線引き問題_(科学哲学)とは? わかりやすく解説

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線引き問題 (科学哲学)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/07/07 10:13 UTC 版)

線引き問題(せんびきもんだい、: demarcation problem)あるいは境界設定問題とは、科学哲学の世界で使われる言葉で、科学と非科学または疑似科学との間の線引きを「どこで」そして「どのようにするのか」という問題のことを指す。歴史的に、科学とそうでないものの間に線を引こうと、様々な線引きの基準が提出されてきたが、しかしそのどれもが成功している状況ではない。


  1. ^ (なお、反証可能性とそれなりに関連することであるが) 井山弘幸金森修らは、科学かそうでないかの基準として、未来に関する発言の内容が、正しいか誤っているか判明した時に発言者の信頼が影響をうけるかどうか、ということを挙げた。 (あまり一般的ではない発言ではあるが)、井山弘幸・金森修らは、例えば「霊能者は大地震が起きることを予言するが予測はしない」「科学者は大地震が起きることを予測するが予言はしない」と述べつつ、「予言(特に終末的予言)は外れることで信者の信仰心や結束力がいっそう強まる」と(歴史的事実とは異なるが、井山弘幸・金森修らは)主張し、「予測は外れることで科学者の信頼を奪う」と主張した。そして「線引きの1つの基準として、それが否定されたときに失うものの大きさが考えられる」と主張した[2]
  1. ^ 野家啓一『現代思想の冒険者たち』 24巻、講談社、1981年、98頁。ISBN 4-06-265924-7 
  2. ^ 井山・金森(2000)p.115
  3. ^ Laudan, Larry (1983). “The demise of the demarcation problem”. In Cohen, R. S. (英語). Physics, Philosophy and Psychoanalysis: Essays in Honour of Adolf Grünbaum. Boston Studies in the Philosophy of Science. Dordrecht: Springer Netherlands. pp. 111–127. doi:10.1007/978-94-009-7055-7_6. ISBN 978-94-009-7055-7. https://doi.org/10.1007/978-94-009-7055-7_6 
  4. ^ 井山・金森(2000)p.258
  5. ^ 伊勢田 哲治「境界設定問題はどのように概念化されるべきか」『科学・技術研究』第8巻第1号、2019年、5–12頁、doi:10.11425/sst.8.5 日本科学哲学会第43回年次大会、2010年11月27日。


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