しゃ‐ぞう〔‐ザウ〕【写像】
写像
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/02/16 13:37 UTC 版)
写像(しゃぞう、英: mapping, map)は、二つの集合が与えられたときに、一方の集合の各元に対し、他方の集合のただひとつの元を指定して結びつける対応のことである。関数、変換、作用素、射などが写像の同義語として用いられる[1][2]こともある。
注釈
- ^ この事実は0の0乗を 1 と定義する理由の一つに挙げられる(ただし、いつもそのように定義するわけではない)
- ^ ここに、f−1 は単なる符牒であって必ずしも写像を定義しないが、対応と考えることができるし、写像 f が逆を持てばそれに一致する。
- ^ 部分写像を写像と呼ぶ立場と同様に、やはり値域と終域を明示的に区別しない立場もある。またこの立場では値域と終域とを区別せずにコドメイン (codomain) あるいはターゲット (target) と呼ぶこともある。
- ^ 全域的でないものに限って部分写像と言っている場合もある。
- ^ 部分写像と全域写像を総称して写像と呼ぶ流儀もある。これは、定義域と始域の区別を重視しない立場であるということもでき、この立場で始域や定義域を区別せずにドメイン (domain)あるいはソース(source)と呼ぶこともある。
出典
- ^ 例えば(ケリー 1968, p. 10)は「関数,対応,写像,作用素をすべて同じ意味で使用することにする」という断り書きをつけている。
- ^ The words map or mapping, transformation, correspondence, and operator are often used synonymously. (Halmos 1970, p. 30). (訳文: 写像、変換、対応および作用素の語がしばしば (関数の) 同義語として用いられる)
- ^ 例えば Lang 1971, p. 83, 松坂 1968, p. 28, PlanetMath など
- ^ 松本 (1988) は、多様体上の実数値写像を関数と呼んでいる。
- ^ 松坂 1968, p. 298.
- ^ 松坂 1968, p. 24, 37, 38.
- ^ Kunen 1980, p. 14
- ^ 松本 (2004), 注意 1.1.6, 定義 1.1.7 なども参照
- ^ a b c 松坂 1968, p. 34.
- ^ 松坂 1968, p. 35, 定理 6.
- ^ a b 松坂 1968, p. 36.
- ^ 松坂 1968, p. 37.
- ^ 松坂 1968, p. 55.
- ^ a b 松坂 1968, p. 59.
- ^ 松坂 1968, p. 38.
- ^ Dauben (1990), Georg Cantor, p. 174
- ^ Dauben (1990), Georg Cantor, p. 174
- ^ 松坂 1968, p. 296.
- ^ 松坂 1968, p. 297.
- ^ 松坂 1968, p. 50.
写像
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/12/23 09:52 UTC 版)
f: R → R を、不動点 a を備える連続的微分可能関数とする(すなわち、f(a) = a)。その関数 f を反復することによって得られる以下の力学系について考える: x n + 1 = f ( x n ) , n = 0 , 1 , 2 , … . {\displaystyle x_{n+1}=f(x_{n}),\quad n=0,1,2,\ldots .} 不動点 a は、f の a における微分の絶対値が厳密に 1 より小さいときに安定となり、厳密に 1 より大きいときに不安定となる。これは、点 a の近くで関数 f が傾き f′(a) の線型近似 f ( x ) ≈ f ( a ) + f ′ ( a ) ( x − a ) {\displaystyle f(x)\approx f(a)+f'(a)(x-a)} を持つことによる。すなわち、この式から x n + 1 − a x n − a = f ( x n ) − a x n − a ≈ f ′ ( a ) ( x n − a ) x n − a = f ′ ( a ) {\displaystyle {\frac {x_{n+1}-a}{x_{n}-a}}={\frac {f(x_{n})-a}{x_{n}-a}}\approx {\frac {f'(a)(x_{n}-a)}{x_{n}-a}}=f'(a)} が得られるが、これは最右辺の微分が、逐次反復の不動点 a に近付くかあるいは発散する割合を測る指標となっていることを意味する。その微分がちょうど 1 あるいは −1 である場合には、安定性を決定するためにより多くの情報が必要となる。 不動点 a を備える連続的微分可能な写像 f: Rn → Rn に対しても、その a におけるヤコビ行列 J = Ja(f) で表現される同様の指標が存在する。J のすべての固有値が、絶対値が 1 よりも厳密に小さい実あるいは複素数であるなら、a は安定な不動点である。一方、少なくとも一つの固有値の絶対値が 1 よりも厳密に大きいなら、a は不安定である。n=1 の場合と同様に、すべての固有値の絶対値が 1 である場合にはさらなる解析が必要となる。その場合にはヤコビ行列による判定では結論が出ない。滑らかな多様体の微分同相写像に対しても、より一般的な同様の指標が存在する。
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写像
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/15 23:02 UTC 版)
恒等写像 id(x) = x や定値写像 f(x) = C は、それがいかなる集合上で定義されていたとしても常に冪等写像である。もうすこし明らかでない例として、実数や複素数に対する絶対値関数、実数の床関数などが挙げられる。 ある位相空間 X の各部分集合 U について U の閉包を与える写像は、Xの冪集合における冪等写像である。これは閉包作用素の例であり、全ての閉包作用素は冪等写像である。
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写像
