妥当な論証の例
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/06 05:40 UTC 版)
三段論法の例として有名な以下の論証は妥当である。 例1(妥当) 全ての人間は死ぬ。 ソクラテスは人間である。 結論:ソクラテスは死ぬ。 これは演繹的な論証であり、記号におきかえると次のように記述できる。 例1の一般化P⇒Q集合P(人間)は例外なくQである(死ぬ) n∈Pn(ソクラテス)はPの要素である 結論:n⇒Qnは(Pなのだから)Qである(死ぬ) この形式を保ったまま(つまり記号にした部分だけを)任意の言葉を差し替えて別の論証を作ると、真理値は変わる可能性があるが、妥当性は形式に依拠するため保たれる。この例は元の文が妥当なので、次の文も(ナンセンスではあるが)妥当である。 例2(妥当) 全ての猿はバナナを好む。 富士山は猿である。 結論:富士山はバナナを好む。 例2の結論は偽である。妥当な論証の結論が真でないということから、前提のどれかが必ず偽だといえる。逆に言うと、例2の前提を(強引に)真と仮定するならば、富士山はバナナを好むと結論するのが論理的帰結となる。
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