素数定理とは? わかりやすく解説

そすう‐ていり【素数定理】

読み方:そすうていり

整数論における素数についての定理の一。π(x)をxより大きくない素数の個数とすると、x→∞に対し、π(x)はx/log x近似できるlogは底e自然対数ドイツ数学者ガウスが、となり合う素数同士平均間隔は、およそその桁数比例することを示した


素数定理

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/14 01:11 UTC 版)

素数定理(そすうていり、: Prime number theorem: Primzahlsatz)とは自然数の中に素数がどのくらいの「割合」で含まれているかを述べる定理である。整数論において素数が自然数の中にどのように分布しているのかという問題は基本的な関心事である。しかし、分布を数学的に証明することは極めて難しく、解明されていない部分が多い。この定理はその問題について重要な情報を与える。


注釈

  1. ^ x/π(x) は、おおよそのところ、x 以下における隣り合う素数の差の平均である。

出典

  1. ^ Gauss, C. F. (1863), Werke(全集), 第2巻 (1st ed.), Göttingen: Teubner, pp. 444–447, https://archive.org/details/carlfriedrichgu00gausgoog/page/444/mode/2up .
  2. ^ チェビシェフの定理を参照。
  3. ^ 1859年の論文「与えられた数より小さい素数の個数について
  4. ^ Hadamard 1896.
  5. ^ Selberg 1949.
  6. ^ Erdős 1949.
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  9. ^ π(x):A006880
  10. ^ Difference between pi(10^n) and the integer nearest to 10^n / log(10^n).:A057835
  11. ^ Difference between nearest integer to Li(10^n) and pi(10^n), where Li(x) = integral of log(x) and pi(10^n) = number of primes <= 10^n:A057752
  12. ^ Integer nearest to 10^n / log(10^n). x:A057834
  13. ^ Integer nearest to Li(10^n), where Li(x) = integral(0..x, dt/log(t)).:A057754
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素数定理

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/21 05:53 UTC 版)

素数計数関数」の記事における「素数定理」の解説

18世紀末には、π(x) が x ln ⁡ x {\displaystyle {\frac {x}{\operatorname {ln} x}}} に漸近近似できること、即ち lim x → ∞ π ( x ) x / ln ⁡ x = 1 {\displaystyle \lim _{x\to \infty }{\frac {\pi (x)}{x/\operatorname {ln} x}}=1} が成り立つであろうということが、カール・フリードリヒ・ガウスにより予想されていた。1850年頃にパフヌティ・チェビシェフは、この等式左辺がもし極限を持つならば、それは1でなくてはならないことを示したその後もこの予想長らく証明されなかったが、1896年になってジャック・アダマールシャルル=ジャン・ド・ラ・ヴァレー・プーサン(英語版)により独立証明され、現在では素数定理と呼ばれている。彼らの証明は、リーマンゼータ関数性質用いている。 長い間解析的方法用いなければ素数定理を証明することはできない信じられていたが、1948年頃、アトル・セルバーグポール・エルデシュ複素解析用いない素数定理の証明を(ほぼ独立に)発見した。それらの証明では、数論的関数初等評価のみを用いていた。

※この「素数定理」の解説は、「素数計数関数」の解説の一部です。
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