わい‐せつ【×猥×褻】
わいせつ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/03/19 04:18 UTC 版)
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わいせつ(猥褻)とは、
- 下品で不道徳であること。
- 性に関する事を健全な社会風俗に反する方法・態度で取り扱うこと 。
- 性欲を刺激、興奮または満足させ、かつ、普通人の性的羞恥心を害し、善良な性的道義観念に反する行為のこと。
- 日本の刑法において、社会通念に照らして性的に逸脱した状態のこと。一般的には淫ら(みだら)、その行為を淫行(いんこう)とも呼ばれる(刑法上では「みだら」と呼ばず、各地の青少年保護育成条例で呼ばれる)。
本稿では後者について詳述する。
概説
日本では犯罪類型として、刑法第2編第22章の「わいせつ、強制性交等及び重婚の罪」(刑法174条~刑法184条)において規定されている。
これらは、保護法益の観点から、公然わいせつ罪(刑法174条)・わいせつ物頒布等の罪(刑法175条)などについては公衆の性的感情に対する罪(社会的法益に対する罪)に分類されるのに対して、不同意わいせつ罪(刑法176条)・不同意性交等罪(刑法177条)などについては個人の性的自由・性的自己決定権に対する罪(個人的法益に対する罪)に分類される[1][2]。
両者はわいせつの概念が異なっており、例えば、相手に同意を得ずにキスをする行為は刑法176条にいう「わいせつな行為」として不同意わいせつ罪を構成しうるが、夫婦が公衆の面前においてキスをする行為は刑法174条にいう「わいせつな行為」として公然わいせつ罪を構成するわけではない[1]。
刑法においてわいせつな行為とわいせつ物(行為の模倣)とが厳しく区別されずに扱われていることに対する批判もある(丸谷才一編『四畳半襖の下張裁判・全記録』朝日新聞社、1976年)。
刑法において、従来は「猥褻」と表記されていたが、1995年(平成7年)の刑法の口語化改正により「わいせつ」と表記が改められた[3]。
脚注
参考文献
- 林幹人『刑法各論』(第2版)東京大学出版会、2007年10月1日。ISBN 9784130323420。
- 亀山継夫、河村博 著「第174条(公然わいせつ)」、大塚, 仁、河上, 和雄; 中山, 善房 ほか 編『大コンメンタール刑法』 第9巻(第174条~第192条)(第3版)、青林書院、2013年6月30日、3-5頁。ISBN 9784417015994。
- 西田典之『刑法各論』橋爪隆補訂、弘文堂〈法律学講座双書〉、2018年3月30日。ISBN 9784335304798。
関連項目
わいせつ
出典:『Wiktionary』 (2021/07/31 13:59 UTC 版)
名詞・形容動詞
猥 褻(わいせつ)
類義語
翻訳
- カタルーニャ語: obscenitat (ca) 女性
- チェコ語: oplzlost (cs) 女性
- ドイツ語: Obszönität (de) 女性
- 英語: obscenity (en), licentiousness (en)
- スペイン語: obscenidad (es) 女性, licenciosidad (es)
- フランス語: obscénité (fr) 女性, licenciosité (fr), licence (fr) 女性
- アイルランド語: ainriantacht (ga) 女性, díolúnas (ga) 男性, drabhlás (ga) 男性
- ガリシア語: obscenidade (gl) 女性
- スコットランド・ゲール語: draosdachd (gd) 女性, drabasdachd (gd) 女性
- ヘブライ語: פְּרִיצוּת (he) (pritzút), הוֹלֵלוּת (he) (holelút) 女性
- ヒンディー語: अश्लीलता (hi) (aślīlatā) 女性
- イタリア語: oscenità (it) 女性, turpiloquio (it) 男性, licenziosità (it)
- ラテン語: licentiositas (la)
- マルタ語: oxxenità (mt) 女性
- オランダ語: wulpsheid (nl), wellustigheid (nl)
- ポーランド語: obsceniczność (pl) 女性
- ポルトガル語: obscenidade (pt) 女性
- ロシア語: непристо́йность (ru) 女性, (colloquial) поха́бщина (ru) 女性
- スロヴァキア語: oplzlosť (sk) 女性
- スウェーデン語: obscenitet (sv) 通性
- テルグ語: బూతు (te)
- カタルーニャ語: obscè (ca)
- チェコ語: sprostý (cs)
- デンマーク語: hæmningsløs (da), utøjlet (da), tøjlesløs (da)
- ドイツ語: unanständig (de), obszön (de), hemmungslos (de), liederlich (de), zügellos (de), ausschweifend (de)
- ギリシア語: αισχρός (el) 男性, αισχρή (el) 女性, αισχρό (el) 中性, ακόλαστος (el)
- 英語: obscene (en), licentious (en)
- スペイン語: obsceno (es)
- フィンランド語: säädytön (fi), siveetön (fi), rivo (fi), rietas (fi), estoton (fi), epäsiveellinen (fi), räävitön (fi), hillitön (fi)
- フランス語: obscène (fr), voluptueux (fr), leste (fr), ainrianta (ga), drabhlásach (ga)
- アイルランド語: gáirsiúil (ga), graosta (ga)
- ヘブライ語: הוֹלֵל (he) (holél) 男性
- インドネシア語: asusila (id), cabul (id), kasar (id)
- イタリア語: osceno (it), laido (it), disdicevole (it), immorale (it), indecente (it), sconcio (it)
- マケドニア語: непристоен (mk) (neprístoen) 男性, срамотен (mk) (srámoten) 男性, безобразен (mk) (bezóbrazen) 男性
- オランダ語: wellustig (nl), wulps (nl), licentieus (nl)
- ポーランド語: nieprzyzwoity (pl), sprośny (pl), obsceniczny (pl)
- ポルトガル語: obsceno (pt)
- ルーマニア語: obscen (ro) 男性
- ロシア語: безнра́вственный (ru), распу́щенный (ru), развра́тный (ru), непристо́йный (ru), неприли́чный (ru), по́шлый (ru)
- セルビア・クロアチア語: непристојан (sh)/nepristojan (sh), preslobodan (sh) 男性, raspušten (sh)
「わいせつ」の例文・使い方・用例・文例
- わいせつな写真
- わいせつな電話
- 本からわいせつ箇所を削除する
- 人前でみだらでわいせつな方法で振る舞う
- そして、それは公然わいせつ罪です。
- その男は公然わいせつ罪で逮捕される。
- わいせつ文学.
- わいせつな手紙を匿名で書く.
- みだらでわいせつな方法で
- わいせつまたは不道徳であると認識されたための検閲
- わいせつな冗談
- わいせつなものや、いかがわしいものを扱うさま
- わいせつな態度で
- (人または振る舞いについて使用され)不道徳かあるいはわいせつな
- いくつかの短い(しばしは4字から成る)英単語で、一般にわいせつまたは不快と見なされるものの総称
- 口汚いまたはわいせつな暴言
- みだらな、あるいはわいせつな話、または文書
- わいせつなことに心を奪われること(特に排泄物や排せつ機能に関係するもの)
- 出版物や文書を読んだり、演劇を見たりして、全体的、または部分的にわいせつな内容、または政治的に受け入れられない内容を差し止める権威のある人物
わいせつと同じ種類の言葉
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