一門とは? わかりやすく解説

いち‐もん【一門】

読み方:いちもん

同じ家系、または、同じ家族人々一族一家。「藤原—」

仏教などで同じ宗派人々。「天台—」

学問武道芸能などで、同じ師匠指導者をいただく人々。「芭蕉—」

特に大相撲世界で、名力士指導受けた親方力士作る集団出羽海一門二所ノ関一門時津風一門高砂一門立浪一門五つ

[補説] 日本相撲協会理事選挙は各一門ごとに推薦者数を配分するのが従来やり方


一門 (いちもん)

血がつながった一族のことです。


一門

読み方:イチモン(ichimon)

武士の一族的な血族団体


一門

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/05/15 19:04 UTC 版)

一門(いちもん)は、氏族あるいは家系を同じくする同族あるいは同族集団のこと。

氏族としての一門

古くは、源氏平氏藤原氏など氏族を同じくする血族集団とそれらの構成員を指した。源氏一門、平家一門という呼称はそれにあたる。ちなみに鎌倉幕府を開いた源頼朝は源氏一門に対し、御家人たる武家の源姓使用を制限し、一門の中でも功績があり、また信頼のおける者にのみ御門葉の格式を与え、御門葉に限って源姓を公称することを許したというが、この門葉という概念もまた一門の同義語といえる。

後代になると、ひとつの氏族の中でも同族が増え膨大となり、特に鎌倉時代以降は祖先を同じくする場合にも、親族の嫡庶、領有する地所に合わせて世帯あるいは個人単位でそれぞれ異なる名字を称するようになる例が増えた。例えば河内源氏の嫡流とされた源頼朝は源姓のみを称したのに対し、支流 源義国の長男は新田義重を称して新田氏の祖となり、次男は足利義康を称し足利氏の祖となり、それぞれ鎌倉幕府において有力御家人となった。

このように同じ氏族であっても、その中でそれぞれ異なる名字を称することが定着すると、一門の単位もそれまでの氏族から名字を単位とするようになった。例えば前出の新田氏や足利氏などがそれぞれ新田一門、足利一門と称するようになったのはその好例といえる。ただし、特に鎌倉時代から室町時代にかけては、同じ名字を持つ者であっても分家した場合、新たな名字を称することが多く、一門という単位は同じ名字から分かれた庶流の家系を含めた総称としての意義を持つようになった。例えば、新田一門という場合は嫡流の新田氏はもちろん、それから分家した山名氏里見氏をも含み、足利一門という場合は足利氏とそこから分家した吉良氏斯波氏畠山氏細川氏一色氏渋川氏などはもとより、さらにそこから分家した同族(例えば吉良氏から分家した今川氏など)を含めた同族集団の総称として捉えられるようになったといえる。

これら武家にとっての勢力基盤は、宗家の所領を代官する一門の下支えによるところが大きく、同じく鎌倉幕府の有力御家人たる北条氏も嫡流である得宗を中心に一門で執権探題の職を独占し、まさに一門の結束力こそが御家人の勢力の基盤であった。また、これら一門とは、嫡流を支える同族として、嫡流が絶えた場合、その家系を継承する権利または資格を有した。しかし、一門の中でも嫡流から分家して久しい家系や嫡流と主従関係を結んだ家系、あるいは側室を母とする庶流の家系は次第に一門たる資格を失い、あるいは制限され、庶家として遇されることとなった。例えば前出の足利氏の嫡流は室町幕府を開き足利将軍家となったが、将軍家および古河公方など足利姓の家系が絶えた場合、その名跡は足利一門中の名門とされる御一家の吉良氏とその一門である今川氏にのみ与えられ、「御所が絶えれば吉良が継ぎ、吉良が絶えれば今川が継ぐ」といった血統による厳正な分別が定められ、その他の足利一門による嫡流継承権は否定されていた。特に将軍継承権を許された今川氏では嫡流にのみ今川姓を許し、天下一名字とされ、今川氏の傍流は他姓を称することとされたことを見ても、嫡庶の区別はきわめて厳格であったといえる(その代わりとして、足利一門は斯波氏、畠山氏、細川氏、一色氏、渋川氏など有力一門が室町幕府の地方長官ともいうべき管領、探題を世襲、独占し、足利一門は他の外様勢力よりもきわめて優位な地位と格式が与えられ、まさに嫡流の藩屏としての機能を果たしていたといえる)。

