順序対
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/22 08:27 UTC 版)
数学における順序対(じゅんじょつい、英: ordered pair)は、一口に言えば対象を「対」にしたものである。二つの対象 a, b の順序対をふつうは (a, b) で表す。ここで、「順序」対において対象の現れる順番は重要であることに注意しなければならない、すなわち a = b でない限り (a, b) という対と (b, a) という対とが相異なる[注 1]。
注釈
- ^ これに対して非順序対 {a, b} は非順序対 {b, a} と常に等しい。集合および多重集合の項も参照のこと
- ^ クワインは、順序対の概念の集合論的な実現は哲学的概念を明確化するパラダイムであると主張した("Word and Object" の &sec;53 を参照)。そのような概念や実現の一般概念が、トーマス・フォースター (Thomas Forster) の "Reasoning about theoretical entities" に論じられている。
- ^ ウィーナーの論文 "A Simplification of the logic of relations"(「論理と関係の単純化」)が、貴重な解説付きで (van Heijenoort 1967, pp. 224ff) に再録されている。ヴァン・エジュノールはこの方法での単純化について "By giving a definition of the ordered pair of two elements in terms of class operations, the note reduced the theory of relations to that of classes"(クラス演算による二つの元の順序対の定義が与えられれば、そのようなクラスに対する関係の理論のノートが節約できる)と述べている。
- ^ ヴァン・エジュノールは、結果として得られる順序対を表す集合は(それらが同じ型の元であるとき)「それらの元よりも 2 階高い型を持つ」ことを注意している。これを示すのに関連して、エジュノールは、特定の状況下で型が 1 か 0 に還元できることを述べている。
- ^ ハウスドルフ版の定義とほぼ同じだが、0, 1 が a, b と異なるとは限らない
- ^ shortの適格性の厳密な超数学的証明は こちら (opthreg)を参照。また Tourlakis (2003), Proposition III.10.1. も参照。
出典
- ^ Lay 2005, p. 50.
- ^ Devlin 2004, p. 79.
- ^ a b Wolf 1998, p. 164.
- ^ Fletcher & Patty 1988, p. 80.
- ^ a b van Heijenoort 1967, p. 224, —ウィーナーの論文の導入を参照。
- ^ Tourlakis 2003, Proposition III.10.1..
- ^ Frege 1893, §144.
- ^ 2007, p. 22, footnote 59.
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