無矛盾
無矛盾性
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/08 15:26 UTC 版)
「ツェルメロ=フレンケル集合論」の記事における「無矛盾性」の解説
ロビンソン算術を解釈できる再帰的に公理化可能なシステムは、矛盾がある場合にのみ、システム自体の無矛盾性を証明できるとゲーデルの第二不完全性定理は主張する。また、ロビンソン算術はZFCの一部である一般集合論で解釈できる。したがって、ZFCの無矛盾性をZFCの中で証明することはできず(実際に矛盾がある場合を除く)、それゆえに、通常の数学の意味でZFCを捉える限り、ZFCの無矛盾性を通常の数学では実証できない。 ZFCの無矛盾性は弱到達不能基数の存在に由来するが、この基数の存在は、ZFCが無矛盾であるならばZFCでは証明できない。それにもかかわらず、ZFCが予想外の矛盾を含む可能性は低いと考えられている。 ZFCに矛盾を含むとしたら、すでに明らかになっているはずだからである。確かに、ZFCは、素朴集合論の古典的なパラドックス、ラッセルのパラドックス、ブラリ=フォルティのパラドックス、カントールのパラドックス(英語版)の影響を受けない。 Abian & LaMacchia (1978)は、外延性、和集合、べき集合、置換および選択の各公理からなるZFCの派生理論(英語版)を研究した。モデル理論を使い、彼らはこの理論が無矛盾であることと、外延性、置換およびべき集合の各公理は他の4つの公理と独立であることを証明した。この理論に無限公理を加えた場合は、和集合、選択および無限の各公理が他の5つの公理と独立になる。正則性公理を除いたZFCの各公理を満足する非整礎的モデルが存在するため、正則性公理は他のZFCの公理とは独立になる。 ZFCは、無矛盾であるならば、圏論で必要となる到達不能基数の存在を証明できない。 ZFにタルスキの公理(英語版)を追加すると、この性質の巨大な集合が存在できる。タルスキの公理を仮定すると、無限、べき集合、および選択の各公理(上記7〜9)は定理となる。
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無矛盾性
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/21 02:06 UTC 版)
素朴集合論は、考慮できる集合を正しく指定していれば、必ずしも矛盾を生じるわけではない。これは、暗黙の公理である定義によって行うことができる。ハルモスの Naive Set Theory の場合のように、すべての公理を明示的に述べることができるが、これは実際には通常の公理的ツェルメロ=フレンケル集合論の非形式な表現となる。言語と表記法が通常の非形式的な数学のものであり、公理系の無矛盾性や完全性を扱っていないという点で、素朴集合論は「素朴」である。 同様に、公理的集合論は必ずしも無矛盾というわけではなく、必ずしもパラドックスがないわけではない。ゲーデルの不完全性定理から、十分に複雑な一階述語論理システム(最も一般的な公理的集合論を含む)は、実際には無矛盾だとしても、理論自体の中から無矛盾性を証明できない。ただし、一般的な公理系は一般的に無矛盾と考えられている。これらの公理によって、ラッセルのパラドックスのようないくつかのパラドックスは排除されるためである。ゲーデルの定理に基づくと、これらの理論や一階述語論理の集合論にパラドックスが一切なくても、無矛盾性はわかっていないどころか、わかるものでもない。 素朴集合論という用語は、現代の公理的集合論の非形式的版ではなく、フレーゲとカントールによって研究された集合論を指して、今日でも一部の文献[要出典]で用いられている。
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