これと同じことは、信濃国国人領主で諏訪大社の神官でもある諏訪神党諏訪氏においても行われ、その家系が絶えた場合は傍系の有賀氏、またその家系が絶えた場合は有賀氏の傍系の花岡氏が継ぐこととされ「諏訪が絶えれば有賀が継ぎ、有賀が絶えれば花岡が継ぐ」ものとし、他の庶家とは一線を画していた。

さらに、江戸時代江戸幕府を開いた徳川氏も一門のうち、嫡流継承権を持つ者と、持たぬ者の区別が厳格になされた。徳川姓を称する資格は宗家である徳川将軍家御三家である尾張徳川家紀州徳川家水戸徳川家、のちに加わった御三卿田安徳川家一橋徳川家清水徳川家に生まれた御連枝のうち、当主の座につく嫡流に限定され、徳川家の子女のうち庶子として生まれた者およびその他の一族は松平氏を名乗るものとした。さらに、宗家および将軍職継承権については御三家、御三卿に限り、大名のうち徳川一門たる資格である親藩すなわち御家門の格式も家康直系の福井藩主越前松平家会津松平家越智松平家やその連枝などに限定し、家康以前にわかれた十八松平の流れを汲む大給松平家形原松平家滝脇松平家竹谷松平家長沢松平家能見松平家深溝松平家などは譜代大名あるいは旗本として存続した。いわば、一門として久しく嫡流と血統が遠のいた場合はその資格を次第に喪失し、いわば準一門としての格式を持つ家臣として位置づけられることになるのである。

ちなみに、今日では一門は主に武道芸道分野において用いられる概念として多用され、親族関係を表す概念としては一般的ではなくなった。親族関係についても法的には親族とは6親等以内で形成されており、かつてのような祖先を同じくする同族については必ずしも親族には含まない世情にあるといえる。

関連項目


一門

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/25 09:23 UTC 版)

