極限順序数
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/08 02:39 UTC 版)
![]() |
この記事は検証可能な参考文献や出典が全く示されていないか、不十分です。(2017年9月)
|

集合論および順序論における極限順序数(きょくげんじゅんじょすう、英: limit ordinal)は 0 でも後続順序数でもない順序数を言う。あるいは、順序数 λ が極限順序数であるための必要十分条件は「λ より小さい順序数が存在して、順序数 β が λ より小さい限り別の順序数 γ が存在して β < γ < λ とできることである」と言ってもよい。任意の順序数は、0 または後続順序数、さもなくば極限順序数である。
例えば、任意の自然数よりも大きい最小の超限順序数 ω は、それよりも小さい任意の順序数(つまり自然数)n が常にそれよりも大きい別の自然数(なかんずく n + 1)を持つから、極限順序数である。
順序数に関するフォンノイマンの定義を用いれば、任意の順序数はそれより小さい順序数全体の成す整列集合として与えられる。このとき、空でない順序数の集合が最大元を持たないならば、その和集合は常に極限順序数になる[1]。フォンノイマン基数割り当てを用いれば、任意の無限基数もまた極限順序数となる。
特徴付け
極限順序数は他にもいろいろなやり方で定義できる:
- 与えられた非零順序数でそれより小さい任意の順序数の上限に等しいもの。(後続順序数の場合と比較すれば、後続順序数より小さい順序数全体の成す集合には最大限が存在する(それは直前の順序数である)から、それが上限を与える。)
- 最大元を持たない非零順序数。
- 適当な α > 0 によって ωα の形に書ける順序数。つまり、カントール標準形において末項としての有限な数を持たない非零順序数。
- 順序数全体の成す類において順序位相に関する極限点 (ほかの順序数は孤立点となる)。
0 を、直前の順序数を持たない順序数として、極限順序数に分類すべきか否かに関しては流儀が分かれる。いくつかの教科書[2]は 0 を極限順序数のクラスに含めるが、含めないもの[3]もある。
例
順序数全体の成す類は整列順序付けられているから、有限でない最小の極限順序数 ω が存在する。この順序数 ω は、自然数の最小上界に一致するものとして、最小の超限順序数でもある。ゆえに、ω は自然数全体の成す集合の順序型を表している。それより大きい次の極限順序数として、まずは ω + ω = ω⋅2、これは任意の自然数 n に対する ω⋅n に一般化できる。ω⋅n 全体の成す集合における合併(順序数からなる任意の集合上で上限をとる操作と見なせる)を取って、ω·ω ≕ ω2 が得られ、これは任意の自然数 n に対する ωn に一般化される。この過程はさらに繰り返すことができて、
- 極限順序数のページへのリンク