ヒクイドリとは? わかりやすく解説

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ひくい‐どり〔ひくひ‐〕【火食鳥/鶏】

読み方:ひくいどり

ヒクイドリ目ヒクイドリ科総称体形ダチョウ似て頭高1.8メートル。羽は黒色で、頭は裸出し、首は青色、のどに赤い肉垂れがあり、頭頂に兜(かぶと)状の突起をもつ。翼は退化し足指3本ある。ニューギニア・オーストラリアに分布。カズワル。


食火鶏

読み方:ヒクイドリ(hikuidori)

鳥目


ヒクイドリ(一般和名); ヒクイドリ

商業名:Cassowary
学名Python curtus

他の走鳥類と同様、飛ぶことはできず、翼も未発達です。体高は約1.2メートル位で、北部オーストラリアニューギニア及びその地域内の島々森林地帯生息してます。
現在では、生息数少なく、革としての利用余りありません。


火喰鳥

読み方:ヒクイドリ(hikuidori)

ヒクイドリ科総称


火喰鳥

読み方:ヒクイドリ(hikuidori)

作者 小川国夫

初出 昭和46年

ジャンル 小説


ヒクイドリ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/06/28 18:47 UTC 版)

ヒクイドリ
ヒクイドリ Casuarius casuarius
保全状況評価[1]
LEAST CONCERN
(IUCN Red List Ver.3.1 (2001))
分類
ドメイン : 真核生物 Eukaryota
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 鳥綱 Aves
: ヒクイドリ目 Casuariiformes
: ヒクイドリ科 Casuariidae
: ヒクイドリ属 Casuarius
: ヒクイドリ C. casuarius
学名
Casuarius casuarius
(Linnaeus, 1758)[1]
和名
オオヒクイドリ[2]
ヒクイドリ[3]
英名
Australian cassowary[2]
Cassowary[2]
Double-wattled cassowary[2]
Southern cassowary[1][2]

ヒクイドリ(火食鳥、食火鶏[4]学名: Casuarius casuarius)は、鳥綱ヒクイドリ目ヒクイドリ科ヒクイドリ属に分類される鳥類。別名オーストラリアヒクイドリオオヒクイドリ[2]。大柄な体躯に比して翼が小さく飛べないが、長距離なら時速50km/h程度で走ることが出来る他、非常に殺傷能力の高い爪を持つ。性格は臆病で気性が荒い。世界一危険な鳥ともいわれる。一方で、刷り込みが強く、1万8千年前には人類が飼っていたとする説がある[5]。日本では7つの動物園で飼育されている。

分布

インドネシアニューギニア島南部、アルー諸島)、オーストラリア北東部、パプアニューギニア[1]セラム島に移入・定着[6][7][1][2]

インドネシア、ニューギニア、オーストラリア北東部の熱帯雨林に分布し[8]、オーストラリアでは標高1,100m以下[9]、ニューギニアでは標高500m以下に好んで生息する[10]。かつてはもっと広範囲に生息していたと推測されているが、他の走鳥類と同様、熱帯雨林の減少と移入動物の影響により個体数が減少しており、絶滅が危惧されている。森林が減ってきていることから、雛が生き残る確率は1%以下という研究結果も発表されている[11]

ヒクイドリのいる日本国内の動物園(日動水・JAZA加盟園)は、東武動物公園福山市立動物園愛媛県立とべ動物園福岡市動物園久留米市鳥類センター熊本市動植物園名護自然動植物公園(ネオパークオキナワ)の7施設。

繁殖個体数および傾向[10][要検証]
場所 個体数 傾向
パプアニューギニア南部 不明 減少
セラム島 不明 不明
アルー諸島 不明 不明
オーストラリア北東部 1,500 から 2,500 減少
**Paluma Range National Park 不明 減少
**McIlwraith Range 1000+ 減少
**Jardine River National Park 不明 不明
合計 2,500+ 減少

和名

和名は「火食鳥」の意味であるとされている。を食べるわけではなく、 喉の赤い肉垂が火を食べているかのように見えたことから名づけられたとの説が有力である。[誰によって?]

