数学上の未解決問題
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2026/09/30 03:57 UTC 版)
数学上の未解決問題(すうがくじょうのみかいけつもんだい、英: unsolved problems in mathematics)とは、未だ解決されていない数学上の問題である。未解決問題の定義を「未だ証明が得られていない命題」という立場を取るのであれば、そういった問題は数学界に果てしなく存在するが、ここでは、リーマン予想のようにその証明結果が数学全域と関わりを持つような命題、P≠NP予想のようにその結論が現代科学、技術のあり方に甚大な影響を及ぼす可能性があるような命題、問いかけの単純明快さ故に数多くの数学者達が証明を試みてきたような有名な命題のみを列挙する。
ヒルベルトの23の問題
1900年にダフィット・ヒルベルトによりまとめられた23の未解決問題。半数以上が解決されているが、現代でも未解決な問題が残っている。
ミレニアム懸賞問題
2000年に発表された7つの未解決問題。数学的に重要な意味があるとされ、クレイ数学研究所によってそれぞれ100万ドルの懸賞金が懸けられている。
主な未解決問題
以下では、特に断りがない限り、n は自然数とし、記数法は十進法とする。
「―は無数に存在するか」系
- 双子素数は無数に存在するか。
- 三つ子素数は無数に存在するか。
- 四つ子素数は無数に存在するか。
- メルセンヌ素数は無数に存在するか。
- 等価の問題として、偶数の完全数は無数に存在するか。
- 合成数のメルセンヌ数 Mp ( p は素数 )は無数に存在するか
- 階乗素数は無数に存在するか。
- 素数階乗素数は無数に存在するか。
- 正則素数は無数に存在するか。
- 幸運素数は無数に存在するか。
- カレン素数は無数に存在するか。
- ウッダル素数は無数に存在するか。
- プロス素数は無数に存在するか。
- ピアポント素数は無数に存在するか。
- サービト素数は無数に存在するか。
- エマープは無数に存在するか。
- 回文素数は無数に存在するか。
- レピュニット素数は無数に存在するか。
- ハッピー素数は無数に存在するか。
- フィボナッチ素数は無数に存在するか。
- リュカ素数は無数に存在するか。
- ペル素数は無数に存在するか。
- ソフィー・ジェルマン素数は無数に存在するか。
- 長さ n ( ≧2 ) のカニンガム鎖は無数に存在するか。
- 正の約数の総和が素数になる自然数は無数に存在するか。
- 3個の素数の積であるカーマイケル数は無数に存在するか
- 調和数は無数に存在するか。
- 超完全数は無数に存在するか。
- 乗法的完全数は無数に存在するか。
- 友愛数は無数に存在するか。
- 婚約数は無数に存在するか。
- 社交数は無数に存在するか。
- サブライム数は無数に存在するか。
- ルース=アーロン・ペアは無数に存在するか。
「―は存在するか」系
- 奇数の完全数は存在するか。
- 一般に、1以外の奇数の倍積完全数は存在するか。
- 奇数の超完全数は存在するか。
- 準完全数は存在するか。
- 概完全数は2の冪(1, 2, 4, 8, 16, ...)以外に存在するか。
- 偶数と奇数の組の友愛数は存在するか。
- 互いに素な友愛数は存在するか。
- 偶数同士、奇数同士の婚約数は存在するか。
- 3個組の社交数は存在するか。
- 7個組の社交数は存在するか。
- 10個組の社交数は存在するか。
- 1以外の奇数の調和数は存在するか。
- 奇数の不思議数は存在するか。
- 奇数のサブライム数は存在するか。
- 合成数のフォーチュン数は存在するか。
- リクレル数は存在するか。
- n! ± 1 がともに素数である n は3以外に存在するか。
- n2 と (n + 1)2の間に必ず素数は存在するか。(ルジャンドル予想)
- ウォルステンホルム素数は16843と2124679以外に存在するか。
- ウィルソン素数は5, 13, 563以外に存在するか。
- 累乗数のトリボナッチ数は1,4,81,3136,10609以外に存在するか。
- 累乗数のテトラナッチ数は1,4,8以外に存在するか。
- 累乗数のペンタナッチ数は1,4,8,16以外に存在するか。
- 累乗数のパドヴァン数は1,4,9,16,49以外に存在するか。
- 平方数の因数をもつメルセンヌ数 Mp ( p は素数 )は存在するか。
- 平方数の因数をもつフェルマー数は存在するか。
- 素数のフェルマー数 Fn ( n≧5 ) は存在するか。
- 6個以下の6乗数の和で表すことができる6乗数は存在するか。
- 正規数でない代数的数かつ無理数である数は存在するか。
「―はいくつか」系
「―は超越数か」系
また、これらの無理数度の値は何か?
