高々 (数学)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/05/31 15:14 UTC 版)
![]() |
この記事は検証可能な参考文献や出典が全く示されていないか、不十分です。(2012年12月)
|
数学において、高々(たかだか)という表現は、英語の at most に対応した厳密な意味を持つ学術用語である。 「多くとも」、「以下」と同義であるが、文脈によってはこれらよりも好まれる場合もある。
意味
例えば、「xは高々2である」という表現は「xは多くとも2である」こと、すなわち「x≦2」を意味する。同様に「高々可算(at most countable)」は「有限個(1つもないというケースを含む)または可算無限個である」ということを意味する[1]。これについては通常「可算以下」といった表現はしない。単に「可算」と言った場合も、数え上げることができるという意味で「高々可算」と同じ意味である場合もあるが、「可算」が可算無限のみを意味する場合もあるので、有限個でもよいということを明確に示したい場合に「高々可算」という表現が好まれる。
また、「高々有限個」は「有限個あるいは0個」であることを意味する。0も有限の値であるから、単に「有限個」あるいは「無限個ではない」と言うのと同じ意味であるが、0個の場合もあるということを明確に示したい場合に「高々有限個」という表現が好まれる。
使用例
日常語との差異
日常語での「高々」は、「あまり多くはない」というニュアンスを持つが、数学における「高々」は、「高々可算」の用例があるように無限に存在する場合でさえ用いられ、否定的なニュアンスはほとんどない。また、日常語ではそのニュアンスを重視するため、数学における厳密な意味を持たない場合もある。例えば、1000人収容の会場に「客は高々100人だろう」と予想したとして、実際の客の入りが101人であれば、日常的には非常によい予想だったと受け止められるが、数学的には偽の命題とされる。逆に、「今日の最高気温は高々28℃だろう」と予想したとして、実際の最高気温が30℃であれば、日常的にも数学的にも、ともに偽の命題とされる。
脚注
- ^ 岩波書店 青本和彦ら編 数学入門辞典 ISBN 4-00-080209-7 p.99, p.379 2005
関連項目
「高々 (数学)」の例文・使い方・用例・文例
- 彼はフットボールの玉を高々と蹴り上げた。
- 彼はトロフィーを高々と差し上げた。
- 楽隊は高々と行進曲を奏でた.
- 彼はその詩を高々と朗誦した.
- 高々と響き渡る声.
- 兄は入試に合格して鬼の首を取ったように鼻高々だ.
- その取引の利益は高々1 万円だった.
- そのつわものは夜気の中へたいまつを高々と掲げた.
- 旗は高々と風に翻っていた.
- 息子が事業に成功して彼は鼻高々である.
- 高々と差し上げる
- 声高々と詩を吟ずる
- 高々と造営した宮殿
- 高々度を飛ぶ航空機などにおける,地上と同程度の気圧を保たせた部屋
- テストは国語と算数(数学)について行われた。
- 高々_(数学)のページへのリンク