仙台藩家臣」の記事における「一門」の解説

角田石川家21,380石、伊具郡角田要害石川昭光義宗-宗敬-宗弘=宗恒(岩出山伊達宗敏の六男)=弘(宗弘長男)-満-俊-文-村任-光尚=宗光(任の三男)-義光-邦亘理伊達家24,353石、亘理郡亘理要害伊達成実=宗実(初代藩主政宗の九男)-宗成-基実=実氏(岩出山伊達宗敏二男)-成-実-純=好(純の弟)=氏(純の長男)-宗賀-宗恒-邦実=邦成(岩出山伊達義監二男)-基-成勲=廉夫(大洲藩加藤泰秋の六男) 明治25年1895年北海道開拓により男爵 水沢伊達家16,135石、胆沢郡水沢要害伊達政景-宗利-宗直-宗景=任(3代藩主綱宗の二男中津山藩主へ)=景(涌谷伊達宗元二男)-利-儀-善=福(儀の二男)-宗衡-邦命=邦寧(宗衡の五男) 磐井郡清水→1604磐井郡一関→1615胆沢郡西根→1629胆沢郡塩竈 涌谷伊達家22,640石、遠田郡涌谷要害伊達定宗-宗重-宗元-村元-村定-盛=胤(盛の弟)=倫(6代藩主宗村の四男)=常(石川村俊の九男)-清-義基-邦隆-亘理胤元 登米伊達家20,000石、登米郡登米要害白石宗直-宗貞=伊達五郎吉2代藩主忠宗の四男)=宗倫(忠宗の五男)=直(綱宗の四男)=永(梁川元頼の長男)=倫(中津山藩伊達村和三男)=勝(5代藩主吉村の五男。一関藩主へ)=村良吉村八男)-幸=宗充(村良の四男。12藩主斉邦の父)-邦寧-邦教 胆沢郡塩竈→1604登米郡寺池 岩谷堂伊達家(5,015石、江刺郡岩谷要害伊達政隆-国隆=宗規(忠宗の七男)-隆=望(三沢宗直二男)-富-村将-宗隆-宗嵩=義隆(亘理伊達宗賀の子)=岩城邦規亘理伊達宗恒三男宮床伊達家(8,017石、黒川郡宮床所)伊達宗房(忠宗の八男)-房(仙台藩主へ)=興(宗房の二男)-茂-嘉=烈(川崎伊達村敏の子)-義=宗規(の子)-宗賢-邦孚-宗広 万治2年1659年新設磐井郡大原→1660黒川郡宮床→1702柴田郡前川→1722黒川郡宮床 岩出山伊達家14,643石、玉造郡岩出山要害伊達宗泰政宗の四男)-宗敏-敏親=村泰(涌谷伊達宗元の四男)-緝-通-村則-宗秩-義監-邦直-篤三郎=英(義監の娘) 川崎伊達家(2,000石、柴田郡川崎要害伊達村詮中津山藩伊達村和長男)=敏(岩出山伊達村泰二男)-煕=賢(水沢伊達村儀の子)=宗和岩出山伊達村則三男)=邦和(岩出山伊達宗秩三男)-邦賢 真坂白河家(1,043石、栗原郡真坂所)結城義親白河義綱小峰義名の子)-義実-宗広(綱乳兄弟)-親-村広=村祐(宮床伊達村興の子)-雄-宗秀-邦親 三沢家(3,000石、胆沢郡前沢所)三沢宗直(綱生母初子の弟)-為=清(中津山藩伊達村和二男)=保(岩谷伊達村望の四男)-延-宗為-邦明=邦為(亘理伊達宗恒二男延宝3年1675年昇格。1676桃生郡小野→1681胆沢郡前沢 廃絶 村田伊達家30,000石、柴田郡村田所。寛永3年1626年)無嗣断絶伊達宗高政宗の七男) 岩ヶ崎伊達家30,000石、栗原郡岩ヶ崎所。寛永4年1627年)無嗣断絶伊達宗綱政宗の五男)=宗信政宗の六男) 吉岡伊達家30,000石、黒川郡吉岡要害。寛永11年1634年)無嗣断絶) ※一家飯坂家へ伊達宗清政宗三男伊達右京家(3,000石。享保20年1735年)無嗣断絶伊達村風(吉村三男内分分知 一関伊達家一関藩30,000石)伊達宗勝政宗の十男) 1644胆沢郡相去→1658磐井郡一関→1660大名→1671改易 田村家岩沼藩30,000石→一関藩30,000石)田村宗良(忠宗の三男)-建顕=誠顕(田村顕当の子)=顕(宇和島藩伊達宗贇の四男)=隆(吉村の五男)=資(登米伊達村良の子)=宗顕(佐野藩堀田正敦二男)-邦顕=邦行(宗顕の子)-通顕=邦栄(石川義光の七男)=崇顕(石川義光の九男) 1653栗原郡岩ヶ崎→1660大名岩沼藩)→1681大名一関藩中津山伊達家中津山藩30,000石) ※子孫川崎伊達家伊達村和(綱宗の二男) 1695大名→1699改易 その他 当別伊達家伊達邦直-基理-正人 岩出山伊達家より分家明治25年1895年北海道開拓により男爵

※この「一門」の解説は、「仙台藩家臣」の解説の一部です。
「一門」を含む「仙台藩家臣」の記事については、「仙台藩家臣」の概要を参照ください。

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