性同一性
性同一性(性自認)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/20 08:43 UTC 版)
詳細は「性同一性(性自認)」を参照。 性同一性(gender identity)は、性自認、ジェンダー・アイデンティティなどとも呼ばれ、自身のジェンダー(性別)をどのように認識しているかを指す。出生時に身体的特徴から割り当てられた性別が性同一性と一致するシスジェンダーの人と、一致しないトランスジェンダーの人がいる。UCLAのウィリアムズ研究所の研究では、アメリカ合衆国の成人の0.9%がトランスジェンダーであると自認している。 トランスジェンダーの人は戸籍や対外的な性別と自身の性同一性の不一致により生じる性別違和(Gender Dysphoria, GD)を解消するために、社会的な性別移行(使用する名前の変更、服装などの性表現の変更)や医学的な方法を用いた身体的な性別移行を行うことがある:745。以前は国際的に性同一性障害(Gender Identity Disorder, GID)との名称で精神疾患として扱われていたが、WHOのICD-11やアメリカ精神医学会のDSM-5において性別違和の脱病理化が行われ、疾患ではなく「性別違和」や「性別不合」という状態を指す呼称に変更された。 人の性自認(ジェンダーアイデンティティ)は連続体でありグラデーションである。そのため、Xジェンダーをはじめとした様々なアイデンティティが存在する。 現代の日本では主に出生時に外性器の外観で医師によって性別を判定されて、出生届を介して戸籍に登録される。物心付く頃から出生時に割り当てられた性別に違和感を感じ、「自分の性が反対のものであったら良かったのに」と思ったり、「自分の本来の性は反対のものである」と確信していたりする人がいる。しかし出生時のに割り当てられた性別と違う性別で生活することには偏見や障害も多い。 性自認と性指向は独立したものとして明瞭に区別されて考えられるが、誤った認識により混同されているケースも依然として散見される。トランスジェンダー女性の場合、性指向としては男性を好きになるのであろうと他者から思われる場合もあるが、シスジェンダーの人と同様、女性を恋愛対象とする同性愛者もいる。もちろん、男性が恋愛対象であるトランスジェンダー男性もいる。 ことばの上でも「ゲイ」は本来同性愛とりわけ男性同性愛者を意味するのに、日本で「ゲイボーイ」というと酒場で女装して給仕をする人のことを指すのが普通であった。また「おかま」という言葉(この言葉は本来は女装男娼を意味し侮辱的である)も女装者の意味で使用したり男性の同性間性交の意味で使用したりして、やはり言葉の混乱が生じている。 @media screen{.mw-parser-output .fix-domain{border-bottom:dashed 1px}}そもそも出生的な性、性指向、性自認は「連動しやすい」ものではあるが「完全に連動する」ものではないのである。条件を「性指向は男女どちらか一方、または男女両方を持つ」「性嗜好を考慮に入れない」とすれば下記の12種類のパターンが存在すると考えられる。[要出典] 性自認・性的指向の12パターン出生の性性自認性的指向概要男 男 男が好き 男性同性愛者:シスジェンダー男性かつゲイ 男 男 女が好き 男性異性愛者:シスジェンダー男性かつヘテロセクシュアル 男 男 男女両方が好き 男性両性愛者:シスジェンダー男性かつバイセクシュアル 男 女 男が好き 同性愛性転換者:トランスジェンダー(MtF)かつ女性ヘテロセクシュアル 男 女 女が好き 非同性愛性転換者:トランスジェンダー(MtF)かつオートガイネフィリア 男 女 男女両方が好き 両性愛性転換者:トランスジェンダー(MtF)かつ女性バイセクシュアル 女 男 男が好き 非同性愛性転換者:トランスジェンダー(FtM)かつゲイ 女 男 女が好き 同性愛性転換者:トランスジェンダー(FtM)かつ男性ヘテロセクシュアル 女 男 男女両方が好き 両性愛性転換者:トランスジェンダー(FtM)かつ男性バイセクシュアル 女 女 男が好き 女性異性愛者:シスジェンダー女性かつヘテロセクシュアル 女 女 女が好き 女性同性愛者:シスジェンダー女性かつレズビアン 女 女 男女両方が好き 女性両性愛者:シスジェンダー女性かつバイセクシュアル これはほんの一部であり、全てではない。それほど様々な性自認、性的指向が存在する。 なお、性指向は出生時に割り当てられた性別ではなく性自認から判断する。
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性同一性
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/09/08 03:07 UTC 版)
性同一性(英:Gender identity、日本語では「性自認」とも)は性的自己同一性であり、性別としての自己同一性である。 主体における典型的な生物的性別は、男性と女性であり、それ以外に染色体異常を主因とする、様々な生物的には不全性のある間性が存在する。社会的・文化的な性別であるジェンダーも、男性と女性に大きく二分されるが、主体の心理的な自己認知においては、もっと多様な性同一性が存在する可能性がある。「間性」、「中性」、「無性」、「両性」などの他に、「超性」なども想定される。 性的指向の場合、主体と対象の性別における同性か異性か、両性か、またはいずれでもないという形に分類されるが、純粋に対象(性や性愛の相手)の性別を考慮すれば、生物的なレベルでも、性対象の性別について、男性、女性の区別が存在し得る。主体の性別に関係せず、性対象の性別に基づく、男性愛、女性愛の概念が想定可能である。更に、相手のジェンダーをも考慮に入れると、人間相互の性的関係・性的親交は、もっと複雑なパターンが存在することになる。 また、性同一性(心の性)と身体的性別(身体の性、解剖学的性別)が不一致の状態にあることを、「性同一性障害(GID)」または「性別違和(GD)」、「トランスジェンダー(英:Transgender)」などと呼ばれる。
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