「火を食べる」は古くからダチョウの特長としてユーラシアの広い地域で語られていた伝承であり(ダチョウ#迷信を参照)、『本草綱目』(1596年)にダチョウの別称として「食火雞」が載る。また、日本には中国の文献でダチョウの存在は伝わっていたが、実物としてはダチョウよりも先にヒクイドリが来たために、当初はヒクイドリが「駝鳥」であるという勘違いがされており、ヒクイドリを描いた版画において「駄鳥 俗説ニ火喰鳥ト云(だちょう そくせつにひくいどりという)」という記述が見られる[12]

このダチョウとヒクイドリの取り違えは明代の中国においても生じており、『本草綱目』はダチョウの項目に『吾學編』(1567年)が紹介する「三仏斉(インドネシア)に住み、火炭を食べる、体が青くくちばしに赤い飾りを持つ火雞」を載せていた。ただし、さらに言えばこの『吾學編』に載る鳥は「二本指」であるとされ、ダチョウの特徴が混ざっている(ヒクイドリは三本指で、ダチョウは二本指)。また『瀛涯勝覧』(1451年)などもこの火雞について同様のことを述べている。

日本に初めてもたらされたのは、江戸時代初期の寛永12年(1635年)に、平戸藩により江戸幕府に献上されたものであるとされる[13]。記録には「陀鳥(だちょう)」とあるが、明らかにヒクイドリのスケッチが残されている。その後もオランダの貿易船により持ち込まれており、絵図からもその黒い羽毛、赤い肉垂、青い首に大きなとさかという特徴的な外見が分かる。

形態

スパイクのようなつめを持つヒクイドリの脚

ヒクイドリ目最大種。地球上では2番目に重い鳥類で、最大体重は85kg、全高190cmになる。一般的な全高は127-170cm、メスの体重は約58kg、オスの体重は約29-34kgである[9][14]やや前かがみになっていることから体高はエミューに及ばないが、体重は現生鳥類の中ではダチョウに次いで重い。アラビアダチョウおよびニュージーランドモアが絶滅して以降はアジア最大の鳥類である[要出典]

頭頂に大型で扁平な兜状の角質突起がある[2]。頭部から頸部にかけて羽毛がなく、青い皮膚が裸出する[2]。頭に骨質の茶褐色のトサカがあり、藪の中で行動する際にヘルメットの役割を果たすもの、また暑い熱帯雨林で体を冷やす役割がある[11]。毛髪状の羽毛は黒く、堅くしっかりとしており、翼の羽毛に至っては羽軸しか残存しない。顔と喉は青く、喉から垂れ下がる2本の赤色の肉垂を有し、体色は極端な性的二型は示さないが、メスの方が大きく、長いトサカを持ち、肌の露出している部分は明るい色をしている。幼鳥の羽毛は茶色の縦縞の模様をしている。

大柄な体躯に比しては小さく飛べないが、に覆われた頑丈な脚をもつ。脚力が強く時速50km/h程度で走ることができる。3本の指には殺傷能力がある丈夫で刃物のような12cm程度の鉤爪がある[9]。性質は用心深く臆病だが、気性の荒い一面もある。

生態

低地の熱帯雨林に生息する[2]。主に単独もしくはペアで生活する[2]

オスと幼鳥
ヒクイドリ属の鳥が好むコバナミフクラギの果実。

食性は果実を中心とした雑食性で、森林の林床で落ちている果実を採餌し、大きな種子を持った果実でもついばんで丸呑みする。1日に5kgのえさを必要とし、そのために1日に20kmも歩き回る[11]。ヒクイドリ属の鳥には、他の動物には毒性をしめすキョウチクトウ科ミフクラギ属のコバナミフクラギ[15](学名: Cerbera floribunda; 英語: Cassowary plum)という植物の果実を安全に消化する能力がある[16]。果実と一緒に飲み下された種子は糞と共に排出される事で芽吹き、ヒクイドリ属の鳥の移動とともに広範囲に種子が散布される[16]ので、果実食の習性は彼等が生きる森林を維持するのに重要な役割を担っていると考えられる[要出典]カタツムリや小型の哺乳類の死骸も食べる[17]菌類や昆虫類、小さな甲殻類も捕食する[要出典]

繁殖期は6-10月[17]。オスは地上に、草本植物を使って5-10cmの厚さで、幅が最大100cmほどの巣を作る[9]。メスは135×95mmほどの大きさの卵を、1回に3、4個産卵する。卵は表面がざらざらしており、最初は明るい薄緑色で、時を経るにつれ色あせていく[9][18]。メスは卵を産むのみで、産卵後は別のオスを探しに立ち去る。オスが卵を抱卵し、ヒナを単独で育てる。卵がかえるのはおよそ2ヵ月後で、充分な餌が取れないオスはその間、体重が5kg前後減る。ヒナは産毛もなく、トサカは生えかかった程度である。ヒナにとってオオトカゲ天敵で、オスはオオトカゲを威嚇して追いはらう。成長したトサカが生えるまで3~4年かかる[11]

