集合論
集合論(意味論的特徴づけ)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/05/28 14:28 UTC 版)
「共有知識」の記事における「集合論(意味論的特徴づけ)」の解説
(等価な)代替案として、共有知識は集合論を用いて定式化することもできる(これはノーベル賞受賞者ロバート・オーマンがその独創的な 1976 年論文においてとった方法である)。 まず状態の集合 S から始める。状態の集合 S の部分集合として事象 E を定義できる。それぞれのエージェント i について,S 上の分割 Pi を定義する。この分割が、ある状態におけるエージェントの知識の状態を表現している。状態 s において、エージェント i は、Pi (s) のうちのどれかの状態が起きていることを知るのだが、それがどれなのかは知らない(ここで Pi (s) は、s を含む分割 Pi の一意な要素を表す。このモデルではエージェントが真でないことを知ってしまうというケースは排除されていることに注意せよ)。 ここで知識関数 K を次のようにして定められる: K i ( e ) = { s ∈ S | P i ( s ) ⊂ e } {\displaystyle K_{i}(e)=\{s\in S|P_{i}(s)\subset e\}} すなわち、Ki (e) は、事象 e が起こっていることをエージェントが知っているような状態の集合である。これは e の部分集合になる。 上の様相論理による定式化と同じようにして、「全員が e を知っている」ということを表す演算子を定義できる: E ( e ) = ⋂ i K i ( e ) {\displaystyle E(e)=\bigcap _{i}K_{i}(e)} 様相演算子の場合と同じく、関数 E は再帰的に用いることができ、 E 1 ( e ) = E ( e ) , E n + 1 ( e ) = E ( E n ( e ) ) {\displaystyle E^{1}(e)=E(e),E^{n+1}(e)=E(E^{n}(e))} とする。これを使うと共有知識関数を、 C ( e ) = ⋂ n = 1 ∞ E n ( e ) {\displaystyle C(e)=\bigcap _{n=1}^{\infty }E^{n}(e)} と定義できる。 上で素描した構文論的なアプローチとの等価性は簡単に確認できる:いま定義したオーマン構造を考えよ.これと対応するクリプキ構造を、 同じ集合 S, 分割 Pi に一致する同値類を定めるアクセス可能関係 Ri, 原子命題 p に対応する、オーマン構造における事象を Ep とする。これに属する状態 s ∈ E p {\displaystyle s\in E^{p}} のすべてにおいてだけ、原子命題 p に「真」という値を与えるような付値関数、 として定められる。前節で定義した共有知識アクセス可能性関数 RG が、すべての i ∈ G {\displaystyle i\in G} の分割 Pi の finest common coarsening に一致することを確認するのは難しくなく、これはオーマンの 1976 年論文で与えられた共有知識の有限的な特徴づけになっている。
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集合論
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/02 14:51 UTC 版)
「ウィラード・ヴァン・オーマン・クワイン」の記事における「集合論」の解説
クワインは論理学を古典的な2結合価の一階述語論理、つまり任意の(空でない)議論領域に含まれている真偽に限定した。また、以前は述語と不特定の議論領域しか要求していなかったとして、一階述語論理と集合論とを注意深く分別した。これにより『プリンキピア・マテマティカ』が論理学に含めていた多くのものを、クワインは論理学としなかった。 While his contributions to logic include elegant expositions and a number of technical results, it is in set theory that Quine was most innovative. His set theory, (New Foundations) (NF) and that of Set Theory and Its Logic, admit a universal class, but since they are free of any hierarchy of types, they have no need for a distinct universal class at each type level. Without going into technical detail, these theories are driven by a desire to minimize posits; each innovation is pushed as far as it can be pushed before further innovations are introduced. Quine always maintained that mathematics required set theory and that set theory was quite distinct from logic. He flirted with Nelson Goodman's nominalism for a while, but backed away when he failed to find a nominalist grounding of mathematics. New Foundations features a simple and economical criterion for set admissibility, which allows many "large" sets not allowed in the standard ZFC set theory. The (relative) consistency of New Foundations is an open question. A modification of NF, NFU, due to R. B. Jensen and admitting urelements (entities that can be members of sets but that lack elements), turns out to be consistent relative to Peano arithmetic, thus vindicating Quine's intuition.
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集合論
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/02/01 20:51 UTC 版)
SNは通常の数学の宇宙であるという主張に正確な意味を与えることは可能である。すなわち、それはツェルメロ集合論のモデルである。公理的集合論は元来1908年にエルンスト・ツェルメロによって開発された。ツェルメロ集合論は"通常の"数学を公理化することができるため、カントールによって三十年早く始められたプログラムを達成して、確実に成功した。しかし、ツェルメロ集合論は公理的集合論および数学基礎論、特にモデル理論における他の研究のさらなる発展にとって不十分であった。劇的な例として、上述の上部構造プロセスの記述はツェルメロ集合論においてそれ自身実行できないことが挙げられる。最終ステップとして、無限和 (infinitary union) としてのSを形成するための置換公理が必要である。置換公理は、ツェルメロ=フレンケル集合論を形成するように1922年にツェルメロ集合論に付加された。この公理集合は今日最も広く受け入れられている。そのため、通常の数学がSNにおいてなされるのに対し、SNの議論は"通常の"数学を越えてメタ数学の領域となる。 しかし、もし超冪集合論が持ち込まれた場合、上記の上部構造のプロセスそれ自体は明らかに超限帰納法のはじまりに過ぎない。空集合 X = {} に戻って、Si{} に対する Vi 、V0 = {} 、V1 = P{} などの (標準的な) 記法を導入する。しかし、"上部構造" と呼ばれるものは、ω が1つ目の有限順序数とすれば、リスト Vω の次の項目となる。これは次のような任意の順序数に拡張される。 V i := ⋃ j < i P V j {\displaystyle V_{i}:=\bigcup _{j<i}\mathbf {P} V_{j}\!} 任意の 順序数 i に対して Vi を定義する。Vi のすべての和集合は次のようにフォン・ノイマン宇宙 V となる。 V := ⋃ i V i {\displaystyle V:=\bigcup _{i}V_{i}\!} . Vi は各々すべてが集合であることに注意すること。しかしこれらの和集合 V は固有類である。置換公理と同時期にZFにを加られた正則性公理は、すべての 集合が V に属することを主張している。 クルト・ゲーデルの構成可能集合 L と構成可能公理 到達不能基数は ZF のモデルと加法性公理を生じ、さらにグロタンディーク宇宙の集合の存在と等価である。
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