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2015/04/02 18:11 UTC 版)
T : Rn → Rn は C1 写像で、p はその不動点とする。ヤコビ行列 DT(p) が単位円上に固有値を持たないとき、p は双曲型不動点と呼ばれる。 唯一つの不動点が双曲型であるような写像の一例として、次のアーノルドの猫写像が挙げられる:
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写像
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/08/30 18:51 UTC 版)
テント写像 f: R → R は、x ∈ R, μ ∈ R≥ 0 として次のように与えられる。 f ( x ) = { μ x , x < 1 2 , μ ( 1 − x ) , 1 2 ≤ x . {\displaystyle f(x)={\begin{cases}\mu x,&x<{\frac {1}{2}},\\\mu (1-x),&{\frac {1}{2}}\leq x.\end{cases}}} n ∈ Z> 0 として、f(x) の n 回反復合成を fn(x) と表す。すなわち、f0(x) = x, f1(x) = f(x), f2(x) = f(f1(x)), f3(x) = f(f2(x)), ... であるとする。fn(x) の軌道は、 x 0 , x 1 = f ( x 0 ) , x 2 = f ( x 1 ) , … , x n = f ( x n − 1 ) , … {\displaystyle x_{0},\ x_{1}=f(x_{0}),\ x_{2}=f(x_{1}),\ldots ,\ x_{n}=f(x_{n-1}),\ldots } という数列となる。ここで x0 は軌道の初期値である。xn と xn+1 の漸化式の形では、 x n + 1 = f ( x n ) = { μ x n x n < 1 2 , μ ( 1 − x n ) 1 2 ≤ x n {\displaystyle x_{n+1}=f(x_{n})={\begin{cases}\mu x_{n}&x_{n}<{\frac {1}{2}},\\\mu (1-x_{n})&{\frac {1}{2}}\leq x_{n}\end{cases}}} である。テント写像では単位区間の範囲で初期値を与えるのが一般的である。以下でも特に断りがない限り、x0 ∈ I = [0, 1] である。 テント写像のグラフは点 (1/2, μ/2) を頂点とした区分線形曲線となる。グラフはテントのような形をしており、このためテント写像と呼ばれる。テント写像の初期値鋭敏性を示すリアプノフ指数 λ は、傾きの絶対値が μ で一定であるため λ = ln μ と求めることができる。
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写像
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/08/14 00:14 UTC 版)
詳細は「部分写像」および「写像」を参照 定義 対応 f = (A, B, Gf) は、「各元 a ∈ A に対して (a, b) ∈ Gf となるような b ∈ B が一つしかない(すなわち、A のどの元 a についても f(a) がただ一つの元からなる)」 という条件をみたすとき、部分写像(一意対応)という。特に D(f) = A(全域的)なとき写像と呼ばれる。 対応 f が(部分)写像であるとき、f(a) = {b} となることを f(a) = b と略記して、この元 b を a の像と呼ぶ。 写像の言葉で言えば、集合 A から集合 B への対応 φとは、A から B の冪集合 𝒫(B) への写像、すなわち集合値写像 φ : A → P ( B ) {\displaystyle \varphi \colon A\to {\mathcal {P}}(B)} として理解できる。
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写像
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/25 00:58 UTC 版)
完備束の間の下限及び上限を保つ写像を完備準同型(完備束準同型)(英: complete homomorphisms(complete lattice homomorphisms))という。 正確に述べると、完備束 L , M {\displaystyle L,M} の間の写像 f : L → M {\displaystyle f\colon L\to M} が完備準同型であるとは f ( ⋀ A ) = ⋀ { f ( a ) ∣ a ∈ A } {\displaystyle f(\bigwedge A)=\bigwedge \{f(a)\mid a\in A\}} 及び f ( ⋁ A ) = ⋁ { f ( a ) ∣ a ∈ A } {\displaystyle f(\bigvee A)=\bigvee \{f(a)\mid a\in A\}} が L {\displaystyle L} の任意の部分集合 A {\displaystyle A} に対して満たすことをいう。 このような写像は自動的に単調増加写像となる。 この定義はしばしば強すぎることがあり、その場合は上限を保存する写像もしくは下限を保存する写像を考える。それらは各々完備(上)半束準同型(英: complete (upper) semi-lattices homomorphisms)及び完備下半束準同型(英: complete lower semi-lattices homomorphisms)と呼ばれる。 完備半束準同型には以下の様な特徴付けが存在する。完備束間の写像が完備上半束準同型となることとガロア接続(英: Galois connection)の下随伴(英: lower adjoint)となることは同値。同様に、完備束間の写像が完備下半束準同型となることとガロア接続の上随伴(英: upper adjoint)となることは同値。(このようなガロア接続は完備準同型に対し一意的に定まる)
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