構成主義 (数学)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/11/11 02:33 UTC 版)
数学の哲学において、構成主義(こうせいしゅぎ、英: constructivism)とは、「ある数学的対象が存在することを証明するためには、それを実際に見つけたり構成したりしなければならない」という考えのことである。標準的な数学においてはそうではなく、具体的に見つけることなしに背理法によって存在を示す、すなわち存在しないことを仮定して矛盾を導くことがよくある。この背理法というものは構成的に見ると十分ではない。構成的な見地は、古典的な解釈をもって中途半端なままである、存在記号の意味を確かめることを含む。
構成主義には多くの形があり、以下のようなものが含まれる[1]。
- ブラウワーによって創始された直観主義のプログラム
- ヒルベルトならびにベルナイスの有限主義
- ShaminならびにMarkovの構成的で再帰的な数学
- 構成的解析学であるBishopのプログラム
- CZFやトポス論の研究のような構成的集合論の研究
構成主義はしばしば直観主義と同一視されるが、直観主義は構成主義者のプログラムのひとつでしかない。直感主義では数学者個人の直観のなかに数学の基礎が置かれることを支持し、それによって数学は本質的に主観的活動となる[2]。他の形の構成主義は、こうした直観的見地に基づくものではなく、数学に対する客観的見地と両立できるものである。
構成可能な数学
多くの構成主義的数学者が、本質的には排中律を含まない古典論理である、直観主義論理を用いている。排中律は、任意の命題に対して、その命題が真であるかもしくはその命題の否定が真であることを主張する。直観主義論理では、排中律を全否定するのではなく、排中律の特殊なケースを証明可能とする。これは単に、一般法則(排中律)を公理と仮定するわけではないということである。直観主義論理でも、(矛盾する複数の言明が同時に真にならないことを主張する)無矛盾律は有効である。
例えばハイティング算術では、量化子を含まない任意の命題 p に対して、
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