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しゃ‐ぞう〔‐ザウ〕【写像】

読み方:しゃぞう

対象物あるがままに写して描き出すこと。

人生精確なる—ということを」〈抱月・文芸上の自然主義

物体から出た光線が鏡やレンズなどによって反射または屈折されたのち、集合して再びつくられる像。

数学で、二つ集合ABがあって、A各要素aB一つ要素b対応させる規則fAからBへの写像といい、fabと書く。


写像

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/02/16 13:37 UTC 版)

写像(しゃぞう、: mapping, map)は、二つの集合が与えられたときに、一方の集合の各に対し、他方の集合のただひとつの元を指定して結びつける対応のことである。関数変換作用素などが写像の同義語として用いられる[1][2]こともある。

ブルバキに見られるように、写像は集合とともに現代数学の基礎となる道具の一つである。現代的な立場では、「写像」と(一価の)「関数」は論理的におなじ概念を表すものと理解されているが、歴史的には「関数」の語は解析学に出自を持つものであり、一部には必ずしも写像でないものも関数の名の下におなじ範疇に扱われる(多価関数参照)。文献によっては「数の集合(大抵の場合実数R または複素数C の部分集合)を終域に持つ写像」をして特に「関数」と呼び、「写像」はより一般の場合に用いる[3][4]関数二項関係対応の各項も参照のこと。

定義

素朴な説明

集合 A の各元に対してそれぞれ集合 B の元をただひとつずつ指定するような規則 f が与えられているとき、f を「定義域(あるいは始域A から終域 B への写像」といい

全射であり単射でない。
単射であり全射でない。
全単射。

全射・単射・全単射

右全域性「f: AB について ran(f) = B」が成り立つとき(つまり値域と終域が一致するとき)、fA から B への全射という。

左一意性「A の任意の元 a1, a2 に対して、a1a2 ならば f(a1) ≠ f(a2)」が成り立つとき、 f単射という。包含写像は単射である。単射の制限写像も単射である。

A から B への全射 f がさらに単射でもあるとき、fA から B への全単射であると言われる。定義域を A とする任意の単射 f はあきらかにその値域 f(A) への全単射である。

逆写像

fA から B への全単射とする。そのとき、 B の元 b に対して、 f(a) = b であるような A の元 a がちょうど1つ存在する。そこで、 B の元 b にそのような A の元 a を対応させる B から A への写像を f逆写像といい、f−1 と表す。定義より次が成り立つ:

f−1 : BA、 aAbB ( f−1(b) = af(a) = b )[9]

f−1B から A への全単射である。f−1 の構成から、

写像の合成: 可換三角形
  • 可換矩形
  • などを挙げることができる。任意の頂点から別の任意の頂点への写像が経路の取り方に依らないとき、図式は可換であるという[19]。例えば h = gf のとき図式

    は可換であり、逆もまた成り立つ。

    一般化と応用

    部分写像

    一般には、定義域と始域が異なる(値の定められていない始域の元が存在する)という場合も考え得る。集合 A, B の元の順序対からなる集合(すなわち二項関係Gf

    • 右一意性: (x, y1) ∈ Gf かつ (x, y2) ∈ Gf ならば y1 = y2

    をみたすとき GfA から B への関数関係であると言われる。このとき、三つ組 f := (A, B, Gf) をこの関数関係 Gf から定まる A から B への部分写像と呼び[注釈 4]f: AB で表す。部分写像 f: AB すなわち GfA × B定義域 dom(f)値域 ran(f) は次のように定義される:


    写像

    出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/12/23 09:52 UTC 版)

    安定性理論」の記事における「写像」の解説

    f: R → R を、不動点 a を備え連続的微分可能関数とする(すなわち、f(a) = a)。その関数 f を反復することによって得られる以下の力学系について考える: x n + 1 = f ( x n ) , n = 0 , 1 , 2 , … . {\displaystyle x_{n+1}=f(x_{n}),\quad n=0,1,2,\ldots .} 不動点 a は、f の a における微分絶対値厳密に 1 より小さいときに安定となり、厳密に 1 より大きいときに不安定となる。これは、点 a の近く関数 f が傾き f′(a)線型近似 f ( x ) ≈ f ( a ) + f ′ ( a ) ( x − a ) {\displaystyle f(x)\approx f(a)+f'(a)(x-a)} を持つことによる。すなわち、この式から x n + 1a x na = f ( x n ) − a x n − a ≈ f ′ ( a ) ( x n − a ) x na = f( a ) {\displaystyle {\frac {x_{n+1}-a}{x_{n}-a}}={\frac {f(x_{n})-a}{x_{n}-a}}\approx {\frac {f'(a)(x_{n}-a)}{x_{n}-a}}=f'(a)} が得られるが、これは最右辺微分が、逐次反復不動点 a に近付かあるい発散する割合測る指標となっていることを意味する。その微分がちょうど 1 あるいは −1 である場合には、安定性決定するためにより多く情報が必要となる。 不動点 a を備え連続的微分可能な写像 f: RnRn に対しても、その a におけるヤコビ行列 J = Ja(f) で表現される同様の指標存在する。J のすべての固有値が、絶対値が 1 よりも厳密に小さい実あるいは複素数であるなら、a は安定不動点である。一方少なくも一つ固有値絶対値が 1 よりも厳密に大きいなら、a は不安定である。n=1 の場合同様にすべての固有値絶対値1 である場合にはさらなる解析が必要となる。その場合にはヤコビ行列による判定では結論出ない滑らかな多様体微分同相写像に対しても、より一般的な同様の指標存在する

    ※この「写像」の解説は、「安定性理論」の解説の一部です。
    「写像」を含む「安定性理論」の記事については、「安定性理論」の概要を参照ください。

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    写像

    出典:『Wiktionary』 (2021/08/21 13:27 UTC 版)

    この単語漢字
    しゃ
    第三学年
    ぞう
    第五学年
    音読み 音読み

    名詞

    (しゃぞう)

    1. あるものをありのまま描きだすこと。
    2. (数学) ある集合任意要素対し異なるまたは同じ集合要素一つ対応する、定まった関係
    3. (物理学) レンズ経て一つ集まってできる

    用法

    類義語

    複合語

    関連語

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    語義2


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