ゴールドバッハの予想とは? わかりやすく解説

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ゴールドバッハ‐の‐よそう〔‐ヨサウ〕【ゴールドバッハの予想】

読み方:ごーるどばっはのよそう

《「ゴルドバッハの予想」とも》整数論における素数についての未解決問題一つ。「4以上のすべての偶数二つ素数の和で表すことができる」というもの。ここでは同じ素数2度使ってもよいとする。名称は18世紀半ばプロイセン数学者クリティアン=ゴールドバッハレオンハルト=オイラー宛てた書簡述べたことに由来する


ゴールドバッハの予想

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/08/06 12:45 UTC 版)

数学上の未解決問題
すべての 2 よりも大きな偶数は2つの素数の和として表すことができるか
ゴールドバッハの予想
1742年6月7日の日付のゴールドバッハからオイラーに宛てた(ラテン語とドイツ語で書かれた)手紙[1]
分野 数論
提出者 クリスティアン・ゴルトバハ
提出時期 1742年
公開問題 Yes
結果 弱いゴールドバッハ予想

ゴールドバッハの予想(ゴールドバッハのよそう、英語: Goldbach's conjecture)とは、次のような加法整数論上の未解決問題の1つである。ゴールドバッハ予想ゴルドバッハの予想とも呼ばれる[2]

すべての 2 よりも大きな偶数は2つの素数の和として表すことができる[3]。このとき、2つの素数は同じであってもよい。

この予想はウェアリングの問題などと共に古くから知られ、クリスティアン・ゴールドバッハ(Christian Goldbach, 1690年 - 1764年)がレオンハルト・オイラーへの書簡(1742年)で定式化して述べたことからこの名前がついている[4]

4 × 1018 までの4以上のすべての整数について成立することが2015年に確認されていて[5]、一般に正しいと想定されているが、多くの努力にもかかわらず未だに証明されていない。

概要

4 から 28 までの偶数を 2つの素数の和としてあらわした。ゴールドバッハは全ての 2よりも大きい偶数が少なくとも一通りで 2つの素数の和として表すことができることを予想した。
偶数を二つの素数で表す方法が何通りあるか表したグラフ。

予想には、ほとんど同値ないくつかの述べ方があり、次のように述べることが多い:

4以上の全ての偶数は、二つの素数の和で表すことができる。
6以上の全ての偶数は、二つの奇素数の和で表すことができる。
 素数のうち偶数であるのは、2 のみであるから、偶素数同士の和となるのは、4=2+2 であり、4 のみである。

例えば、6以上で22までの偶数を奇素数の和で表す場合は、

 6 = 3 + 3
 8 = 3 + 5
10 = 7 + 3 = 5 + 5
12 = 5 + 7
14 = 3 + 11 = 7 + 7
16 = 3 + 13 = 5 + 11
18 = 5 + 13 = 7 + 11
20 = 3 + 17 = 7 + 13
22 = 11 + 11 = 19 + 3 = 17 + 5

のように、二つの奇素数の和で表すことができる。2012年現在、4×1018までの全ての偶数について成り立つことが、コンピュータによって確かめられている[6]

ゴールドバッハはこの予想を更に緻密にして、こう予想した。

5より大きな任意の自然数は、三つの素数の和で表せる。

これから上が導けるのは、偶数を三つの素数の和で表すと素数の一つは 2 になっているからである(奇数+奇数+奇数=奇数になる。和が偶数になるには、奇数+奇数+偶数か、偶数+偶数+偶数しかない)。

多くの数学者は、素数分布の確率に関する統計学的な観察から、この予想は正しいと考えている(偶数が大きければ大きいほど、二つの素数の和で表されるというのはより"ありそうな"ことなのである)。

類似の予想として、「弱いゴールドバッハ予想」というものがある。これは5より大きい奇数は三つの素数の和で表せるという予想である。4より大きい偶数が二つの奇素数の和で表せるという「強いゴールドバッハ予想」が正しいならば、弱いゴールドバッハ予想も真である。これは

偶数 n (4 ≤ n ≤ 1,000) を二つの素数の和に分解する方法の数, オンライン整数列大辞典の数列 A002375
偶数 n (4 ≤ n ≤ 1,000,000) を二つの素数の和に分解する方法の数

素数の確率分布に焦点を当てた統計的考察から、十分大きな整数における本予想(強い予想および弱い予想)の成立が示唆される。一般に大きな数であるほど二つ三つの数の和に分解する方法も多くなるので、そのような和の中に一つは全て素数のものがあったとしても不思議ではない。

強い予想についてのヒューリスティックかつ確率論的な議論は、大まかには次のようなものである。素数定理によれば、無作為に選択した整数 m が素数である確率は 1/ln m である。故に十分大きな偶数 n に対し m3 ≤ mn/2 を満たすとき、mnm が共に素数である確率は 1/(ln m ln(nm)) となる。このことから、十分大きな偶数 n を二つの素数の和に分解する方法の数は概ね

出典は列挙するだけでなく、脚注などを用いてどの記述の情報源であるかを明記してください。 記事の信頼性向上にご協力をお願いいたします。2012年9月

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