同値類
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/10/11 05:23 UTC 版)
数学において,ある集合 S の元が(同値関係として定式化される)同値の概念を持つとき,集合 S を同値類(どうちるい,英: equivalence class)たちに自然に分割できる.これらの同値類は,元 a と b が同じ同値類に属するのは a と b が同値であるとき,かつそのときに限るものとして構成される.
- ^ Avelsgaard 1989, p. 127.
- ^ a b Devlin 2004, p. 123.
- ^ Maddox 2002, pp. 77–78.
- ^ Devlin 2004, p. 122.
- ^ Wolf 1998, p. 178.
- ^ Maddox 2002, p. 74, Thm. 2.5.15.
- ^ Avelsgaard 1989, p. 132, Thm. 3.16.
- 1 同値類とは
- 2 同値類の概要
- 3 性質
- 4 グラフによる表現
- 5 関連項目
同値類
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/08 06:12 UTC 版)
同値関係の同値類を [x] でなく x と書くのは記号の濫用である。形式的には、集合 X を同値関係 ∼ によって分割したとき、各 x ∈ X に対し、同値類 {y ∈ X | y ∼ x} は [x] と表記される。しかし実際には、議論がもとの集合の個々の元ではなく同値類にあるとき、角括弧を落とすのが一般的である。あるいは、実際には個々の元の方を考えているのに、同値類を指す記号を用いることもある。 前者の例としては、例えば、合同算術において、n を法とした x の合同類を単に x と書いたり、ルベーグ積分論において、測度空間上の可測関数を「ほとんどいたるところ等しい」という関係で割った空間(たとえば L2)を考えるときに、同値類をもとの関数と同じ記号で表したりする(ここで注意すべきことであるが、商空間では「関数 f の x における値 f(x)」というものは全く意味を持たない)。 後者の例としては、例えば、群 G の既約表現の同値類の全体をここでは仮に A と書くと、G の既約表現は普通 (π, V) ∈ A あるいは π ∈ A と書かれる。
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同値類
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/28 14:04 UTC 版)
詳細は「同値類」を参照 集合 S の上に同値関係 ∼ が定義されているときには、S の各元 a に対して a に同値である元を全て集めた集合を考えることができる。この S の部分集合を、a を代表あるいは代表元 (representative) とする同値類 (equivalence class) または単に a の(属する)類と呼び、普通 [a], a, C(a) などと書く: [ a ] := { x ∈ S ∣ a ∼ x } . {\displaystyle [a]:=\{x\in S\mid a\sim x\}.} また、1つの同値類 X に対して、[x] = X となる S の元 x を1つ定めることを、X の代表元として x をとるという。1つの同値類は、それに含まれている元を任意に選んでそれを代表元とする同値類を作ってもそれはもとと同じ同値類になる(同値類は代表元の取替えによって不変である): X = [ x ] , y ∈ X ⟺ y ∈ [ x ] ⟺ x ∼ y ⟺ x ∈ [ y ] ⟺ [ y ] = X , x ∈ X . {\displaystyle X=[x],\ y\in X\iff y\in [x]\iff x\sim y\iff x\in [y]\iff [y]=X,\,x\in X.} ゆえに同値類に関する性質を代表元の性質のみによって記述することは、一般には適当ではない。X 上の同値関係 ~ が与えられたとき、X の元に関する性質 P が x ~ y なるとき常に P(x) ならば P(y) を満たすならば、性質 P は同値関係 ~ のもとで well-defined であるとか、各同値類上で不変 (class invariant; 類不変) であるなどという。 そのようなものとしてよくあるのが、写像 f: X → Y で、x1 ~ x2 ならば f(x1) = f(x2) なるときである。この場合、f は各同値類上で定数 (class invariant under ~)、あるいは ~ のもとで不変 (invariant under ~), より短く ~-不変などという。このようなものは例えば有限群の指標論などで見かけることができる。また、このような写像の性質を可換三角図式として書き表すことができる(不変量なども参照)。文献によっては、不変という代わりに、~ に関する準同型 (morphism; 射) であるとか ~ と両立する (compatible with ~) とか適合する ("respects ~") などのように言うこともある。 より一般に、(ある関係 ~A に関して)同値なものを(別の関係 ~B に関して)同値なものへ写す写像を考えることができて、そのような写像を ~A から ~B への準同型(あるいは射)などと呼ぶ。
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