分布の基本的操作
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/10/13 10:26 UTC 版)
「特性関数 (確率論)」の記事における「分布の基本的操作」の解説
特性関数は、独立な確率変数の線型関数を操作する際に特に便利である。例えば、X1, X2, …, Xn を独立な(同分布である必要はない)確率変数の列とし、 S n = ∑ i = 1 n a i X i {\displaystyle S_{n}=\sum _{i=1}^{n}a_{i}X_{i}} とする。ここで ai は定数である。すると、Sn の特性関数は次のように定義できる。 φ S n ( t ) = φ X 1 ( a 1 t ) φ X 2 ( a 2 t ) ⋯ φ X n ( a n t ) {\displaystyle \varphi _{S_{n}}(t)=\varphi _{X_{1}}(a_{1}t)\varphi _{X_{2}}(a_{2}t)\cdots \varphi _{X_{n}}(a_{n}t)} 特に φ X + Y ( t ) = φ X ( t ) φ Y ( t ) {\displaystyle \varphi _{X+Y}(t)=\varphi _{X}(t)\varphi _{Y}(t)} となる。これを示すには、特性関数の定義を書いてみればよい。 φ X + Y ( t ) = E ( e i t ( X + Y ) ) = E ( e i t X e i t Y ) = E ( e i t X ) E ( e i t Y ) = φ X ( t ) φ Y ( t ) {\displaystyle \varphi _{X+Y}(t)=E\left(e^{it(X+Y)}\right)=E\left(e^{itX}e^{itY}\right)=E\left(e^{itX}\right)E\left(e^{itY}\right)=\varphi _{X}(t)\varphi _{Y}(t)} X と Y の独立性は、3 つ目の式と 4 つ目の式が等しいことを示すのに必要となる。 もう一つの興味深い例として、ai = 1/n の場合、Sn は標本平均となる。この場合 X で平均を表し、 φ X ¯ ( t ) = ( φ X ( t / n ) ) n {\displaystyle \varphi _{\overline {X}}(t)=\left(\varphi _{X}(t/n)\right)^{n}} となる。
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