フィボナッチ数列の逆数和
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/02/28 22:40 UTC 版)
数学において、フィボナッチ数列の逆数和(フィボナッチすうれつのぎゃくすうわ、英: reciprocal Fibonacci constant)、またはψは、フィボナッチ数列の逆数の総和として定義される数学定数である。
この和の連続した項の比は、黄金比の逆数に近づく。従って、ダランベールの収束判定法により、この和は収束する。
ψの値は、おおよそで以下のようになると知られている[1]。
ビル・ゴスパーは、この値の高速な数値近似のためのアルゴリズムを得た。フィボナッチ数列の逆数和自身はk個の項に対しO(k)桁の精度であるが、ゴスパーのSeries accelerationではk個の項に対しO(k 2)桁の精度である[2]。
ψは無理数であると知られている。これはポール・エルデシュ、ロナルド・グラハム、Leonard Carlitzなどにより予想され、1989年、Richard André-Jeanninによって証明された[3]。 フィボナッチ数列の逆数和が超越数(代数的数でない数)であるかは、分かっていない。
連分数展開(数列表記)は、
のようになる[4]。
脚注
- ^ オンライン整数列大辞典の数列 A079586
- ^ Gosper, William R. (1974), Acceleration of Series, Artificial Intelligence Memo #304, Artificial Intelligence Laboratory, Massachusetts Institute of Technology, p. 66
- ^ André-Jeannin, Richard (1989), “Irrationalité de la somme des inverses de certaines suites récurrentes”, C. R. Acad. Sci. Paris Sér. I Math. 308 (19): 539–541, MR0999451
- ^ オンライン整数列大辞典の数列 A079587
関連項目
- フィボナッチ数列
- 逆数の和の一覧
外部リンク
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