることを想定しそれに耐えうる頑丈な国産船が当時無かったことから、オスは長崎から陸路歩行で江戸に向かい、途中、京都では中御門天皇の上覧があり、庶民からもかなりの人気があった[65]。上覧には位階が必要なため、オスのゾウには「従四位広南白象」と位と号が与えられている。江戸では徳川吉宗は江戸城大広間から象を見たという。その後、ゾウは浜御殿にて飼育されていたが、飼料代がかかり過ぎるため寛保元年(1741年)4月、中野村(現東京都中野区)の源助という農民に払い下げられ、翌年12月に病死した。現在も馴象之枯骨(じゅんぞうのここつ)として、中野の宝仙寺に牙の一部が遺されている。
その後、文化10年6月28日(1813年7月25日)にイギリス船シャルロッテ号とマリア号が長崎に来航した際、将軍への特別の贈り物としてメスの象1頭が連れてこられている。長崎奉行遠山景晋がその象の検分に当たり、しばらく長崎に滞留していたが、同年9月1日に幕府から受け取り拒否の回答が伝えられたため、その象は再び船に乗って日本を出国していった。なお、このイギリス船の来航の本当の目的は、トーマス・ラッフルズの命により、出島のオランダ商館をイギリスに引き渡すようにオランダ商館長ヘンドリック・ドゥーフに要求するためで、象はその挨拶がわりだったのではないかとされている[66]。
大きいこと、鼻が長いことがはっきりした特徴となっているから、そのような特徴を捉えて他の生物の名としている例もある。
アフリカゾウ
アジアゾウ
体長
6-7.5m
5.5-6.4m
体高
3-3.8m
2.5-3m
体重
5.8-7.5t
4-5t
牙
オスでは3m以上にもなる
オスでも2m以下が普通で、メスは更に短く外部からは見えない
歯の表面の模様
ひし形で間隔はやや広い
横縞の間隔がせまい
背中
肩と腰が盛り上がる分背中が少し凹んでいる
丸い
耳
大きく三角形
小さく四角形
鼻先の指状突起
上下2つ
上方1つ
蹄の数
一般に前足4つ・後足3つ、計14個
前足5つ・後足4つ、計18個
気性
比較的荒く、人間に慣れ難い
比較的温厚で、人間によく慣れるといわれる
頭
平ら
2つのこぶがある
体
濃い灰色
薄い灰色または白色
生態
コミュニケーション
認知能力
食性
発情期
ゾウの墓場
ギャラリー
進化と分類
進化史
系統
ゾウ下目
ゾウ小目
ゾウ上科
ゾウ科
ゾウ族
ゾウ亜族
Elephantina
Elephantini
Elephantidae
Elephantoidea
Elephantida
Elephantimorpha
Elephantimorpha
ゾウ科
Elephantidae
分子系統解析による系統樹[32]
現生種
人との関わり
(インド・ジャイプル)狩猟と保護
象牙
役畜としてのゾウ
動物愛護
ゾウの攻撃・襲撃
動物園の飼育環境
その他の利用
インド神話、ヒンドゥー教、仏教とゾウ
古代ローマとゾウ
シンボルとしてのゾウ
日本人とゾウ
日本語の中のゾウ
ことわざ
ゾウの名を持つ生き物
ゾウに関連する作品など
脚注
注釈
出典
参考文献
関連項目
外部リンク
「ゾウ」の例文・使い方・用例・文例
- そのゾウは動物園の中で一番大きな動物だ
- インドゾウ
- 野生のゾウ
- ゾウリムシの潜在的変化
- 雌のゾウ[ヘラジカ].
- はぐれゾウ.
- 密猟者が(そこの)ほとんどのゾウを殺してしまった.
- 香りのよい塩漬けの豚肉とゾウムシのついた固いビスケット
- アメーバやゾウリムシ属の各種の原生動物などの微小生物
- ゾウリムシ属に属するもの
- ゾウリムシの親戚
- ゾウガメ
- 様々な大型有胎盤哺乳動物の子、例えば、クジラ・キリン・ゾウ・バッファロー
- ゾウガメは檻の中をどたばたと歩き回った
- ゾウアザラシ類
- 真正ゾウムシ:ゾウムシ類
- 長く伸びた鼻を持つ小型ゾウムシ
- 栽培された植物に有害なゾウムシ
- 綿花の莢の中に卵を産み綿花を破壊する灰色のゾウムシ
- それの幼虫が例えば腐敗している植物材料または穀物を餌にする鈍い固い体を持った黒い地球のゾウムシ
- >> 「ゾウ」を含む用語の索引
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