一貫性(無矛盾性)の証明
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/16 07:47 UTC 版)
先に述べたように、ヒルベルト・プログラムは証明の形式理論の研究に拍車をかけた。このプログラムの中心となる考え方は、数学者が必要とするあらゆる洗練された形式理論の一貫性を有限項で証明できたとき、それらの理論を超数学的論証を使って基礎付けることができ、それらの純粋に汎用の表明(より技術的に言えば、それらの証明可能な算術的階層 Π 1 0 {\displaystyle \Pi _{1}^{0}} )が有限項的に真であることを示す。そのように基礎付けられたとき、有限項的でない定理群は観念的実体の擬似的規定であるとみなすことができ、無視することができる。 このプログラムの誤りはクルト・ゲーデルの不完全性定理で明らかとなった。不完全性定理は、何らかの数学的真理を表現できる程度に強力な任意のω無矛盾な理論は、ゲーデルの定式化では Π 1 0 {\displaystyle \Pi _{1}^{0}} となるそれ自体の一貫性(無矛盾性)を証明できないことを示した。 その後、さらに研究は進み、以下のような成果が得られている。 ゲーデルの結果の洗練が行われ、特にジョン・バークリー・ロッサーは、ω無矛盾性ではなく単純な無矛盾性で済むようにした。 ゲーデルの業績の核心部分を様相言語で公理化した証明可能性論理 (provability logic) アラン・チューリングとソロモン・フェファーマンによる理論の超限的反復 比較的新しい 自己検証理論 の発見(自身を語ることができるほど強力な体系だが、ゲーデルの証明不可能性の論証の鍵となった対角線論法を適用できるほど強力でない理論体系)
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