かん‐しょく〔クワン‐〕【官職】
官職
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/04/02 01:02 UTC 版)
官職(かんしょく)とは、官吏の職のことをいう。具体的には以下の通りに分類される。また、官職の名称のことを官名(かんめい)という。
- 官と職。官とは職務の一般的種類のことを指し、職は担当すべき職務の具体的範囲を示す呼び方のこと。
- 国家公務員に割り当てられる役職のこと。日本では主に行政府、司法府の常勤職員及び非常勤職員に対して用いられ、立法府ではあまり用いられない。
- 官吏の担当する職務の一般的な分類である官と、その下の具体的な類別である職のこと。
- 官制上の地位のこと。
概要
上記の通り、官職とは「官」と「職」である。和漢の籍にその由来を求めれば、古代中国では官とは『説文』に曰く「吏、君に仕えるなり」といい、『周礼』に曰く「自ら臣属を置きて家を治むるを謂うなり」とある。また、職は『増韻』に曰く「執掌なり」といい、『爾雅釈詁』に「職は主なり」とあり、官と職は分けて考えられた。日本も隋唐に倣い律令制を導入する中で官職という概念が取り入れられ、『官位令義解』には「大臣以下書吏以上を官と曰う」とし『職員令義解』には「職は職司なり」と区別している。しかし、『和名抄』(倭名類聚抄)では太政大臣、左右大臣以下を職名の部に入れる一方、官省寮司職を官名の部に入れるなど必ずしも明確な区別はついていなかったともいわれている。また、中世以降、朝廷の官を職といい、幕府のを役という説もあるが、これも明確な区別とは言い難い[1]。
官職制度・システムのことを職制(しょくせい)とも呼ぶ。戦前において、小中村清矩が、天皇が定めた役職を「官職」、幕府など臣下がみだりに定めた役職を「職制」と呼んで、大義名分に基づいて峻別したと唱えたが、戦後に瀧川政次郎らから批判された。
古来より今日まで官職に任ぜられることを任官という。官職から退くことは古くは辞官ともいい、今日では退官というが、法律上は退職に改められており、憲法に退官と定める裁判官などは別として退職というのが一般的である。また、官職を罷免されることを免官ともいう。なお、特に封建社会において見られた傾向として、官職を欲し贈収賄が行われることを売官、猟官ともいった。
今日でも国家公務員の職を官職というのが常であり、例えば非常勤の国家公務員を採用する際、任命される職名及び処遇を採用予定官職として掲示することが多い。
また、国立大学法人化した国立大学の幹部職員については、人事権を持つ文部科学省により、本省または民間人を配することから、移動官職ともいわれている[2]。
脚注
参考文献
- 天野郁夫著「第5章 国立大学の現実と課題」『「国立大学法人化後の財務・経営に関する研究」』(独立行政法人国立大学・財務経営センター、2007年)
- 和田英松著、所功校訂『新訂 官職要解』(講談社、1983年)ISBN 4061586211
関連項目
- 日本の官制(律令制下における日本の官職)
- 官位
- 官職の唐風改称
- 売官 / 年官
- 任官 / 退官
- 国家公務員 / 官僚 / 公職
- 親任官 / 勅任官 / 奏任官 / 判任官
- 高等官
- 官僚制
- 猟官制
- 武家官位 / 官途状 / 百官名 / 東百官
- 官職秘抄
- 文官
- 技官
外部リンク
官職
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/29 19:33 UTC 版)
他種族や他国の首領にあたるのは大俟斤 (Ulugh irkin) といい、身分としては匐 (bāg) などがあり、官職としては以下などがあった。 葉護(ヤブグ:Yabγu)…最高位の爵位、近親者のみが与えられた、実権は無し。 設(シャド:Šad)…非回紇諸部の兵権を司る官職、東部の突利失 (Tölis) 設と西部の達頭 (Tarduš) 設が置かれた。 特勤(テギン:Tägin)…突厥語で奴隷の意、転じて可汗の子弟。実権の無い爵位、設と同程度の地位。 都督(トゥトゥク:tutuq)…主要部族の部族長。 大相…筆頭宰相 宰相…十回紇の貴族から選ばれる内宰相3名と外宰相6名からなり、使節や可汗庭に於いて兵を監督する官職。 将軍(センギュン:sängün)…実権の無い爵位。 達干(タルカン:Tarqan)…十回紇の貴族から選ばれ、兵馬の監督や唐への使節を担う官職。突厥でいう匐(ベグ:bāg)。 監使…可汗の親族か十回紇の貴族から選ばれ、征服された他部族や他国からの徴税、労役の割当を担当する官職。突厥でいう吐屯。 梅録(ブイルク:buïruq)…近衛兵や伝令を務める官職。 啜(チュル:Čur)…可汗の一族から選ばれ、軍事全般を担う官職。 俟斤(イルキン:Irkin)・俟利発(イルテベル:Iltäbär)…征服した民族の部族長。 阿波(アパ:apa)
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「官職」の例文・使い方・用例・文例
- (官職を持たない)市民.
- 官職に就く
- 官職を辞す
- 官職を新設する
- 官職を奪う
- 官職を褫奪する
- 官職に付随する特権
- 官職にはおのおのその職能がある
- 公人が官職を利用して私腹を肥やす
- 教会の官職または昇進における不正取引
- 投票で官職または会員を選択する
- 王位(あるいは他の身分の高い官職)を示す装具
- 候補者リストには載っていないが、官職に未だ就いている選任された役人
- 官職に任命されたものを指す侮蔑的な言葉
- 密接に関係がある2つの官職のうち、劣るほうに指名された人
- 農務省の長官職にある人
- 商務省の長官職にある人
- 国防総省の長官職にある人
- 教育省の長官職にある人
- エネルギー省の長官職にある人
官職と同じ種類の言葉
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