ジェンダー
ジェンダー(gender)とは、社会的・文化的な役割としての「男女の性」を意味する語である。人間社会における心理的・文化的な性別、社会的な役割としての男女のあり方、「男らしさ」とか「女はこうあるべき」といった通念を意味する語。しばしば、身体的特徴としての性別(=sex)と対比される。
ジェンダーの語源
ジェンダーという言葉は英語の「gender」をカタカナ表記した外来語である。西欧言語は、名詞に「性」の要素が付随する文法構造を持つ場合が多い。たとえばドイツ語には男性名詞・女性名詞・中性名詞の3区分がある。この文法上の「性」が gender である。
ジェンダーの主な使い所
日本語の中では、「ジェンダー」という言葉は「社会的な男女の格差(を是正するための取り組み)」や、いわゆるLGBT(性的マイノリティ)に関する話題で言及される場合が多い。LGBTの「T」は Transgender(トランスジェンダー)の頭文字である。トランスジェンダーは、「精神的な自己の性認識(=性自認)」と「身体的な性別」との間に齟齬や違和感を抱えている人のことである。
ジェンダーの用例
ジェンダーの関連表現
ジェンダーバイアス
相手の性別に基づき、ある種の先入観を抱いてしまうことを「ジェンダーバイアス」という。ジェンダーフリー
男女の性にもとづく社会的な区別や役割分担に囚われることなく、男女平等に(あくまでも個々人として)社会的に位置づけられることを「ジェンダーフリー」という。ジェンダーレス
性差(男女の区別)を取り払うことを「ジェンダーレス」という場合がある。たとえばファッションの分野では「男性らしい服装」に拘らず「女性らしい装い」も積極的に取り入れるような男性を「ジェンダーレス男子」と呼んだりする。ジェンダー【gender】
ジェンダー(gender)
ジェンダー
【概要】 生物学的な"性"とは異なり、役割としての"性"。生物学的な性をセックス(sex)とするのに対し、社会・文化・心理的な性、つまり「性的役割」のことをジェンダー(gender)と呼ぶ。

ジェンダー
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/11/06 07:21 UTC 版)
ジェンダーは多義的な概念であり、性別に関する社会的規範と性差を指す[1]。性差とは、個人を性別カテゴリーによって分類し、統計的に集団として見た結果、集団間に認知された差異をいう[2][3]。ジェンダーの定義と用法は年代によって変化する[4][5]。ジェンダーという概念は、性別に関して抑圧的な社会的事実を明らかにするとともに、ジェンダーをめぐる社会的相互作用をその概念自身を用いて分析するものである[6][7]。
- ^ 『現代社会学事典』大澤真幸[ほか]/2012/弘文堂/P499
- ^ 『現代社会学事典』大澤真幸[ほか]/2012/弘文堂/P500
- ^ 『社会学事典』日本社会学会社会学事典刊行委員会/丸善/2010/P409
- ^ 『現代社会学事典』大澤真幸[ほか]/2012/弘文堂
- ^ 『社会学事典』日本社会学会社会学事典刊行委員会/丸善/2010
- ^ 『現代社会学事典』大澤真幸[ほか]/2012/弘文堂
- ^ 『社会学事典』日本社会学会社会学事典刊行委員会/丸善/2010
- ^ 日本社会学会・社会学事典刊行委員会 『社会学事典』 丸善、2010年(2010年7月30日第2刷発行)、408頁。
- ^ 中村美亜 「新しいジェンダー・アイデンティティ理論の構築に向けて—生物・医学とジェンダー学の課題」『ジェンダー&セクシュアリティ』 国際基督教大学ジェンダー研究センタージャーナル、2006年12月31日。
- ^ 山内俊雄 「性同一性障害とは—歴史と概要」『Modern Physician 25-4 性同一性障害の診かたと治療』 新興医学出版社、2005年(2005年4月15日発行)、367–368頁。
- ^ 日本社会学会・社会学事典刊行委員会 『社会学事典』 丸善、2010年(2010年7月30日第2刷発行)、408頁。
- ^ 「ジェンダー」という言葉について
- ^ 「ジェンダー概念の検討」舘かおる『ジェンダー研究』第1号/お茶の水女子大学ジェンダー研究センター/1998/P81
- ^ 「ジェンダー概念の検討」舘かおる『ジェンダー研究』第1号/お茶の水女子大学ジェンダー研究センター/1998/P83
- ^ 「ジェンダー概念の検討」舘かおる『ジェンダー研究』第1号/お茶の水女子大学ジェンダー研究センター/1998/P84
- ^ 「ジェンダー概念の検討」舘かおる『ジェンダー研究』第1号/お茶の水女子大学ジェンダー研究センター/1998/P84
- ^ Schiebinger, Londa (2001). Has Feminism Changed Science?. 25 (2nd ed.). Cambridge, Mass.: Harvard University Press. 1171–5. doi:10.1086/495540. ISBN 978-0-674-00544-0. PMID 17089478
- ^ a b c Sheffield, Suzanne Le-May (2006). Women and Science: Social Impact and Interaction. New Brunswick, NJ: Rutgers University Press. pp. 129–134. ISBN 978-0-8135-3737-5
- ^ Eisenhart, Margaret A.; Finkel, Elizabeth (1998). Women's Science: Learning and Succeeding from the Margins. 84. Chicago: University of Chicago Press. 34–36. Bibcode: 2000SciEd..84..793A. doi:10.1002/1098-237X(200011)84:6<793::AID-SCE6>3.0.CO;2-K. ISBN 978-0-226-19544-5
- ^ “Sustainable Development Goal 5: Gender equality” (英語). UN Women. 2020年9月23日閲覧。
- ^ カイコ幼虫の斑紋による雌雄性の判別
- ^ 『戦争とジェンダー―戦争を起こす男性同盟と平和を創るジェンダー理論』 若桑みどり著
- ^ “「持続可能な開発のための2030アジェンダ」を採択する国連サミット”. 外務省. 2016年11月30日閲覧。
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