- π + e は超越数か。
- π - e は超越数か。
- πe は超越数か。
- π/e は超越数か。
- πeは超越数か。
- π√2 は超越数か。
- ππ は超越数か。
- eπ2 は超越数か。
- ln π は超越数か。
- 2e は超越数か。
- ee は超越数か。
- γ(オイラーの定数)は超越数か。
- カタランの定数 は超越数か。
- ヒンチンの定数 は超越数か。
- フィボナッチ数列の逆数和 は超越数か。
- ブルン定数 は超越数か。
分野別主な未解決問題
数論
ゼータ関数・L関数の零点に関する予想
素数の分布に関する予想
ディオファントス方程式
加法的整数論
ラングランズ・プログラム
その他
代数学
代数幾何学
解析学
- ナビエ-ストークス方程式の解の存在と滑らかさ[注釈 2]
- ヤン–ミルズ方程式と質量ギャップ問題
- 掛谷問題
- レーマーの予想
- シャヌエルの予想
- 素数計数関数 π (x) が対数積分 li (x) より大きくなる最小の x は何か。
ユークリッド幾何学
離散数学
計算複雑性理論
近年解決された主な問題
- 連続体仮説(1963年)
- オイラー予想(1966年)
- ヴェイユ予想(1974年)
- 四色問題(1977年)
- ビーベルバッハ予想(1985年)
- フェルマーの最終定理(1994年)
- ケプラー予想(1998年)
- 谷山–志村予想(1999年)
- 加藤予想(2001年)
- カタラン予想(2002年)
- ポアンカレ予想(2002年)
- 強パーフェクトグラフ予想(2002年)
- 有限単純群の分類(2004年)
- グリーン・タオの定理(2004年)
- 佐藤・テイト予想(2006年)
- 弱いゴールドバッハ予想(2013年)[3][4][5]
- 五角形のタイル張り(2017年)[注釈 4]
- アインシュタイン問題(2023年)
- ソファ問題(2024年)[注釈 3]
- 3次元掛谷予想(2025年)
- ヤコビアン予想(2026年)[注釈 5]
脚注
注釈
- 1 2 望月新一により証明が提出され、現在も精査中であるが、未だ数学界での同意が得られていない。
- ↑ OpenAIらによって証明の論文とLeanのデータが提出された[1]。より強い予想である周期性条件を外した空間についての場合は現在未解決。
- 1 2 2024年11月29日、韓国・延世大学校の博士研究員 Jineon Baek (백진언) によって、ソファ問題を解決したとする論文が arXiv に投稿され[2]、現在精査中。
- ↑ 2017年、Michaël Raoによって、平面をタイル張りできる凸五角形が既知の15種類ですべてであることを示す計算機支援による証明が発表された[6]。2026年には、Shintaro Sakaiによって、k-アイソヘドラル・タイル張りの構造的枠組みに基づき、この15種類の分類が完全であることを示す3本の論文が発表された[7][8][9]。
- ↑ 3変数以上のヤコビアン予想に対して反例が発見された。2変数の場合は依然として未解決。
出典
- ↑ “On the Navier–Stokes Millennium Prize Problem” (英語). OpenAI (2026年9月6日). 2026年9月12日閲覧。
- ↑ Baek, Jineon (2024年11月29日). “Optimality of Gerver's Sofa”. arXiv:2411.19826 [math.MG].
- ↑ Helfgott, Harald A. (2013). “Major arcs for Goldbach's theorem”. arXiv:1305.2897 [math.NT].
- ↑ Helfgott, Harald A. (2012). “Minor arcs for Goldbach's problem”. arXiv:1205.5252 [math.NT].
- ↑ Helfgott, Harald A. (2013). “The ternary Goldbach conjecture is true”. arXiv:1312.7748 [math.NT].
- ↑
Rao, Michaël (2017). “Exhaustive search of convex pentagons which tile the plane”. arXiv:1708.00274.
{{cite arXiv}}: CS1メンテナンス: classが不足 (カテゴリ) - ↑ Sakai, Shintaro (2026). “A Valence-Based Structural Framework for k-Isohedral Tilings of Convex Pentagon”. Geombinatorics Quarterly. XXXV (4): 131.
- ↑ Sakai, Shintaro (2026). “Structural Analysis of k-Isohedral Tilings of Convex Pentagons: The Cases k = 2 and k = 3”. Geombinatorics Quarterly. XXXVI (1): 5–23.
- ↑ Sakai, Shintaro (2026). “Structural Constraints on k-Isohedral Tilings of Convex Pentagons: The Case k ≥ 4 and the Nonexistence of Aperiodic Tilings”. Geombinatorics Quarterly. XXXVI (2): 83.
関連書籍
- 「数学100の問題 歴史を彩る発見と挑戦のドラマ」 数学セミナー増刊 日本評論社 1984年9月25日
関連項目
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