だとう‐せい〔ダタウ‐〕【妥当性】
妥当性
妥当性
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/10/26 05:58 UTC 版)
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ある論証が、前提が全て真であれば結論も必ず真となるような形になっている時、その論証を妥当(だとう、英: validity)であるという。より厳密に表現すると、『全ての前提が真である』ことと『結論が偽である』ことが決して両立しない論証を妥当であるという。
論証が妥当であるか否かはその形によってのみ決まり、個々の文の真理値は問わない。論証の妥当性は結論が真であることを保証しない(妥当な論証でも前提に偽があれば結論も偽になりうる)し、妥当でない論証(「不当; invalid」と表現することがある)の結論が偽とも限らない。
妥当であり、かつ全ての前提が真である論証を健全な論証という。妥当性および健全性の定義により、健全な論証の結論は常に真である。
妥当な論証の例
三段論法の例として有名な以下の論証は妥当である。
例1(妥当)
- 全ての人間は死ぬ。
- ソクラテスは人間である。
- 結論:ソクラテスは死ぬ。
これは演繹的な論証であり、記号におきかえると次のように記述できる。
- 例1の一般化
- P⇒Q
- 集合P(人間)は例外なくQである(死ぬ)
- n∈P
- n(ソクラテス)はPの要素である
- 結論:n⇒Q
- nは(Pなのだから)Qである(死ぬ)
- P⇒Q
この形式を保ったまま(つまり記号にした部分だけを)任意の言葉を差し替えて別の論証を作ると、真理値は変わる可能性があるが、妥当性は形式に依拠するため保たれる。この例は元の文が妥当なので、次の文も(ナンセンスではあるが)妥当である。
例2(妥当)
- 全ての猿はバナナを好む。
- 富士山は猿である。
- 結論:富士山はバナナを好む。
例2の結論は偽である。妥当な論証の結論が真でないということから、前提のどれかが必ず偽だといえる。逆に言うと、例2の前提を(強引に)真と仮定するならば、富士山はバナナを好むと結論するのが論理的帰結となる。
妥当でない論証の例
次の論証は妥当ではない。
例3(妥当ではない)
- すべてのカラスは黒い。
- この鳥は黒い。
- 結論:この鳥はカラスである。
この場で論じられている『この黒い鳥』は、本当にカラスかも知れない。つまり結論は真でもありうる。しかしそれは前提から導かれたものではなく、『前提が全て真である』ことと『結論が偽である』ことが両立しうる。よってこの論証に妥当性は無い。
参考文献
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関連項目
外部リンク
- Validity and Soundness (英語) - インターネット哲学百科事典「妥当性と健全性」の項目。
妥当性
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/09/23 14:38 UTC 版)
「ウォズニアック・テスト」の記事における「妥当性」の解説
もし対象が弱いAIであるならば、他人の家に入ろうとプログラムが決定を下した時点ですべての可能性を検討し始め(モンテカルロ法)、結果的にすべての可能性を検討し尽くすまで対象は動くことがない(フレーム問題)。また、ドアにもさまざまな形状があり、さまざまな開け方があるので対象の外界に対する認知的ロバスト性が高くなければ対応できない。 間取りなどは対象にあらかじめ入力できないため、リアルタイム物体検知(英: Object detection)や建築構造の動的なマッピングといった能力が求められる。例えドアや間取りといった問題をクリアできたとしても、コーヒーマシン、コーヒーの粉、フィルタ、マグカップといった隠されたものを効率的に探し出すためにその家の主人と自然言語でコミュニケーションを取らなければならない(自然言語処理、英: Natural Language Processing)。これは、対象がシンボルグラウンディング問題を解決していなければならないことを意味する。さらに、コーヒーが適温かどうか、適切な力加減でコーヒーカップを持ち上げてテーブルに置けるか、といった人間社会に求められる協調性も暗に試されている。これらの問題は、2017年時点では解決されていない人工知能の重要な課題を一度に試せるといった点で優れている。
※この「妥当性」の解説は、「ウォズニアック・テスト」の解説の一部です。
「妥当性」を含む「ウォズニアック・テスト」の記事については、「ウォズニアック・テスト」の概要を参照ください。
妥当性
「妥当性」の例文・使い方・用例・文例
- この事実は彼の理論の妥当性を説明するのに役立つ
- 彼の理論にはまるっきり妥当性がない
- 彼の供述には妥当性がある。
- この議論は妥当性がない。
- 私は彼らの自己分析の妥当性を検証する。
- 最初のパラグラフでは、いわゆるサプライサイドの経済戦略というものの妥当性について疑問を呈する。
- この議論の妥当性に関する疑問はデータを見れば雲散霧消する。
- エメット理論の妥当性について再検討する必要があることを指摘しなければならない。
- 彼の立論は妥当性を欠いている.
- ガリレオはプトレマイオス(の天動)説の妥当性を疑った最初の一人だった.
- 例、説明または実験によって、何かの妥当性を確立する
- 正当性および妥当性の美的基準との適合
- その事業の妥当性には疑問の余地がない
- 明白な妥当性
- 道理をわきまえた人に対して妥当性、受容性のある性質
- 妥当性がなく、正しくない論法
- 大げさで尊大な妥当性
- 一般的に妥当性を持ったアイデアまたは結論
- 一貫性と妥当性の基準を立てるために、表現されたものを内容から引き出す論理体系
- 目の前の事に適用できるという妥当性
妥当性と同じ種類の言葉
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