決定論とは? わかりやすく解説

けってい‐ろん【決定論】

読み方:けっていろん

哲学で、一切事象、特に自由と考えられている人間意志やそれに基づく行為は、何らかの原因によってあらかじめ全面的に決定されているとする説。必然論。デターミニズム。→偶然論


決定論

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/01/20 14:58 UTC 版)

決定論(けっていろん、: determinism: determinare)とは、あらゆる出来事は、その出来事に先行する出来事のみによって決定している、とする哲学的な立場。


  1. ^ 脳内での量子効果により意識が生まれ、それが量子力学の非決定性につながるという説(量子脳理論)もあるが、支持者は多くない[2]
  2. ^ 行動遺伝学では、遺伝子およびそれらの総体としてのゲノムを初期状態とし、それに環境の効果が加わって人間が形成されると考え、個人差が生じる原因として遺伝要因と環境要因の影響の大きさを評価する。ここでいう環境とはゲノム以外の全てを指し、子宮内環境や発達における偶然を含む。遺伝要因の大きさの尺度が遺伝率である。
  1. ^ 『自由意志の向こう側』2020年、p9
  2. ^ 『自由意志の向こう側』2020年、p19
  3. ^ 『自由意志の向こう側』2020年、p217
  4. ^ 『自由意志の向こう側』2020年、p64
  5. ^ 『自由意志の向こう側』2020年、p59
  6. ^ アダム・ベッカー『実在とは何か ――量子力学に残された究極の問い』筑摩書房、2021年、p403
  7. ^ ショーン・キャロル『量子力学の奥深くに隠されているもの コペンハーゲン解釈から多世界理論へ』青土社、2020年、p376
  8. ^ 野村泰紀『マルチバース宇宙論入門 私たちはなぜ〈この宇宙〉にいるのか』星海社、2017年、5章
  9. ^ 『自由意志の向こう側』2020年、p217、p228
  10. ^ マイケル・S. ガザニガ『〈わたし〉はどこにあるのか: ガザニガ脳科学講義』紀伊國屋書店、2014年
  11. ^ a b ロビン・ハンソン、ケヴィン・シムラー『人が自分をだます理由:自己欺瞞の進化心理学』原書房、2019年、p119
  12. ^ カール・ポパー「歴史哲学への多元論的アプローチ」『フレームワークの神話』pp. 229–265. 1998年
  13. ^ a b 小畑二郎「科学技術の革新と資本主義(1) ポパー科学理論の再検討」経済学季報68巻1号、p85-114.2018.


「決定論」の続きの解説一覧

決定論

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/04 16:59 UTC 版)

自由意志」の記事における「決定論」解説

決定論は、様々な意味を持つ幅広い用語である。それぞれの異なる意味に対応して自由意志に関する異な問題生じる。因果的ないし単調的決定論とは、未来事象自然法則を伴う過去および現在の事象によって必然化されているという主張である。このような決定論は、時としてラプラスの悪魔という思考実験によって表現される過去および現在のあらゆる事実そして宇宙支配するあらゆる自然法則知っている存在というものを想定してみればよい。このような存在は、未来を最も細部に至るまで予測するために、この知識利用することができるかもしれない他方で、論理学的決定論とは、あらゆる命題は、それが過去に関する命題であれ、現在あるいは未来に関する命題であれ、真か偽のいずれかであるという考え方である。自由意志問題は、この文脈では、未来におけるある事柄が現在において既に真か偽に定まっているにもかかわらず、その選択が自由であることがありえるのかという問題行き着くまた、神学的決定論の主張によれば人類が行おうとするあらゆる事柄を、彼らの行為全知というある形式通じてあらかじめ知ることによって、あるいは彼らの行為をあらかじめ定めておくことによって決定する神が存在する自由意志問題は、この文脈では、もし私たち人間のために時の流れ最初からその行為決定した存在というものがいるならば、どうして私たち人間行為が自由でありえるのかという問題行き着く生物学的決定論の見解によればあらゆる振舞信念および欲求は、私たち生来的な性質によって固定されている。この他にも、文化的決定論や心理的決定論などを含む様々な決定論がある。もっとも、これらの決定論的な主張が、例えば氏と育ち複合的決定論のように、結び付けられるのが普通である。

