数理モデルとは? わかりやすく解説

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すうり‐モデル【数理モデル】

読み方:すうりもでる

現実対象簡略化し、物理法則にしたがって諸量の関係を数学的に表したもの。とくに時間変化する現象微分方程式などで記述することを指す。近年コンピューター性能著しい向上にともない、より複雑な現象を数理モデルに基づいてシミュレーションすることが可能になった。数学モデル


数理モデル

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/12/23 04:32 UTC 版)

数理モデル すうりモデル: mathematical model)とは、ある具体的な対象や現象を抽象化、簡略化し、数学的に記述したものである。数理モデルを構築することを「数理モデル化」という。モデルは「模型」と訳され、数理モデルは「数理模型」と呼ばれることもある。数理モデルによって、対象について理解したり、それを構成する要素や要因の影響を調べたり、そのふるまいを予測したり制御したりすることができる。

数理モデルは、対象とする現象や、定式化の抽象度などによって様々なものがあり、自然科学(たとえば物理学生物学生態学疫学神経科学地球物理学気象学天文学など)と工学計算機科学電気工学機械工学航空工学など)の広範な分野で用いられるのみならず、社会科学経済学心理学社会学政治学など)、人文科学言語学計量文献学音楽学など)でも活用されている。また、産業界や軍事においても、オペレーションズ・リサーチデータサイエンスとして研究される。近年はコンピュータの性能の向上により、複雑な数理モデルでも、そのふるまいをシミュレーションによって研究することができるため、より多くの分野で用いられるようになっている。

概要

モデルとは

そもそもモデルとは何か、ということに関して様々な説明がありうるが、例えば大学生向けのあるテキストでは「モデルとは、対象とするシステムを簡略化して、その本質を表したもの」「システムを理解するために用いられる」などと解説されている。その意味では、地球のモデルとしての地球儀建造物のモデルとしての設計図人生のモデルとしての小説価値のモデルとしての金銭など様々なものがあげられる[1]

普通、モデルは現実世界のシステムに対して簡略化されているので、現実のシステムそのものを考察するのに比べると、モデルだけを対象として考察を行うことのほうが圧倒的に容易である。

モデルが現実のシステムの興味がある部分の性質を残していれば、モデルを考察することによってシステムに対する理解(あるいは解釈)を行うことが可能になったり、現実のシステムのふるまいの予測を行うことができるようになる。例えば、実際に歩き回らなくても、地図を見れば行き方がわかるし、宇宙に出なくても地球の形状や各国の分布を知ることができる。モデル化とは、興味のある本質を残して対象を大幅に簡略化することにより、理解可能にすることである。

ただし、モデルは対象そのものとは別物であり、簡略化によって必然的に対象の持っている多くの性質を失ったものとなる。モデルが対象のある側面をとりこまないことを「捨象」と言う。構築されたモデルが、元の現象を適切に記述しているか否かは、数学の外の問題で、原理的には論理的には真偽は判定不可能である。人間の直観によって判定するしかない。どこまで精緻にモデル化を行ったとしても、それは得た観察を近似する論理的な説明に過ぎない。

数理モデルと理論の違い

現象の数理モデル化においては、モデルという言葉に含意されているように、しばしばある特定の現実世界のシステムに対する模型として作られたものであり、対象とのズレ(特に近似、捨象や抽象化)が意識されていることが多い。モデルという用語と理論という用語の使い分けは分野や文脈によって異なるが、実験観察によって強く支持され、特定の状況だけでなく広く普遍的な結論を予測・演繹できる体系と認められた記述が「理論」と呼ばれる傾向がある。「理論」という場合、しばしば独自の概念の導入などを含む、より包括的な体系を指すことが多い。

例えば、ボーアによる水素原子の構造の説明は、一般に “Bohr’s model” あるいは「ボーアの原子模型」と呼ばれている。一方、シュレーディンガーによって与えられた量子力学の基礎方程式は、文献においては通常「シュレーディンガー方程式」として言及され、非相対論的量子力学で物体の運動を一般的に記述する基礎方程式として位置づけられている。ボーアの原子模型は、水素原子の線スペクトルの観察実験における、バルマー系列に現れるリュードベリ定数を他の基礎的な物理定数から説明した点や、量子条件の導入によってその後の理論発展に影響を与えた点で知られている。シュレーディンガー方程式は、非相対論的量子力学における基礎的な枠組みを与え、そこからエネルギー保存則などの一般的な性質が導かれることが知られている。

また、現代の素粒子物理学における標準模型(Standard Model)は、素粒子物理学において強い相互作用弱い相互作用電磁相互作用を統一的に記述する枠組みであり、多くの実験結果によって支持されているが、重力相互作用暗黒物質暗黒エネルギーの性質などは記述する対象から除かれている。

簡単な例

「A君が歩けば歩くほど前に進む。歩幅が広いほど前に進む。」という現象を

(距離)=(歩幅)×(歩数)

という数式で表せば、これは数理モデルである。この数理モデルは、という数学的な概念によって記述されている。このように、現実の対象を数学の中に写像する過程を「モデル化」という。この数理モデルにおいては、もはやA君が何を話しているのか、どんな表情をしているのか(気持ち、感情)、どちらの方角に向かっているのかといったようなことは全て捨象されてしまっている。しかし、世界の数的な側面についてこの式(モデル)を用いて推論をすることは、A君の歩く様子を眺めてそれを行うよりも極めて容易であり、数学の知見により、例えば、歩幅が50cmで1,000歩歩いたら500m進むということが分かる。さらに言えば、10 km歩いてきたA君の疲労困憊した顔を見た時に、この数理モデルを用いる事によって、彼が2万歩歩いたことを算出し「なるほど疲れるわけだ」と理解することもできる。

ばねの振動の例

ばねは、自然長からの伸びが小さい範囲では、伸びた長さと戻ろうとする力が比例することが知られている(フックの法則)。

力=(比例定数)×(伸び)
(
出典は列挙するだけでなく、脚注などを用いてどの記述の情報源であるかを明記してください。 記事の信頼性向上にご協力をお願いいたします。2012年6月

関連項目


数理モデル

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/19 12:01 UTC 版)

数学」の記事における「数理モデル」の解説

数理モデルは数理モデルは理想化されており、往々にして実際との間には「ずれ」が生じる、という問題はあるが、それでも、そうした分野研究に、俯瞰的視点与え研究大きな進歩や高い次元からの洞察もたらすこともある。 工学の他、社会学言語学など幅広い分野応用されている。

※この「数理モデル」の解説は、「数学」の解説の一部です。
「数理モデル」を含む「数学」の記事については、「数学」の概要を参照ください。

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