カントールの定理
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カントールの定理(カントールのていり、Cantor's theorem)は、集合論における基本的な定理の一つで、冪集合の濃度について述べたものである。最初にこれを証明したドイツ人数学者ゲオルク・カントールにちなむ。
- 1 カントールの定理とは
- 2 カントールの定理の概要
- 3 定理に基づく結果
- 4 歴史
- 5 関連項目
カントールの定理
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/01 07:08 UTC 版)
「カントールの対角線論法」の記事における「カントールの定理」の解説
詳細は「カントールの定理」を参照 カントールの定理とは次のようなものである。 定理 Xを任意の集合とするとき、XからXの冪集合2Xへの全射が存在しない(従って特に全単射が存在しない)。つまり、Xの濃度より2Xの濃度のほうが真に大きい。 これは以下のように対角線論法を用いて次のように示される。 Xから2Xへの全射ψが存在したとする。 Y = { x ∈ X : x ∉ ψ ( x ) } {\displaystyle Y=\{x\in X:x\notin \psi (x)\}} により定義すると、対角線論法より、ψ(x)=Yとなるx∈Xは存在しない。これはψの全射性に反する。 上の Y の構成はラッセルのパラドックスで用いられる「自分自身を含まないような集合」と酷似していることに注意されたい。X を「全ての集合を含む集合」として同じことを行うと、2X は X の部分集合でありながらしかも X より濃度が大きくなり矛盾を生じる(カントールのパラドックス)。したがって、(公理的集合論の立場では)「すべての集合を含む集合」は集合ではなく、クラスになる。
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