ふそく‐すう【不足数】
不足数
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/06/13 23:12 UTC 版)
不足数(ふそくすう、英: deficient number)とは、その約数の総和が元の数の 2 倍より小さい自然数のことである。この不足数の定義は「その数自身を除く約数の総和が元の数より小さくなるような数」と同値である。
例えば、15 の約数の総和は 1 + 3 + 5 + 15 = 24 < 15 × 2 であるので 15 は不足数である。もしくは「15 の自身を除く約数の総和は 1 + 3 + 5 = 9 < 15 であるので 15 は不足数」と考えてもよい。約数関数を用いると σ(n) < 2n を満たす n が不足数である。不足数は無数に存在し、そのうち最小の数は 1 である。

不足数を 1 から小さい順に列記すると
- 1, 2, 3, 4, 5, 7, 8, 9, 10, 11, 13, 14, 15, 16, 17, 19, 21, 22, 23, 25, 26, 27, 29, 31, …(オンライン整数列大辞典の数列 A005100)
全ての素数 p は約数の総和が σ(p) = 1 + p < 2p であるので不足数である。また、5 以上の素数 p を 2 倍した偶数 2p の約数の総和は σ(2p) = 1 + 2 + p + 2p < 2p × 2 となるので不足数である。素数は無数にあるので偶数の不足数も奇数の不足数も無数に存在する。また不足数や完全数の約数は全て不足数となる。
σ(n) = 2n − 1 を満たす n は不足数であり、概完全数と呼ばれる。概完全数は無数にあり、そのうち最小の数は 1 であるが、2の冪 2k (= 1, 2, 4, 8, …) の形をした数しか見つかっておらず他の形をした概完全数が存在するのかどうかは分かっていない。
関連項目
外部リンク
- Weisstein, Eric W. "Deficient Number". mathworld.wolfram.com (英語).
不足数
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/02 03:12 UTC 版)
6以外の半素数は全て不足数である。 (証明) p = q の場合は、全てのnについて、nの約数の和 = 1 + p + n = 2n - (n - n {\displaystyle {\sqrt {n}}} - 1) < 2n であることが示される。(n - n {\displaystyle {\sqrt {n}}} - 1 はn≧4 において正かつ単調増加) p ≠ q の場合も、n = pq≧6とすれば pとqのどちらかは必ず3以上である。仮に q≧3 とし、 nの約数の和 = 1 + p + q + n = ( p + 1 )( q + 1 ) と、2n( = 2pq) の比をとれば ( p + 1 ) ( q + 1 ) 2 n {\displaystyle {\frac {(p+1)(q+1)}{2n}}} = ( p + 1 ) ( q + 1 ) 2 p q {\displaystyle {\frac {(p+1)(q+1)}{2pq}}} = p + 1 p {\displaystyle {\frac {p+1}{p}}} × q + 1 q {\displaystyle {\frac {q+1}{q}}} ÷ 2 ≦ 3 2 {\displaystyle {\frac {3}{2}}} × 4 3 {\displaystyle {\frac {4}{3}}} ÷ 2 =1 となる。 n = 6のときに比は 1 となり、 p、q≧1で単調減少であるので、n > 6では比は1より小さい。 以上により、6以外の全ての半素数 n について、nの約数の和は2nより小さいことが示され、nが不足数であることが証明される。
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