※この「決定論」の解説は、「自由意志」の解説の一部です。
「決定論」を含む「自由意志」の記事については、「自由意志」の概要を参照ください。


決定論

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/12 12:58 UTC 版)

汎神論」の記事における「決定論」解説

哲学者チャールズ・ハーツホーンは、スピノザストア派などの決定論的な哲学を「古典的汎神論」という用語で表現した汎神論(すべては神なり)は、しばしば一元論(すべては一つなり)と関連しており、論理的には決定論(すべては今なり)を意味するとする意見もある。このような形の汎神論は「極端な一元論」と呼ばれており、ある解説者言葉借りれば『我々の想定される決定含めて神がすべてを決定している』ということになる。 決定論に傾いた汎神論他の例としては、ラルフ・ウォルドー・エマーソンヘーゲルのものがある。 決定論は量子物理学においてアインシュタインニールス・ボーアの間で行われた有名なボーア・アインシュタイン論争テーマともなった一例として優先的一元論には以下のような命題がある。 全体が(量子もつれによる)創発的な性質持っている全体創発的な性質持っているなら、全体部分よりも先にある。 全体部分先行する優先的一元論は以下の項目で定義する

※この「決定論」の解説は、「汎神論」の解説の一部です。
「決定論」を含む「汎神論」の記事については、「汎神論」の概要を参照ください。


決定論

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/23 01:54 UTC 版)

ピエール=シモン・ラプラス」の記事における「決定論」解説

決定論者である。これから起きすべての現象は、これまで起きたことに起因する考えた。ある特定の時間宇宙すべての粒子原子のこと)の運動状態が分かればこれから起きすべての現象はあらかじめ計算できるという考え方である。 「ラプラスの悪魔」を参照 この考え方は、決定論のなかでも特に、全ての事象原因と結果因果律支配されているがゆえに未来一意的に決定的であるとする「因果的決定論」の典型的なモデルである。一方でラプラス死後登場した量子論考え方には、コペンハーゲン解釈正しいとするならばこの考え方成り立たないとする批判がある。 ラプラスの言う「ラプラスの悪魔」とは、「ある瞬間における全ての物質力学的態と力を知ることができ、かつそれらのデータ解析できるだけ能力知性」(すなわち因果的決定され未来を完全に見通すことができる者)の存在仮定した空論上の概念的存在である。

※この「決定論」の解説は、「ピエール=シモン・ラプラス」の解説の一部です。
「決定論」を含む「ピエール=シモン・ラプラス」の記事については、「ピエール=シモン・ラプラス」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「決定論」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ

「決定論」の例文・使い方・用例・文例

Weblio日本語例文用例辞書はプログラムで機械的に例文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。



固有名詞の分類


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「決定論」の関連用語

決定論のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



決定論のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
デジタル大辞泉デジタル大辞泉
(C)Shogakukan Inc.
株式会社 小学館
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの決定論 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaの自由意志 (改訂履歴)、汎神論 (改訂履歴)、ピエール=シモン・ラプラス (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。
Tanaka Corpusのコンテンツは、特に明示されている場合を除いて、次のライセンスに従います:
 Creative Commons Attribution (CC-BY) 2.0 France.
この対訳データはCreative Commons Attribution 3.0 Unportedでライセンスされています。
浜島書店 Catch a Wave
Copyright © 1995-2024 Hamajima Shoten, Publishers. All rights reserved.
株式会社ベネッセコーポレーション株式会社ベネッセコーポレーション
Copyright © Benesse Holdings, Inc. All rights reserved.
研究社研究社
Copyright (c) 1995-2024 Kenkyusha Co., Ltd. All rights reserved.
日本語WordNet日本語WordNet
日本語ワードネット1.1版 (C) 情報通信研究機構, 2009-2010 License All rights reserved.
WordNet 3.0 Copyright 2006 by Princeton University. All rights reserved. License
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
「斎藤和英大辞典」斎藤秀三郎著、日外アソシエーツ辞書編集部編
EDRDGEDRDG
This page uses the JMdict dictionary files. These files are the property of the Electronic Dictionary Research and Development Group, and are used in conformance with the Group's licence.

©2024 GRAS Group, Inc.RSS