全射
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/29 14:52 UTC 版)
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数学において、写像が全射的(ぜんしゃてき、英: surjective, onto)であるとは、その終域となる集合の元はどれもその写像の像として得られることを言う。即ち、集合 X から集合 Y への写像 f について、Y の各元 y に対し f(x) = y となるような X の元 x が(一般には複数あってもよいが)対応させられるとき、写像 f は全射 (surjection, onto mapping/function) であるという。全写(あるいは全写像)とも書く。
全射(および単射、双射)の語は20世紀フランスの数学結社ブルバキ(1935年以降『数学原論』シリーズを刊行している)により導入されたものである。接頭辞 sur- はフランス語で「上の」を意味し、写像の始域が終域全体をすっぽり覆い尽くすように写し込まれるイメージを反映したものになっている。sur, in, bi, jection いずれもラテン語源である。
定義
写像 f: A → B について、f の値域 f(A) := {f(a) | a ∈ A} が終域(余域)B を含む(つまり B ⊆ f(A))ならば、写像 f: A → B は 全射 (surjection) であるという。f は余域 B への全射的 (surjective) な写像である、B の上への (onto) 写像であるなどともいう[注釈 1]。記号で書けば、f: A → B が全射であるとは ∀b ∈ B, ∃a ∈ A, f(a) = b を満足することである。このとき、しばしば鏃が二つの矢印を使って
全射であり単射でない