微分積分学
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微分積分学(びぶんせきぶんがく、英: calculus)または微積分学(びせきぶんがく)とは、解析学の基本的な部分を形成する数学の分野の一つである。微分積分学は、局所的な変化を捉える微分と局所的な量の大域的な集積を扱う積分法の二本の柱からなり、分野としての範囲を確定するのは難しいが、大体多変数実数値関数の微分と積分に関わる事柄(逆関数法やベクトル解析も)を含んでいる。
注釈
- ^ どのようにして正解を導いたのかは明らかでない。モリス・クライン (Mathematical thought from ancient to modern times Vol. I) は試行錯誤の結果ではないかと示唆している。
- ^ ニュートンの微分積分の最初の論文「De methodis serierum et fluxionum(級数と流率の方法について)」は1666-1671年に記載され、没後10年後(1736年)に公刊された。次の論文「曲線の求積論」は1704年に『光学 (アイザック・ニュートン)』の初版の付録として公刊。ライプニッツの微分法の論文「Nova Methodus pro Maximis et Minimisは1684年に専門雑誌「Acta Eruditorum」に発表された。ライプニッツ‐ニュートン微分積分論争も参照。
出典
- ^ a b Helmer Aslaksen. Why Calculus? National University of Singapore.
- ^ Archimedes, Method, in The Works of Archimedes ISBN 978-0-521-66160-7
- ^ Victor J. Katz (1995). "Ideas of Calculus in Islam and India", Mathematics Magazine 68 (3), pp. 163-174.
- ^ Ian G. Pearce. Bhaskaracharya II.
- ^ J. L. Berggren (1990). "Innovation and Tradition in Sharaf al-Din al-Tusi's Muadalat", Journal of the American Oriental Society 110 (2), pp. 304-309.
- ^ “Madhava”. Biography of Madhava. School of Mathematics and Statistics University of St Andrews, Scotland. 2020年9月26日閲覧。
- ^ “An overview of Indian mathematics”. Indian Maths. School of Mathematics and Statistics University of St Andrews, Scotland. 2006年7月7日閲覧。
- ^ “Science and technology in free India” (PDF). Government of Kerala — Kerala Call, September 2004. Prof.C.G.Ramachandran Nair. 2006年8月21日時点のオリジナルよりアーカイブ。2006年7月9日閲覧。
- ^ Charles Whish (1835). Transactions of the Royal Asiatic Society of Great Britain and Ireland
- ^ 『古典力学の形成―ニュートンからラグランジュへ』(山本義隆、1997年)
- ^ 矢沢サイエンスオフィス『大科学論争』学習研究社〈最新科学論シリーズ〉、1998年、119頁。ISBN 4-05-601993-2。
- ^ 矢沢サイエンスオフィス『大科学論争』学習研究社〈最新科学論シリーズ〉、1998年、123-125頁。ISBN 4-05-601993-2。
- ^ リヒャルト・デデキント 渕野昌訳 (2013). 数とは何かそして何であるべきか. 筑摩書房
- ^ 足立恒雄 (2011). 数とは何か―そしてまた何であったか―. 共立出版
- ^ UNESCO-World Data on Education [1]
- 1 微分積分学とは
- 2 微分積分学の概要
- 3 歴史
- 4 脚注
微分積分学
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『シッダーンタ・シローマニ』は天文学を中心に扱っているが、それ以前の著作にはない様々な理論が含まれている。特に、いくつかの三角法の成果に沿った微分法や解析学の基本概念、積分法の考え方などが見られる。 その著作から、バースカラ2世は微分法のいくつかの考え方を知っていたと見られている。しかし、それら成果の使い方を理解していなかったと見られ、そのために数学史家からは一般に無視されている。バースカラ2世は関数の極値で微分係数がゼロになることを示唆しており、無限小の概念を知っていたことを示している。 ロルの定理の原型が著作に見られる。 f ( a ) = f ( b ) = 0 {\displaystyle f\left(a\right)=f\left(b\right)=0} であるとき、 a < x < b {\displaystyle \ a<x<b} という範囲のある x {\displaystyle \ x} で f ′ ( x ) = 0 {\displaystyle f'\left(x\right)=0} となる。 x ≈ y {\displaystyle x\approx y} なら sin ( y ) − sin ( x ) ≈ ( y − x ) cos ( y ) {\displaystyle \sin(y)-\sin(x)\approx (y-x)\cos(y)} となるという結果を得ている。正弦関数の導関数を見つけたことになるが、それを微分として一般化しようとしていない。バースカラ2世は黄道上の位置角を求めるのに使っている。これは、食が起きる時刻を正確に予測するのに必要だった。 惑星の瞬間的な運行を計算するにあたって、惑星の位置を.mw-parser-output .frac{white-space:nowrap}.mw-parser-output .frac .num,.mw-parser-output .frac .den{font-size:80%;line-height:0;vertical-align:super}.mw-parser-output .frac .den{vertical-align:sub}.mw-parser-output .sr-only{border:0;clip:rect(0,0,0,0);height:1px;margin:-1px;overflow:hidden;padding:0;position:absolute;width:1px}1⁄33750秒以下の間隔で測定しており、このような無限小の時間単位で速度を測定していた。 彼は、変数が極大値となったとき微分係数が消える(ゼロになる)ことに気づいていた。 また、惑星が地球から最も遠い位置にあるとき、あるいは最も近い位置にあるとき、惑星が見かけ上一定速度で運行すると仮定して計算した位置と実際の位置の差がゼロになることを示した。そこで彼は、その差分を示す式と実際の運行の差がゼロになる点が中間に存在すると結論付けた。これは解析学の最重要な定理である平均値の定理の考え方と同じであり、今日ではロルの定理から導き出すのが一般的である。平均値の定理は15世紀、バースカラ2世の『リーラーヴァティ』の注釈本であるパラメーシュヴァラ (Parameshvara) の Lilavati Bhasya で発見されている。 マーダヴァ(1340年 - 1425年)と14世紀から16世紀にかけてのケーララ学派 の数学者ら(パラメーシュヴァラを含む)は、バースカラ2世の業績を発展させ、インドにおける微分積分学を発展させていった。
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