ジェンソン・ブルックスビーとは? わかりやすく解説

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ジェンソン・ブルックスビー

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/08/14 06:16 UTC 版)

ジェンソン・ブルックスビー
Jenson Brooksby
2021年全仏オープンでのジェンソン・ブルックスビー
基本情報
愛称 J.T.
国籍 アメリカ合衆国
出身地 カリフォルニア州サクラメント
生年月日 (2000-10-26) 2000年10月26日(24歳)
身長 193cm
体重 83kg
利き手
バックハンド 両手打ち
ツアー経歴
デビュー年 2021年
ツアー通算 1勝
シングルス 1勝
ダブルス 0勝
生涯獲得賞金 2,335,699 アメリカ合衆国ドル
4大大会最高成績・シングルス
全豪 3回戦(2023)
全仏 2回戦(2025)
ウィンブルドン 3回戦(2022)
全米 4回戦(2021)
4大大会最高成績・ダブルス
全仏 1回戦(2025)
ウィンブルドン 1回戦(2025)
4大大会最高成績・混合ダブルス
全米 1回戦(2019)
キャリア自己最高ランキング
シングルス 33位(2022年6月13日)
ダブルス 1403位(2019年11月18日)
2025年8月14日現在

ジェンソン・タイラー・ブルックスビーJenson Tyler Brooksby, 英語発音: /ˈʤɛnsən ˈtaɪlər ˈbrʊksˌbi/[1]; 2000年10月26日 - )は、アメリカ合衆国出身の男子プロテニス選手。ATPランキング自己最高位はシングルス33位。ダブルス1403位。ATPツアーでシングルス1勝を挙げている。身長193cm、体重83kg。右利き、バックハンドは両手打ち。愛称はJ.T.。7歳からJoseph Gilbertがコーチを務めている。

選手経歴

2018年 グランドスラム初出場

2018年全米オープンでのジェンソン・ブルックズビー

2018年のUSTAのアンダー18の全国大会でブランドン・ナカシマ下して優勝し、ワイルドカードとして全米オープンの出場権を獲得[2]。同大会では1回戦でジョン・ミルマンに初戦敗退となった[3]。年間最終ランキングは978位。

2019年 グランドスラム初勝利

全米オープン予選で内田海智杉田祐一ペドロ・マルティネスらを下して2年連続本戦入り。1回戦でトマーシュ・ベルディヒ (当時世界ランキング98位)を破り、グランドスラム初勝利を挙げた。2回戦でニコロズ・バシラシビリにストレートで敗れた。このバシラシビリとの試合で右腕を負傷。更に2019年12月に足の付け根を痛め、2020年シーズンは全休となった[4]。2019年9月にベイラー大学に進学した[5]が、2020年12月に大学を中退[6]。年間最終ランキングは269位。

2021年 トップ100入り

2021年2月に下部ツアーで復帰すると、同月行われたポチェフストルーム・オープン英語版ガバシビリを下しチャレンジャー初優勝を挙げる。更に3月のクリーブランド・チャレンジャー英語版で準優勝、4月のオーランド英語版タラハシー英語版のチャレンジャー大会でも優勝を挙げる。

5月の全仏オープンの予選で、シュテーベ英語版ヒュースラー英語版フルネス英語版らを下し本戦進出。1回戦で第24シードのカラツェフにストレートで敗れた。

7月のテニス殿堂選手権で、ドンスコイ英語版クドラゴヨフチクトンプソンらを下してATPツアーで初めて決勝に進出。決勝ではケビン・アンダーソンと対戦し、0-2で敗れ準優勝となった。

8月のワシントン・オープンの準決勝でシナーに敗れベスト4となったが、この大会でATPシングルスランキング99位となり、トップ100入りを果たす。翌週のロジャーズ・カップマスターズデビューを果たすが、1回戦でバシラシビリに1-2で敗れた。

9月の全米オープンでは、1回戦のマイケル・イマーを3-1、2回戦のフリッツも3-1で下す。3回戦で第21シードのカラツェフと対戦。フルセット・3時間50分に及ぶ試合の末、ブルックスビーが勝利を挙げた。続く4回戦で当時ランキング1位のジョコビッチと対戦。1セット目を先取するが、2セット目以降はジョコビッチがセットを取り敗れた。

10月のインディアンウェルズの1回戦でイルケル英語版を下しマスターズ初勝利。2回戦で第3シードのズベレフと対戦し1-2で敗れた。同月のアントウェルペンで予選を突破すると、オペルカファン・デ・ザンツフープダビドビッチ・フォキナらを下し、準決勝でシュワルツマンに敗れベスト4。

11月のパリ・マスターズでは予選を突破するも、腹部のケガで本戦を棄権し、シーズンを終えた[7]

ATPシングルスランキングは、年始の310位から、年末は56位まで順位を上げた。この功績から、ATPはブルックスビーを2021年ニューカマー・オブ・ザ・イヤーの一人に選出した[8]。年間最終ランキングは56位。

