一次関数
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数学、特に初等解析学における(狭義の)一次関数(いちじかんすう、英: linear function)は、(一変数の)一次多項式関数(first-degree polynomial function)、つまり次数 1 の多項式が定める関数
いくつかの直線の式:赤(●)と青(●)は傾きが等しく、赤(●)と緑(●)は同じ y-切片を持つ。 一次関数は線型関数(linear function)やアフィン関数(affine function)とも呼ばれ、この場合しばしば定数関数 (a = 0) も含む。ベクトルを変数とする広義の一次関数はアフィン写像と呼ばれ、これはベクトルにベクトルを対応させる写像であるが、ふつう線型写像はその特別な場合 (b = 0) で斉一次関数で与えられる。
以下、解析幾何学における実関数としての一次関数について述べる。
定義と簡単な説明
初等解析学において、不定元 x に関する高々一次の多項式 ax + b(a, b は実定数)に対し、x を実変数とみて得られる写像
各軸における切片 一次式 ax + b を特徴付けるふたつの定数について、a が増減すると対応する直線の「傾き」が急になったり緩やかになったりするので、a はこの直線の傾きと呼ばれる。また b は対応する直線と y-軸との交点の座標であり y-切片 (y-intercept) あるいは単に切片と呼ばれる。また、aは変化の割合(変化率)とも呼ばれ、変化の割合はyの増加量/xの増加量で求められる[3]。
- 傾き a が正の場合はグラフは右上がりになり、負の場合は右下がりになる。いずれの場合も、a の絶対値が大きくなるほど傾きが「急」になる。
- y-切片 b が増減すると対応する直線は座標平面を上下に平行移動する。
x-切片(直線と x-軸の交点)は ax + b の零点 x = −b/a であたえられる。
一次関数 f が非退化 (a ≠ 0) ならば、非有界、非周期的、かつ単調増大 (a > 0) または単調減少 (a < 0) である。さらに単射かつ全射、従って一対一対応ゆえに可逆(であって、逆関数もまた非退化な一次関数)である。これと対照に、定数関数に退化している (a = 0) ならば、有界、周期的、かつ偶関数であり、非増大かつ非減少の意味では単調であるが、単射でも全射でもなく(したがって一対一対応にならず)逆函数を持たない。退化・非退化の場合によらず b = 0 のとき一次関数は奇関数であり、偶かつ奇となるのは定数関数 x ↦ 0 に限る。
x-軸に垂直な直線は一次関数ではない x-軸に平行な直線は定数関数 平面直線の式として
詳細は「直線」を参照傾き・切片標準形
一次関数の表す直線の式 y = ax + b は、傾きと y-切片を与えることによって一意的に決定される「傾き・切片(標準)形」(slope-intercept form) であり、座標平面上で直線を表す式としては他に「点・傾き(標準)形」(point-slope form) である
傾きは任意の二点間での各成分の増分の比 一次関数の傾きは通る二点が分かれば一意的に決定できるので、一次関数はそれが通る二点が決まればただひとつに決まる。一次関数 f(x) = ax + b が二点 (x1, y1), (x2, y2) を通るとき、y の増分/x の増分 =Δy/Δx は点の取り方に依らず一定で、傾きに等しく
傾きは直線が x-軸の正の向き(始線)と成す角の正接に等しい。 直線 y = ax + b が x-軸の正の向きと成す角(方向角)が α であるとすると、この直線の傾きは正接関数を用いて
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