ユークリッド空間とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 同じ種類の言葉 > 言葉 > 場所 > 空間 > ユークリッド空間の意味・解説 

ユークリッド‐くうかん【ユークリッド空間】

読み方:ゆーくりっどくうかん

ユークリッド幾何学適用できる空間。点はn個の実数の組で表され、二点A(a1,a2,…,an), B(b1,b2,…,bn)の間の距離は{(a1b12+(a2b22+…+(anbn2の平方根定義される


ユークリッド空間

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/11/28 23:31 UTC 版)

三次元ユークリッド空間の各点は三つの成分の座標で決定される。

ユークリッド空間(ユークリッドくうかん、: Euclidean space)とは、数学における概念の1つで、エウクレイデス(ユークリッド)が研究したような幾何学ユークリッド幾何学)の場となる平面や空間、およびその高次元への一般化である。エウクレイデスが研究した平面や空間はそれぞれ、2次元ユークリッド空間、3次元ユークリッド空間に当たり、これらは通常、ユークリッド平面、ユークリッド空間[注釈 1]などとも呼ばれる。「ユークリッド的」という修飾辞は、これらの空間が非ユークリッド幾何アインシュタイン相対性理論に出てくるような曲がった空間ではないことを示唆している。

古典的なギリシャ数学では、ユークリッド平面や(三次元)ユークリッド空間は所定の公準によって定義され、そこからほかの性質が定理として演繹されるものであった。現代数学では、デカルト座標解析幾何学の考え方にしたがってユークリッド空間を定義するほうが普通である。そうすれば、幾何学の問題に代数学解析学の道具を持ち込んで調べることができるようになるし、三次元以上のユークリッド空間への一般化も容易になるといった利点が生まれる。

現代的な観点では、ユークリッド空間は各次元に本質的に一つだけ存在すると考えられる。たとえば一次元なら実数直線、二次元ならデカルト平面、より高次の場合は実数の組を座標にもつ実座標空間である。つまり、ユークリッド空間の「」は実数からなるであり、二点間の距離は二点間の距離の公式に従うものとして定まる。n-次元ユークリッド空間は、(標準的なモデルを与えるものという意味で)しばしば Rn とかかれるが、(余分な構造を想起させない)ユークリッド空間固有の性質を備えたものということを強調する意味で En と書かれることもある。ふつう、ユークリッド空間といえば有限次元であるものをいう。

直観的な説明

ユークリッド平面を考える一つの方法は、(距離や角度といったような言葉で表される)ある種の関係を満足する点集合[注釈 2]と見なすことである。例えば、平面上には二種類の基本操作が存在する。一つは平行移動で、これは平面上の各点が同じ方向へ同じ距離だけ動くという平面のずらし操作である。いま一つは平面上の決まった点に関する回転で、これは平面上の各点が決められた点のまわりに一貫して同じ角度だけ曲がるという操作である。ユークリッド幾何学の基本的教義の一つとして、二つの図形(つまり点集合の部分集合)が等価なもの(合同)であるとは、平行移動と回転および鏡映の有限個の組合せ(ユークリッドの運動群)で一方を他方に写すことができることをいう。

これらのことを数学的にきちんと述べるには、距離や角度、平行移動や回転といった概念をきちんと定義せねばならない。標準的な方法は、ユークリッド平面を内積を備えた二次元実ベクトル空間として定義することである。そうして

  • ユークリッド平面の点は、二次元の座標ベクトルに対応する。
  • 平面上の平行移動は、ベクトルの加法に対応する。
  • 回転を定義する角度や距離は、内積から導かれる。

といったようなことを考えるのである。こうやってユークリッド平面が記述されてしまえば、これらの概念を勝手な次元へ拡張することは実に簡単である。次元が上がっても大部分の語彙や公式は難しくなったりはしない(ただし、高次元の回転についてはやや注意が必要である。また高次元空間の可視化は、熟達した数学者でさえ難しい)。

最後に気を付けるべき点は、ユークリッド空間は技術的にはベクトル空間ではなくて、(ベクトル空間が作用する)アフィン空間と考えなければいけないことである。直観的には、この差異はユークリッド空間には原点の位置を標準的に決めることはできない(平行移動でどこへでも動かせるため)ことをいうものである。大抵の場合においては、この差異を無視してもそれほど問題を生じることはないであろう。

厳密な定義

非負整数 n に対して n-次元ユークリッド空間 En とは、空でない集合 Sn-次元実内積空間 V の組 (S, V) で、次をみたすものをいう:

  1. P, QS に対して、V のベクトル

ユークリッド空間

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/21 15:46 UTC 版)

アスコリ=アルツェラの定理」の記事における「ユークリッド空間」の解説

アスコリ=アルツェラの定理は、より一般に、d-次元ユークリッド空間 Rd に値を取る函数fnに対して成立し、その証明は非常に簡潔である。すなわち、R-値の場合結果を d 回適用することで、第一座標において一様収束する部分列を選び、その中から第二座標において一様収束する部分列を選ぶ、という手順繰り返せばよい。上述の例は、ユークリッド空間に値を取る函数場合に対して容易に一般化される

※この「ユークリッド空間」の解説は、「アスコリ=アルツェラの定理」の解説の一部です。
「ユークリッド空間」を含む「アスコリ=アルツェラの定理」の記事については、「アスコリ=アルツェラの定理」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「ユークリッド空間」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ

ユークリッド空間

出典:『Wiktionary』 (2021/08/22 12:12 UTC 版)

名詞

ユークリッド空間 (ゆーくりっどくうかん)

  1. (幾何学) ユークリッド幾何学を扱う平面空間

参照




ユークリッド空間と同じ種類の言葉


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「ユークリッド空間」の関連用語

ユークリッド空間のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



ユークリッド空間のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
デジタル大辞泉デジタル大辞泉
(C)Shogakukan Inc.
株式会社 小学館
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのユークリッド空間 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaのアスコリ=アルツェラの定理 (改訂履歴)、アフィン空間 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。
Text is available under Creative Commons Attribution-ShareAlike (CC-BY-SA) and/or GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblioに掲載されている「Wiktionary日本語版(日本語カテゴリ)」の記事は、Wiktionaryのユークリッド空間 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、Creative Commons Attribution-ShareAlike (CC-BY-SA)もしくはGNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS