準完全数とは? わかりやすく解説

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完全数

(準完全数 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/04/02 22:59 UTC 版)

完全数の一つである6の図解

完全数(かんぜんすう、: perfect number)とは、自分自身を除く正の約数の和が自分自身に等しくなる自然数のことである。完全数は素数ではあり得ず、合成数に限られる。完全数の最初の4個は 6 (= 1 + 2 + 3)28 (= 1 + 2 + 4 + 7 + 14)496 (= 1 + 2 + 4 + 8 + 16 + 31 + 62 + 124 + 248)8128 (= 1 + 2 + 4 + 8 + 16 + 32 + 64 + 127 + 254 + 508 + 1016 + 2032 + 4064) である。

「完全数」は「万物は数なり」と考えたピタゴラスが名付けた数の一つであることに由来する[1]が、彼がなぜ「完全」と考えたのかについては何も書き残されていないようである[1]。紀元1世紀ごろは、全ての数は過剰数不足数と完全数の3種類に分けられて、道徳的な意味付けが真剣に考えられた[2]中世の『聖書』の研究者は、「6 は『神が世界を創造した(天地創造)6日間』、28 は『公転周期』で、これら2つの数は地上と天界における神の完全性を象徴している」[1]と考えたとされる[3]古代ギリシアの数学者は他にもあと2つの完全数 (496, 8128) を知っていた[1]。以来、完全数はどれだけあるのかの探求が2500年以上のちの現在まで続けられている。

完全数の定義は、正の約数の総和が自分自身の2倍に等しいことと同値である。すなわち、N が完全数であるとは、約数関数 σ に対して σ(N) = 2N が成り立つことであると表現できる。また、正の約数の逆数和が 2 であると表現することもできる。

歴史

完全数に関する数学上の最初の成果は紀元前3世紀ごろのユークリッドによってもたらされた。彼は『原論』(第9巻、命題36)で、「2n − 1素数ならば、2n−1(2n − 1) は完全数である」ということを証明した[注釈 1]2n − 1 で表される数をメルセンヌ数といい、それが素数である場合をメルセンヌ素数という。

古代から、6、28、496、8128の4つの数が完全数であることは知られており、ゲラサのニコマコスの『算術入門』には4つの完全数に関する記述が存在する[4]

ユークリッドの公式は2以上の n に対して偶数の完全数しか生成しない(1のときは唯一の1倍完全数である1になる)が、逆に偶数の完全数が全て 2n−1(2n − 1) の形で書けるかどうかは18世紀までは未解決であった。レオンハルト・オイラーは偶数の完全数がこの形に限ることを証明した[5][6][注釈 2]

メルセンヌ素数の探索は、エドゥアール・リュカデリック・ヘンリー・レーマー英語版によってメルセンヌ数が素数であるかどうかの効率的な判定法が考案され、1950年代からコンピュータが使われるようになる。現在では分散コンピューティング GIMPS による探求が行われていて、2024年11月 (2024-11)現在で判明している最大のメルセンヌ素数は4102万4320桁の数である[8]

数学上の未解決問題
偶数の完全数は無数にあるか。また、奇数の完全数は存在するか。

2024年11月 (2024-11)現在発見されている完全数はメルセンヌ素数と同じく52個である。紀元前より考察されている対象であるにもかかわらず、「偶数の完全数は無数に存在するか?」「奇数の完全数は存在するか?」という問題は未解決である。

概要

完全数は、小さい順に

6, 28, 496, 8128, 33550336, 8589869056, …オンライン整数列大辞典の数列 A000396

である。

各完全数の正の約数の総和は

12, 56, 992, 16256, 67100672, 17179738112, …オンライン整数列大辞典の数列 A139256

隣り合う完全数の差は

22, 468, 7632, 33542208, 8556318720, …オンライン整数列大辞典の数列 A139228

完全数の総和の列は

6, 34, 530, 8658, 33558994, …オンライン整数列大辞典の数列 A092336

である。

628 がなぜ「完全」であるかは中世の学者の議論の対象になり、6 は神が創造した1週間(日曜日は神が天地創造を終えて休んだ安息日で、キリスト教ではこれを除外する)、28 は「公転周期」とされた[1]聖アウグスティヌス(? - 604年)はこれとは一線を画し、「6 はそれ自体完全な数である。神が万物を6日間で創造したから 6 が完全なのでなく、むしろ逆が真である」としている[1]

偶数の完全数 2p−1(2p − 1) = (Mp+1)Mp/2Mp 番目の三角数であり、Mp+1/2 番目の六角数でもある。

完全数の分類

偶数の完全数

偶数の完全数は、Mp = 2p − 1素数のときの 2p−1Mp に限る(ユークリッド、オイラー)。

ユークリッドの証明

2p−1Mp が完全数であることの証明:[9]


準完全数 (quasiperfect number)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/24 03:48 UTC 版)

完全数」の記事における「準完全数 (quasiperfect number)」の解説

n が準完全数であるとは、正の約数の和が 2n + 1等しいことと定義される過剰数一種そのような数はいまだにつかっていないが、存在するならばそれは奇数平方数で 1035 より大きく少なくとも7つ約数を持つということ示されている。

※この「準完全数 (quasiperfect number)」の解説は、「完全数」の解説の一部です。
「準完全数 (quasiperfect number)」を含む「完全数」の記事については、「完全数」の概要を参照ください。

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