ムール貝
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/03/24 23:10 UTC 版)
ムール貝(ムールがい、英: mussel)とは、海水域や淡水域に生息する二枚貝軟体動物の仲間の一般名である。これらのグループに共通しているのは、他の食用貝類が多かれ少なかれ丸みを帯びた楕円形であるのに対し、貝殻の輪郭が細長く、非対称であることである。ムール貝という言葉は、海洋生物であるイガイ科(Mytilidae)の二枚貝を指すことが多い。ムール貝の多くは、潮間帯の露出した海岸に生息し、強固な基質にヒゲのような足糸で付着している[1]。いくつかの種(Bathymodiolus属)は、深海の尾根に付随する熱水噴出孔にコロニーを形成している。
ほとんどのムール貝の殻は、幅よりも長さの方が長く、くさび形または非対称である。貝殻の外側の色は濃紺、黒っぽい、または茶色のものが多く、内側は銀色でやや真珠光沢がある。
また、「ムール貝」という通称は、淡水真珠貝を含む多くの淡水二枚貝にも使われている。淡水産のムール貝(freshwater pearl mussels)は、湖、池、川、小川、運河などに生息しており、外見上は非常に表面的な類似点があるものの、二枚貝の別の綱に分類されている。
淡水産のカワホトトギスガイ(ゼブラガイ、zebra mussels)とその近縁種であるDreissenidaeは、形状が多くのイガイ科の種に似ており、岩などの硬い表面に付着して房を使って生活しているにもかかわらず、前述のグループとは関係がない。一般的に「アサリ」と呼ばれる二枚貝の多くを含む分類群である異歯亜綱(Heterodonta)に分類されている。
関連項目
- ムラサキイガイ
- ヨーロッパイガイ
脚注
ムール貝
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2016/11/20 19:49 UTC 版)
フランス語のムール (moule) は、イガイ科全般を広く意味する言葉である。英語のマッスル (mussel) はイガイ科およびイシガイ目、カワホトトギス科をも含む名称である。 現在のフランス産のムール貝は養殖物が多い。伝統的なムール貝の養殖には3種類の方法があり、どの方法で養殖されたかという情報も商品に付与される。 平地式・平面式 遠浅で海流の穏やかな海底に直接ムール貝を撒く方法。他の養殖方法が困難な場所でこの方法が取られるが、ヘドロが発生しやすいので海底のメンテナンスが必要となる。主な漁場はブルターニュ、シェルブール周辺など。 ブショ(bouchots)式 海底に4-6メートルの高さの杭を2列に並べて打ち、貝をとり付かせるためのロープを渡す方法。13世紀にアイルランド人のパトリック・ウォルトンによって伝えられたとされる。主な漁場はラ・ロシェルからノワールムティエ島の間、ノルマンディ海岸など。 懸垂式 筏などから海底に向かってロープを垂らし、幼生を付着させる方法。干満が激しくない場所、もしくは水深が深い場所に向いている。スペインのリアス式の湾内や地中海沿岸などで行われている。 フランス産の天然物と呼ばれるムール貝には、産地で捕獲した後に衛生管理が認められた施設できれいな水に浸けて洗浄する再浸処理品と、汚染されていない砂州で採れる品の2種類がある。天然のムール貝は養殖物に比べ、肉が薄く味も良くないとされ、価値が年々落ちてきている。現在は北アメリカの太平洋沿岸、フィリピン、オーストラリア、ニュージーランド、インドの沿岸でムール貝とよく似た別の貝が盛んに水揚げされ、消費されている。
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