2022年 トップ50入り

1月、全豪オープンに出場予定であったが、COVID-19の陽性反応が検出されオーストラリアに入国出来なくなったため、大会を欠場した[9]

2月、ダラス・オープンではアンドレアス・セッピジョーダン・トンプソン、マルコス・ギロンらを下し、2回目のATPツアー決勝進出。決勝でライリー・オペルカに敗れ、準優勝となった[10]。大会後に世界ランキング45位を更新して、トップ50入りを果たした。同月のアカプルコでは1回戦で第2シードのアレクサンダー・ズベレフに初戦敗退。

3月のインディアンウェルズではカルバリェス・バエナカレン・ハチャノフらを下すと、3回戦で第5シードのステファノス・チチパスと対戦。1セット目はチチパスが取るも、2、3セット目を取り返し、トップ10相手に初勝利を挙げる[11]。続く4回戦では第12シードのキャメロン・ノーリーに敗れ、ベスト16となった。年間最終ランキングは48位。

2023-2024年 出場停止処分

2023年1月、全豪オープンでは1回戦でクリストファー・オコネル英語版を3-6, 6-2, 6-3, 6-3の逆転で破り、初戦突破。2回戦では当時世界ランキング3位かつ第2シードのキャスパー・ルードに6-3, 7-5, 6-7(4), 6-2で破り、グランドスラム初の3回戦進出。同時にトップ3選手からの初勝利となった[12]。3回戦では同胞のトミー・ポール (テニス) に1-6, 4-6, 3-6のストレートで敗退。同年3月、手首の手術のため数ヶ月休養を取ることとなった。さらに7月にはドーピング検査で禁止薬物に陽性反応を示したことで2025年1月まで出場停止処分を受けた。

2024年2月にはスポーツ仲裁裁判所に異議を申し立てて、13ヶ月間に大幅に短縮され、2024年3月3日に競技復帰資格を得た[13]

2025年 ツアー初優勝

約2年ぶりにツアー復帰を果たし、1月の全豪オープンにはプロテクト・ランキングを活用して本戦から出場。1回戦では同胞の第4シードのテイラー・フリッツに2-6, 0-6, 3-6のストレートで初戦敗退となった。4月の全米男子クレーコート選手権では予選にワイルドカード(主催者推薦枠)で出場すると、世界ランキング507位から予選2試合を勝ち抜き本戦入り。準決勝で第1シードのトミー・ポール (テニス) を7-6(5), 3-6, 7-6(6)激闘の末にフルセットで破り、決勝進出を果たすとともに、1990年にATPツアーが創設されて以降、世界ランキング500位外からツアー大会決勝進出を果たした史上6人目の選手となった[14]。決勝では第2シードのフランシス・ティアフォーを6-4, 6-2のストレートで破り、ツアー初タイトルを獲得した。大会後の4月7日付の世界ランキング更新で172位に浮上し、トップ200復帰をした[15]

人物

出典: [4][16]

  • 名前の「ジェンソン」は父親がF-1のファンで、ジェンソン・バトンから名付けられた。
  • 4歳のころからテニスを始めた。両親がジェンソンを学校に連れて行くのを待っている間、ガレージのドアにおもちゃのボールで壁打ちをしていたという。12歳からテニスに専念し、プロを目指すようになった。
  • チームスポーツよりも、勝敗が自身の力のみで決定される個人スポーツを好む。
  • 好きなテニス選手はラファエル・ナダル
  • 9歳からピアノを習っており、クラシック音楽を演奏することでリラックスできるという。現在も時折レッスンを受ける。また、ロック音楽も好んで聴く。
  • バックハンドのスライスも両手で打つ特徴的な打ち方をする。

ATPツアー決勝進出結果

シングルス: 0勝2敗

大会カテゴリ
グランドスラム (0–0)
ATPファイナルズ (0–0)
ATPツアー・マスターズ1000 (0–0)
ATPツアー500 (0–0)
ATPツアー250 (0–2)
サーフェス別
ハード (0–2)
クレー (0–0)
グラス (0–0)
結果 No. 決勝日 大会 サーフェス 対戦相手 スコア
準優勝 1. 2021年7月 ニューポート ハード ケビン・アンダーソン 6–7(8–10), 4–6
準優勝 2. 2022年2月 ダラス ハード ライリー・オペルカ 6–7(5–7), 6-7(3-7)

成績

略語の説明
 W   F  SF QF #R RR Q# LQ  A  Z# PO  G   S   B  NMS  P  NH

W=優勝, F=準優勝, SF=ベスト4, QF=ベスト8, #R=#回戦敗退, RR=ラウンドロビン敗退, Q#=予選#回戦敗退, LQ=予選敗退, A=大会不参加, Z#=デビスカップ/BJKカップ地域ゾーン, PO=デビスカップ/BJKカッププレーオフ, G=オリンピック金メダル, S=オリンピック銀メダル, B=オリンピック銅メダル, NMS=マスターズシリーズから降格, P=開催延期, NH=開催なし.

