集合の分割
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/04/30 15:13 UTC 版)

数学において、集合の分割(英: partition)とは、その集合の全体を覆う互いに重ならない部分集合の族のこと、あるいはその集合族を得ることである。
主にビジネスの文脈では、そのような集合族のあり方をMECEという。
定義
集合 X の分割 P は、X の非空部分集合からなる集合族であり、X の任意の元 x について x ∈ A かつ A ∈ P を満たす X の部分集合 A がただ一つ存在する。
以下の条件を全て満たす P を X の分割という。
- 空集合は P に帰属しない。
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もう1つの例として、同値関係の観点から分割を細分化する方法を述べる。D を一般的なトランプの52枚のカードの集合とする。D における「色が同じ」という関係を ~C などと表記する。このとき2つの同値類、{赤いカード} という集合と {黒いカード} という集合が得られる。この ~C に対応した2ブロックの分割には「スートが同じ」という関係 ~S による細分が存在し、4つの同値類 {スペード}、{ダイヤ}、{ハート}、{クラブ} が得られる。
非交差な分割
自然数の集合 N = {1, 2, ..., n} の同値関係 ~ に対応した分割が非交差 (noncrossing) であるとは、N 内のそれぞれ別の数 a、b、c、d が a < b < c < d という大小関係で、しかも a ~ c および b ~ d ということがない場合である。 上記のX = {1, 2, 3, 4} では、13/24のみが非交差ではない分割である. 有限集合の非交差な分割の束は、自由確率論において重要であることが近年わかってきた。2つの束の結びをとる操作が合致しないため、これらは全ての分割の束の部分集合を形成するが、部分束ではない。
各種分割の数え上げ
n 個の元を持つ集合の分割の総数はベル数 Bn である。n の小さいベル数を列挙すると、B0 = 1、B1 = 1、B2 = 2、B3 = 5、B4 = 15、B5 = 52、B6 = 203 となっている。ベル数は次の漸化式で表される。
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