カントールの理論
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/21 02:06 UTC 版)
ゲオルク・カントールの集合論は、実際には集合論のパラドックスと関係ないと考える者もいる(Frápolli1991を参照)。これを確実に判断するのが難しい理由の一つは、カントールがシステムの公理化を行わなかったためである。 1899年までに、カントールは自身の理論の無制限の解釈によっていくつかのパラドックス、たとえばカントールのパラドックスやブラリフォルティのパラドックスが生じることに気づいていたが、それらが自身の理論の評価を下げるとは思っていなかった。カントールのパラドックスは、実際には上記の(誤った)仮定(任意の性質 P(x) を用いて集合を構成できること)と P(x) =「x は基数」を用いて導出できる。フレーゲは、素朴集合論の形式化された版を解釈できる理論を明示的に公理化した。バートランド・ラッセルがパラドックスを提示したときに実際に取り上げたのはこの形式理論であり、必ずしも(前述の通りパラドックスに気づいていた)カントールの理論ではなかった。もっとも、おそらく念頭に置いていただろう。
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