シングルス

グランドスラム

大会 2018 2019 2020 2021 2022 通算成績
全豪オープン A A A A A 0–0
全仏オープン A A A 1R 0–1
ウィンブルドン A A NH A 0–0
全米オープン 1R 2R A 4R 4-3
年別 0–1 1-1 0-0 3-2 0-0 4-4

大会最高成績

大会 成績
ATPファイナルズ A 出場なし
インディアンウェルズ 4R 2022
マイアミ 4R 2022
モンテカルロ A 出場なし
マドリード 1R 2022
ローマ 3R 2022
カナダ 2R 2022
シンシナティ 3R 2025
上海 A 出場なし
パリ 1R[17] 2021
オリンピック A 出場なし
デビスカップ A 出場なし

ATPチャレンジャー・ITFワールドテニスツアー決勝

シングルス: 6勝1敗

大会グレード別
ATPチャレンジャーツアー (3勝1敗)
ITFワールドテニスツアー (3勝0敗)
サーフェス別
ハード (5勝1敗)
クレー (1勝0敗)
グラス (0勝0敗)
結果 勝-敗 日時 大会 サーフェス 対戦相手 スコア
優勝 1–0 2019年3月 M25 ベーカーズフィールド ハード アレクサンダー・ブキッチ英語版 6–3, 6–1
優勝 2–0 2019年7月 M25 シャンペーン ハード Oliver Crawford 6–2, 6–1
優勝 3–0 2019年7月 M25 ディケーター ハード サンティアゴ・ロドリゲス・タベルナ英語版 6–1, 6–4
優勝 4–0 2021年2月 ポチェフストルーム ハード テイムラズ・ガバシビリ 2–6, 6–3, 6–0
準優勝 4–1 2021年3月 クリーブランド ハード (屋内) ビオーン・フラタンジェロ英語版 5–7, 4–6
優勝 5–1 2021年4月 オーランド ハード デニス・クドラ 6–3, 6–3
優勝 6–1 2021年4月 タラハシー クレー ビオーン・フラタンジェロ 6–3, 4–6, 6–3

脚注

  1. ^ 英語のIPA発音記号変換(アメリカ英語)”. tophonetics.com. 2022年3月16日閲覧。
  2. ^ OSUIGWE, BROOKSBY WIN USTA JUNIOR NATIONAL TITLES”. USTA (2018年8月13日). 2018年8月14日閲覧。
  3. ^ It was a hot day at the U.S. Open. Here's how Carmichael teen Jenson Brooksby fared”. The Sacramento Bee (2018年8月28日). 2021年7月16日閲覧。
  4. ^ a b Matt Fitzgerald (2021年7月18日). “THE TENNIS CONVERSATION: JENSON BROOKSBY, A PIANO MAN AND NADAL FAN”. tennis.com. 2022年3月16日閲覧。
  5. ^ Men's Tennis Signs Brooksby to National Letter of Intent”. baylorbears.com (2018年12月12日). 2019年2月21日閲覧。
  6. ^ MT’s Brooksby To Turn Pro”. BaylorBears.com (2020年12月8日). 2022年3月16日閲覧。
  7. ^ a b Lucky Loser Koepfer Saves 7 MPs, Stuns Murray In Paris”. ATP Tour. 2022年3月16日閲覧。
  8. ^ Andrew Eichenholz (2021年12月3日). “Five #NextGenATP Stars Nominated For Newcomer Of The Year In 2021 Awards”. ATPtour.com. 2022年3月16日閲覧。
  9. ^ https://www.reuters.com/lifestyle/sports/american-brooksby-out-australian-open-due-covid-19-2022-01-10/”. ロイター通信 (2021年1月10日). 2022年3月16日閲覧。
  10. ^ Opelka Stands Tall, Sinks Brooksby For Dallas Title”. ATP Tour. 2022年3月16日閲覧。
  11. ^ Brooksby Runs Down Tsitsipas To Reach Fourth Round”. ATP Tour. 2022年3月16日閲覧。
  12. ^ 「3位ルードを撃破「刺激的」”. tennis365.net (2023年1月19日). 2023年1月19日閲覧。
  13. ^ 「処分軽減 アメリカ期待の若手が来月復帰へ」”. tennis365.net (2024年2月16日). 2024年2月16日閲覧。
  14. ^ 「史上6人目 500位外から決勝へ」”. tennis365.net (2025年4月6日). 2025年4月6日閲覧。
  15. ^ 「世界507位、予選からツアー初V」”. tennis365.net (2025年4月7日). 2025年4月7日閲覧。
  16. ^ Andrew Eichenholz (2021年7月18日). “Playing Brooksby? Get Ready For A Battle...”. ATPtour.com. 2022年3月16日閲覧。
  17. ^ 予選を突破したが、腹部の負傷で本戦を欠場したため、大会の総数には数えられない。[7]

外部リンク

受賞
先代
カルロス・アルカラス
ATP年間最優秀新人賞
2021
次代
ホルガ・ルーネ



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