ピーター・ギーチとは? わかりやすく解説

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ピーター・ギーチ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/10/03 23:59 UTC 版)

ピーター・ギーチ
Peter Geach
生誕 1916年3月29日
イギリス
イングランドロンドン
死没 2013年12月21日(2013-12-21)(97歳)
イギリス
イングランドケンブリッジ
時代 20世紀の哲学
地域 西洋哲学
学派 分析哲学
研究分野 哲学的論理学歴史哲学宗教哲学
主な概念 分析的トマス主義、全能の逆説
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ピーター・トマス・ギーチ(Peter Thomas Geach、1916年3月29日 - 2013年12月21日)は、イギリス哲学者。専門は歴史哲学哲学的論理学同一性理論。妻のアンスコムと共にウィトゲンシュタインから影響を受けたカトリックの哲学者として知られる。

オックスフォード大学ベリオール・カレッジ出身。バーミンガム大学1951年 - 1966年)とリーズ大学1966年 - 1981年)で教鞭を執った[1]

その哲学的業績のため、ローマ教皇庁から教皇の十字形「プロー・エックレシアー・エト・ポンティフィケー」を授与された。

思想

初期の主著には『Mental Acts』と『Reference and Generality』があり、そのうち後者は近代的な指示 (referenceの概念の、中世代示理論に対する優位性を主張している。

カトリックの信仰と統合された哲学を展開し、トマス主義と分析哲学の統合を図る分析的トマス主義の創始者と考えられている(しかし、彼とエリザベス・アンスコムの著作を通じて今日まで存続している思想は表面上ジョン・ハルデンによって40年後に言及されているのみである)。ギーチは、人間は本性上合理的な動物であり、個々が奇跡的に創造されているというトマス・アクィナスの立場を擁護する。また、ダーウィン的理性を人間にとって非本質的であると見なす考え方を、「詭弁的で、ばかばかしく、哀れな考えにすぎない」として一蹴し、動物言語の使用を「物や行動による手振りからの連想」にすぎないとして否認している。

ギーチはプラグマティズム認識論の真理概念を退け、アクィナスの真理の対応説を擁護している。究極的な真理の創造者たる自体に由来する真理のみが存在すると彼は主張した。ギーチによれば、「神は、真理である」。

妻は哲学者、ヴィトゲンシュタイン研究者のG・E・M・アンスコム[1]。夫婦はローマ・カトリックに改宗し、1941年に結婚して7人の子供を授かっている[2]。夫婦の共著として1961年に『哲学の三人―アリストテレス・トマス・フレーゲ』を書いているが、アンスコムがアリストテレスを担当し、ギーチがアクィナスフレーゲを担当した[1]。ギーチとアンスコムは1954年にコランバ・ライアン神父が始めたスタッフォードシャーのスポード・ハウスで毎年行われるカトリック哲学者の会合『哲学探究会』(Philosophical Enquiry Group)の主導的な人物であった[3]

主著

  • (edited, with Max Black) Translations from the Philosophical Writings of Gottlob Frege, 1952/1960/1966
  • "Good and Evil," Analysis (1956)
  • Mental Acts: Their Content and Their Objects, 1957/1997
  • Three Philosophers: Aristotle; Aquinas; Frege (with G.E.M. Anscombe), 1961
  • Reference and Generality: An Examination of Some Medieval and Modern Theories, 1962
  • History of the corruptions of logic, inaugural lecture, University of Leeds, 1968
  • God and the Soul, 1969/2001
  • Logic Matters, 1972
  • Reason and Argument, 1976
  • "Saying and Showing in Frege and Wittgenstein," Acta Philosophica Fennica 28 (1976): 54-70
  • Truth, Love, and Immortality: An Introduction to McTaggart's Philosophy, 1979
  • (edited) Wittgenstein’s Lectures on Philosophical Psychology, 1946–47: Notes by P.T. Geach, K.J. Shah, and A.C. Jackson, 1989
  • Logic and Ethics (edited by Jacek Holowka), 1990
  • Truth and Hope: The Furst Franz Josef und Furstin Gina Lectures Delivered at the International Academy of Philosophy in the Principality of Liechtenstein, 1998 (ISBN 0-268-04215-2)

邦訳

脚注




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