繁殖期の間、とどろくような鳴き声やシューという鳴き声、もしくはゴロゴロというような鳴き声を発する。幼鳥はオスを呼ぶために高い音程の口笛のような鳴き声を頻繁に発する[10]

人間との関係

食用とされることもあり、成鳥は銃などによって狩猟され、雛は捕えて生育してから食べられることが多い[2]

森林伐採・農地開発による生息地の破壊、食用の狩猟などにより生息数は減少している[1][2]。一方で近年の調査では生息数が従来考えられていたよりも多いと推定され、2017年現在は絶滅のおそれは低いと考えられている[1]。オーストラリアではサイクロンによる影響(サイクロンの後は本種の交通事故が増加するという報告もある)も懸念されている[1]

日本ではひくいどり科(ヒクイドリ科)単位で特定動物に指定されている[19]

画像

脚注

出典

  1. ^ a b c d e f g h BirdLife International. 2017. Casuarius casuarius. The IUCN Red List of Threatened Species 2017: e.T22678108A118219400. doi:10.2305/IUCN.UK.2017-3.RLTS.T22678108A118219400.en. Downloaded on 10 September 2018.
  2. ^ a b c d e f g h i j k l m 竹下信雄 「オオヒクイドリ(オーストラリアヒクイドリ)」『動物世界遺産 レッド・データ・アニマルズ7 オーストラリア、ニューギニア』小原秀雄・浦本昌紀・太田英利・松井正文編著、講談社、2001年、167頁。
  3. ^ 山階芳麿 「ヒクイドリ」『世界鳥類和名辞典』、大学書林1986年、1頁。
  4. ^ 松村明 編「ひくいどり(火食鳥・食火鶏)」『大辞林 4.0三省堂、2019年。 
  5. ^ 「世界一危険な鳥」ヒクイドリ、1万8千年前には人類が飼育か”. 2023年4月7日閲覧。
  6. ^ ヒクイドリ」『ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典』https://kotobank.jp/word/%E3%83%92%E3%82%AF%E3%82%A4%E3%83%89%E3%83%AAコトバンクより2023年10月7日閲覧 
  7. ^ ヒクイドリ”. 動物図鑑|動物紹介|動物情報. 愛媛県立とべ動物園 (2014年1月31日). 2019年4月20日閲覧。
  8. ^ (Clements, J(2007))
  9. ^ a b c d e (Davies 2002)
  10. ^ a b c (BirdLife International(2008))
  11. ^ a b c d オセアニア自然紀行 「密林の巨鳥 ヒクイドリ〜オーストラリア北東部」 BShi、2008年11月14日[出典無効]
  12. ^ 不詳 (after 1804), Kaswaars 駄鳥 俗説ニ火喰鳥ト云 だちょう そくせつにひくいどりという, 文錦堂, https://www.kobecitymuseum.jp/collection/detail?heritage=366825 2025年2月9日閲覧。 
  13. ^ 国立国会図書館. “第三章 珍禽奇獣異魚”. 2010年7月9日閲覧。
  14. ^ Cassowaries: Casuaridae - Southern Cassowary (casuarius Casuarius): Species Account - Casuariidae, Birds, Male, and Chicks JRank Articles
  15. ^ 米倉・梶田 (2003-).
  16. ^ a b Essig (2015:162).
  17. ^ a b Southern Cassowary (BIRDS in BACKYARDS). 2018年9月10日閲覧。
  18. ^ Beruldsen, G(2003)
  19. ^ 特定動物リスト (動物の愛護と適切な管理)環境省・2018年9月10日に利用)

参考文献

関連項目

  • トビ、フエナキトビ、チャイロハヤブサ英語版 - 火が付いた枝を運び、草むらに落として火事を起こして、逃げる餌を捕らえる習性を持つ。アボリジニの歴史には「火を運ぶ鳥」の記録がある。
  • 鳥喰かや - ヒクイドリをモチーフとする日本の女子覆面プロレスラー。

ヒクイドリ

出典:『Wiktionary』 (2021/08/19 13:43 UTC 版)

名詞

ヒクイドリ食火鶏

  1. ダチョウ目ヒクイドリ科ヒクイドリ属一種学名:Casuarius casuarius。別名、駝鳥。飛ぶことはできない

翻訳


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